ナミハナアブとは?生態や特徴をご紹介!作物への害などはあるの?

ナミハナアブとは?生態や特徴をご紹介!作物への害などはあるの?

ナミハナアブとは、どんな生き物なのでしょうか。「はなあぶ」という名前なので、人を刺すのでしょうか。ハチのように巣を作るのでしょうか。身近にいるけどよく分からない昆虫ナミハナアブ。その特徴や生態、学名などを整理してご紹介します。

記事の目次

  1. 1.はじめに
  2. 2.ナミハナアブの特徴
  3. 3.ナミハナアブの生態
  4. 4.まとめ

はじめに

出典:写真AC

黄色と黒で、ハチのようだけど何かが違う、そんな虫、見たことありませんか?もしかしたら、ナミハナアブかもしれません。お庭や家の中で、ハチに似た虫に遭遇したら、刺されないか心配になりますよね。ナミハナアブは人や作物に害を与えるのでしょうか。その生態や特徴に迫ります。

ナミハナアブの特徴

基本情報

Photo bycocoparisienne

名前(学名)
ナミハナアブ(Eristalis tenax)
分類
ハエ目ハナアブ科ナミハナアブ属
分布
日本全国

同じ属のシマハナアブ(Eristalis tenax)と、色も大きさも非常によく似ています。

ナミハナアブは「アブ」ではなく「ハエ」の仲間

出典:写真AC

ナミハナ「アブ」とありますが、人を刺すウシアブ(アブ科)とは別のグループで、ハエに近い生き物です。よく見ると、顔がハエに似ていますね。口の形も、針状ではなく、ハエのような舐めるのに適した形をしています。そのため、ナミハナアブが口で刺してくることはありません。

見た目がまるでハチ?

Photo by linsepatron

色や体の大きさは、ハチにそっくりですよね。これは、毒を持つハチを真似たもので、ベイツ型擬態と言う生存戦略です。これにより鳥などの天敵から身を守っています。ただ、真似ているだけですので、ナミハナアブ自身はお尻の針も毒も持っていませんし、巣を作ることもありません。

ナミハナアブは害虫なの?

針も毒も持たないため、人に対しての害はありません。また、幼虫は腐食性、成虫は蜜食性であるため、作物に対しても害がありません。家の中やお庭でナミハナアブを見かけても駆除の必要はないので、ご安心ください。どうしても駆除をしたい場合は、市販のハエ用殺虫剤が有効です。

ナミハナアブの生態

水中で暮らす幼虫期

ナミハナアブの幼虫は巣ではなく、池や下水溝などの水中で単独生活をします。エサは落ち葉などの腐食物です。分解者として生態系で大きな役割を担っています。呼吸をするために、シュノーケルのような長い管を持つのが特徴です。管を除いた大きさが2cm程になると地上に上がり、蛹になります。

飛び回る成虫期

Photo byulleo

大きさは1114mm成虫になっても、ハチと違い巣を作ることはなく、単独生活です花の蜜を求めて飛び回り、結果として植物の受粉に大きく貢献しています。ハエの仲間として高い飛翔能力を持つのも特徴です。

花粉の運搬役

花粉を運搬し、受粉の手伝いをする生き物を、花粉媒介者(ポリネーター)と言います。ナミハナアブも、そのポリネーターの一員です。受粉がなければ、植物だけではなく生態系も持続しません。そんな大切な役割を、ナミハナアブは担っているんですね。

まとめ

出典:写真AC

幼虫期は分解者、成虫期はポリネーター。ナミハナアブは人や作物に無害なだけではなく、生態系上で大きな役割を果たす昆虫でした。お庭の植物の受粉も、ナミハナアブが貢献しているかもしれません。こうした生き物を大切にしながら、ガーデンライフを楽しみたいですね。

Wataboh
ライター

Wataboh

農学部出身で、農業・園芸を広く愛しています! 盆栽の中ではサツキが特に好きです。

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