芝生の除草剤「シバゲン」について徹底解説!正しい使い方や効果は?

 芝生の除草剤「シバゲン」について徹底解説!正しい使い方や効果は?

芝生に生えたハマスゲやスズメノカタビラなど、厄介な雑草だけを枯らせる除草剤シバゲンDFが注目されています。この記事では、散布すれば草取り作業からの解放が期待できる除草剤シバゲンDFの効果的な使い方や、散布量について詳しく解説します。

記事の目次

  1. 1.シバゲンの概要
  2. 2.シバゲンの特長
  3. 3.シバゲンの種類
  4. 4.シバゲンの基本的な使い方
  5. 5.シバゲンの効果的な使い方①適用のある雑草に使用
  6. 6.シバゲンの効果的な使い方②ほかの除草剤との混合
  7. 7.シバゲンの安全性
  8. 8.シバゲンの注意点
  9. 9.芝生用除草剤の価格別表
  10. 10.シバゲンで美しい芝生を保とう

シバゲンの基本的な使い方

バケツ
Photo bypixel2013

シバゲンにはフラザスルフロン水和剤が含まれているため、水で希釈して散布します。使用量がごく少量でもかなりの面積に散布できますが、まきすぎると薬害が出るため、きちんと測量してから散布量を決めてください。

効果的な散布時期

春
Photo byLarisa-K

シバゲンは生育初期の雑草に効果があるため、雑草発生前からの散布がおすすめです。土壌処理の効果は3~4カ月間残効します。そのため、発生初期の雑草が多くなる3月~4月、10月~11月の時期に散布すると、効果的に抑えられます。さらに散布するタイミングは、1日程度雨に当たらず刈り込みをしない時期を選ぶのがベターです。

散布に必要な道具

散布
Photo by1737576

シバゲンを散布する場合は、蓄圧式噴霧器や動力噴霧器を使います。手動で動く蓄圧式噴霧器は2L~10L程度の大きさです。下表の希釈倍率表を参考に、適正なサイズを選んでください。また、シバゲンは呼吸器に影響をおよぼす危険性があるため、使用時は農薬用マスクやゴーグル、ゴム手袋の装着が必要です。

シバゲンDFの希釈倍率

散布面積 50㎡(15.1坪) 100㎡(30.3坪) 500㎡(151.5坪) 1,000㎡(303坪)
薬量 0.5~1.5g 1~3g 5~15g 10~30g
希釈水量 5~10L 10~20L 50~100L 100~200L
適用作物:日本芝・西洋芝(ティフトン芝)
適用雑草:一年生雑草・多年生広葉雑草

散布面積 50㎡(15.1坪) 100㎡(30.3坪) 500㎡(151.5坪) 1,000㎡(303坪)
薬量 1~2g 2~4g 10~20g 20~40g
希釈水量 5~10L 10~20L 50~100L 100~200L
適用作物:日本芝・西洋芝(ティフトン芝)
適用雑草:ハマスゲ

ボタニ子

ボタニ子

シバゲンの希釈倍率は5,000倍~10,000倍だね。ほかの除草剤の希釈倍率が200倍だから、比較するとかなり薄いね。

あわせて使用すると効果が高まる道具

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シバゲンを散布するときに、展着剤を使うことで効果が高まります。展着剤を混ぜた散布液は雑草に水滴をつけず濡れた状態にするため、少ない水の量でしっかり除草効果が現れます。ムラが発生せず、芝生に農薬が集中しないことから薬害も出にくいです。これは、水の表面張力をなくし水滴をつくらないようする効果が現れているからです。

展着剤の使い方

展着剤を使用する場合は、少しの水に展着剤加えて、そのあとに水を足して最後に水和剤を加えます。展着剤が泡立ち、混ぜるのが大変になることを防ぐためです。使用量は10Lあたり1~3.3mLのため、キャップで測量するとよいですね。芝用に使用できる展着剤はラベルに表示されています。確認してから購入してください。

ボタ爺

ボタ爺

展着剤を使った希釈液はすぐ乾くため、子どもやペットもすぐ入れるぞ。長時間、ペットを待たせなくて済むのはうれしいものじゃ。

シバゲンが使える芝生の見分け方

シバゲンを使うと枯れてしまう芝生があるため、使用前に適用があるか確認する必要があります。シバゲンはノシバ、コウライシバに対して使用できることから、冬に茶色に枯れたようになる芝生には使用可能です。また、日本芝はシートで販売されており、購入方法からも見分けられます。日本芝以外にも適用がある芝生の見分け方について下表を参考にしてください。

品種名 シバゲンの適用 見分け方①
冬の姿
見分け方②
購入方法
その他
センチピードグラス 茶色
休眠状態
種子
 
ほふく茎が地表に出ている
ティフトン 茶色
休眠状態
ポット苗 別名バミューダグラス
上記以外西洋芝 緑色 シート  

シバゲンの効果的な使い方①適用のある雑草に使用

草
フリー写真素材ぱくたそ

シバゲンは夏場で40日、秋冬で120日の残効があります。適応のある雑草が生えていることを確認し、適期に防除すれば生育を抑えられます。適応雑草や散布時期について知っておきましょう。

適用雑草

適用雑草①スズメノカタビラ

スズメノカタビラはイネ科一年生の雑草ですが、刈り込みに強く芝生にとっては厄介な雑草です。春と秋に発生が確認でき、小さな株を形成しています。シバゲンDFはスズメノカタビラに対しては適用時期がひろく、穂が発生する真夏の開花期でも使用できます。

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適用雑草②ハマスゲ

ハマスゲはカヤツリグサ科の多年生の雑草です。種子だけでなく地下茎で増殖する厄介な雑草です。夏頃に放射状の花序(穂のついた茎)をつけるため、3~4月ごろの発生初期に散布することで生育を抑えられます。

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適用雑草③メヒシバ

メヒシバはイネ科の一年草で、横に分げつしながら生息域を広げる厄介な雑草です。夏から秋にかけて、放射状に棒のような花序をつけます。だらだらと春から発芽が起こるため、3~4月時期に散布をすることで、芝生への侵入を防げます。

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適用雑草④スギナ

スギナはトクサ科に属するシダ植物で、胞子と地下茎で繁殖する雑草です。春に芝生からツクシが生えていればスギナが侵入していると考えてよいでしょう。断続的に地下茎から栄養茎(スギナといわれる枝状の茎)がでるため、春にシバゲンを散布したあとに、夏と翌年の春に続けて散布しないと完全に駆除ができません。

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散布時期

散布時期については、下の適用表を参考にして使用時期や散布量を決めてください。使用回数は1年間に散布可能な回数です。必要以上に散布すると薬害の原因となります。

雑草名 秋冬散布 春散布 使用量 散布量 使用回数
スズメノカタビラ 0.01g/㎡ 0.2~0.3L/㎡ 3
ハマスゲ   0.02g/㎡ 0.1~0.2L/㎡
メヒシバ   0.01g/㎡ 0.1~0.2L/㎡
スギナ   0.02g/㎡ 0.1~0.2L/㎡
※石原バイオサイエンスHPより 平成29年3月登録内容

引用:石原バイオサイエンス株式会社 製品情報

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シバゲンの効果的な使い方②ほかの除草剤との混合

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