はじめに
家の周りや花壇・菜園に雑草が生えると、見栄えも悪くなり気になりますね。そこでしつこい雑草対策のひとつとして、塩や塩水・海水を使った除草方法の効果と実用性についてご紹介します。さらに環境への安全性についてもこの記事でわかりやすく検証していきます。
「塩」や「塩水」で除草剤ができる!?
塩や塩水・海水は除草剤として使用できます。塩の除草剤の作り方は、海水と同程度の塩水または食塩を用意し、直接気になるところにかけます。実際に販売されている食品成分の除草剤には、塩化ナトリウムや塩化カルシウム、つまり「塩」が主成分のものもあるのです。
「除草塩」で除草するとどうなる?
塩や塩水・海水をかけた植物は徐々に茶色くなり、やがて枯れてしまいます。浸透圧の作用で植物から水分が抜けて、栄養を取れなくなり枯れるのです。除草塩の効果は1週間程で現れてきます。土に残った塩分は植物に吸収されることはなく、畑や庭の土に浸透して分解されることもありません。
除草塩の効果と実用性
塩や塩水・海水を含んだ土壌は植物が育たないだけでなく、やがて塩害に繋がる可能性もあります。除草塩で雑草を枯らすという話題はTVでも紹介されましたが、多くの視聴者から安全性に疑問があると指摘されました。安心・安全をうたったはずの除草塩でしたが、思わぬ結果を招く可能性を理解しておきましょう。
「塩害」とはどういうこと?
植物だけでなく建築物・構造物に塩分が悪影響を与えること、それが塩害です。塩はコンクリートの劣化や金属の腐食を引き起こします。台風で運ばれた海水の影響や、雪国での融雪剤(塩化カルシウム)など、身近な塩害について解説します。
台風で注目!身近にある「塩害」
平成30年の台風24号の塩害のニュースが、記憶にある方も多いでしょう。強風で飛ばされた海水の影響で送電線から火花が飛んだり、配電施設への影響で電車が運休したりと多くの被害が発生しました。
凍結防止剤・融雪剤での「塩害」
雪が降る前にまく凍結防止剤は塩化ナトリウム、雪の降った後にまく融雪剤は塩化カルシウムです。塩化ナトリウムと塩化カルシウムはどちらも主な成分は塩で、塩害の原因として寒冷地では問題になっています。特に塩化カルシウムは水に溶けて熱を出すので、取り扱いには注意が必要です。
肥料焼けも塩害のひとつ
濃度の高い化成肥料や大量の化学肥料を与えてしまうことで、植物が枯れてしまうことを肥料焼けといいます。化学肥料は塩化カルシウムなど化学的に塩素と結合して作られたもので、肥料焼けのメカニズムは塩害と同じです。正しい使用料を守って、肥料焼けを防ぎましょう。
畑や庭に塩をまいてはいけない理由
広い駐車場、空き家や空き地、そして畑や庭に塩をまいてはいけない理由を、もう一度しっかりとおさらいしておきましょう。
畑や庭に塩をまいてはいけない理由
- 塩は取り除けない…塩分は土壌に吸収されず、自然に分解もされない
- 資産価値の低下…住宅の基礎やライフラインを劣化させる要因になる
- 環境への悪影響…その土地と周辺の問題だけでなく、次世代へも受け継がれる
除草剤の必要性について
人の手が入らない土地は、すぐに雑草がはびこってしまいます。庭や畑だけでなく空き家や空き地など、雑草はいたる所から生えてきます。都市部だけでなく地方でも雑草の生えた空き家の対策は、重要な課題になっていますね。
雑草は究極の宿根草
特に生命力が旺盛な笹やスギナ(ツクシ)・コケ類などの雑草は、究極の宿根草ともいえます。春になるとどこからともなく芽を出して、一雨ごとに増えていきますね。そんな厄介な雑草を効果的に処理するには、除草剤もひとつの方法です。畑や庭に塩をまく以外にも家庭にあるものが活用できるのか、次の項目で除草方法をご紹介していきます。
ボタ爺
次のページで、安全な除草方法と塩を使った害虫駆除について解説していくよ!
出典 Unsplash