カシスとは
カシスはブルーベリーやストロベリーと同じベリー類の一種です。野生のカシスは古代ヨーロッパ時代から山奥で自生していたと伝わっています。それを食用として紹介したのはスイスの植物学者「ガスパール・ポアン」だといわれています。世界ではニュージーランド、北欧、カナダ、ロシアなどが主な産地です。特に真夏の直射日光の強いニュージーランド産のカシスは品質が高いといわれています。
日本でのカシス栽培
日本には1868年にドイツから導入されたといわれていますが、当初は加工技術の低さから定着せず、民家の庭先植物としてわずかに残ります。近年になり、カシスに含まれるアントシアニンの効果が注目され、全国で栽培されるようになりました。日本での主な産地は青森市で、1970年代にヨーロッパから苗木を導入して栽培を開始し、今では国産カシスの多くがカシスに適した風土の青森産です。
カシスの仲間
カシスは小さな食用になる果実をつける「ベリー類」の一種です。ベリー類は名前の最後に「ベリー」とつくものが多く含まれますが、カシスにはベリーはつきませんし、ストロベリーはベリーとつくものの、カシスとは形状が大きく異なります。「ベリー類」とひとことでいっても、さまざまな種類の果実が含まれるのです。ここではそんなベリー類の中からカシスの仲間をいくつかご紹介しましょう。
①ブルーベリー
ブルーベリーはツツジ科スノキ属の落葉低木です。春に白い花が咲き、そのあとに丸い青紫色の果実がなります。果実は古くからアメリカで食用とされてきました。20世紀に入ってから品種改良が進み、世界で150種類の品種があります。ブルーベリーはカシスにも含まれるアントシアニンを多く含む特徴があります。
②サンタベリー
サンタベリーはツツジ科スノキ属の常緑樹です。初夏に白やピンクの花が咲き、実がなり、この実は夏の終わりから色づいて赤くて丸い果実になります。サンタベリーもカシスと同じアントシアニンを含む特徴があります。また、ポリフェノールの一種であるレスベラトールが豊富です。サンタベリーの産地はフィンランドなどの北欧が有名ですがカナダや日本にも自生しています。
③ストロベリー
ストロベリーはバラ科オランダイチゴ属の多年草です。和名は苺(いちご)で、木ではなく草なので、野菜として分類されることもあります。ストロベリーはビタミンCを多く含み、カシスと同じアントシアニンも含む特徴があります。冬に出回る印象が強いですが、路地栽培のストロベリーは春に花を咲かせ、実をつけるのです。果実はだんだん熟して赤くなり、初夏に収穫を迎えます。
④クラウドベリー
クラウドベリーはバラ科キイチゴ属の多年草です。6月頃に白い花が咲き、果実は最初黄緑色ですが、だんだん熟していくと琥珀色に完熟します。果実にはビタミンCが豊富に含まれ、種にはビタミンEを多く含む特徴があります。クラウドベリーは食物繊維やポリフェノールも豊富で美肌効果が期待できるのです。
出典:写真AC