葉大根とは
葉大根とは大根を間引いた際の若い葉のことをいい、別名間引き大根ともいいます。一般的に園芸店で取り扱われているものは葉を食べるために普段から食べている大根を品種改良したものです。ビタミンやミネラル、鉄分が豊富に含まれていて栄養価の高い緑黄色野菜としても知られています。
葉大根と大根の違い
一般的な大根は肥大化した胚軸と呼ばれる、大根の根にあたる部分を食べます。一般的な大根の葉は硬くトゲがあるのが特徴ですが、それに対して葉大根は柔らかくトゲが少ないほか、一般的な大根のような臭みがないため生野菜としても食べられるのが特徴です。
葉大根の基本情報
園芸名 | 葉大根 |
別名 | 間引き大根・間引き菜 |
旬の時期 | 5月〜10月 |
葉大根を栽培するにあたって
大根と聞くと先ほど説明した胚軸(根)の部分が太く、長くなるため畑のような広い土地でしか栽培できないイメージがあるかと思いますが、葉大根は胚軸(根)が成長しないため、狭いスペースでもプランターで育てることが可能です。また、成長速度が早いため栽培可能時期であれば繰り返し栽培できます。
葉大根のおすすめの種類と特徴
実際に葉大根を育てるにあたって、初心者でも簡単に育てられる葉大根の種類と特徴について紹介します。
葉太郎
葉太郎は耐暑性、耐寒性ともに優れており初心者でも育て方が簡単な種類です。葉数が多く、トゲが少ないという特徴があります。葉は柔らかく風味がいいので、和え物や煮物に最適です。
ハットリくん
ハットリくんは他の葉大根に比べて柔らかく苦味が少ないので、お子様でも美味しくいただけます。生野菜として食べても苦味が少ないためサラダとしても利用でき、料理の幅が広いのが特徴です。
葉美人
葉美人は生育期間が短く、幅広い期間栽培できるのが特徴の種類です。ビタミンCを多くむため、サラダやバターソテーなどにして食べるのに適しています。
葉大根をプランターで育てよう
育て方①環境
葉大根は種からのみ栽培可能で生育適温は20〜25℃です。耐寒性が低く、真冬の寒さや霜にあたると枯れてしまうため、冬以外の時期ならいつでも育てられます。日当たりが不十分だと大根の葉が間延びした姿に成長してしまうので、日当たりのよい場所で育てましょう。
育て方②種まき
- 48L程度の大きめなプランターを用意し、水はけをよくするために鉢底石を敷きます。
- 市販の野菜用の培養土をプランターの8分目まで入れて表面を平らにならします。
- 株間を5〜10cmあけて人差し指の第一関節あたりまでの深さの溝を作り、2〜3粒種まきします。
育て方②害虫対策
葉大根にはアブラムシやコナガなどの害虫が付きやすく、生育初期にそれらの害虫に侵されると葉が侵食されてしまいます。害虫対策として葉を直接口にする葉大根にスプレーをまくことは難しいため、アーチ状の支柱を挿して虫除けネットや不織布で覆って害虫の侵入を防ぎましょう。
育て方③水やり
発芽までの間は土を乾燥させてしまうと発芽しなくなってしまうため、毎朝水やりを欠かさず行います。発芽後は逆に多湿になると病気にかかってしまったり、葉が蒸れて腐ってしまったりする恐れがあるので、土が乾いたら水やりをします。
発芽までと発芽後で水やりの仕方が異なりますので注意してください。
育て方④間引き
本葉が2〜3枚程になったら株間が3cm程度になるよう間引きします。間引いた株も食べることができるので捨てないで料理に利用しましょう。間引きをしたら化成肥料を株元に少量まき、間引きごとに肥料を与えましょう。残した株は草丈20cm程度になるまで育てます。
ボタニ子
肥料はあげすぎると肥料焼けを起こし葉が萎れてしまうため、ひとつまみ程度の量を株元にパラパラ撒くようにします。
育て方⑤収穫
葉大根は種まきから収穫までが約40日と成長が早い植物です。収穫時期に草丈20cm程度になった頃を目安に収穫しましょう。収穫時期を過ぎてしまうと葉や茎が硬くなってしまい風味も損なわれますので注意してください。
ボタニ子
収穫した株は葉だけでなく胚軸(根)の部分も食べられますが、辛みが強いため料理に工夫が必要です!
収穫後の保存方法
葉大根は収穫後3日程度は保存可能です。収穫した葉大根は胚軸(根)の部分を切り離し、切り離した葉の部分は、乾燥を防ぐため水を少量入れたポリ袋に入れて、冷蔵庫の野菜室で保管します。そうすることで鮮度を保ったままの保管が可能です。
葉大根の花
どんな花が咲くの?
葉大根は収穫時期を超えて栽培し、成長すると、葉の付け根から塔立ちした茎の先に花を咲かせます。大根の花と同じで花弁が4枚左右対象についた白い小さな花が咲きます。
花は食べられる?
咲いてしまった花は食べるのには向いていません。しかし、花が咲く前の蕾は葉同様に召し上がれます。葉大根は花が咲いてしまうと風味や食感が悪くなり、苦味が出てきてしまうため、葉を美味しく召し上がりたい場合は花が咲く前に収穫しましょう。
まとめ
いかがでしたか?葉大根というあまり馴染みのない名前からどんな野菜なのか気になっていた方も多いかもしれません。葉物野菜が好きな方もそうでない方も興味を持っていただけたのではないでしょうか?育てるのも簡単な葉大根をぜひ一度自分で育てて食べてみてください。
・葉大根は発芽率が高いのでまきすぎに注意する
・兼光性(光があたると発芽しない)の種子なので土をしっかりかぶせる