デュランタとは
デュランタは、クマツヅラ科ハリマツリ属の低木~高木の植物です。和名をハリマツリ、タイワンレンギョウといいます。原産地は熱帯アメリカです。花が美しい品種と、葉が美しく観葉植物として扱われる品種があります。最も日本で知られている人気品種は、濃紫色に白い縁取りの花びらが特徴的で涼し気なタカラヅカです。夏の鉢物として流通します。
ボタ爺
なんとも麗しく涼し気な花で、夏にぴったりじゃのう。育て方をご紹介する前に、基本的な特徴を見ていくとしよう。
デュランタの特徴
デュランタは樹高0.3~2mの低木ですが、よく育つと4mの高木になるものもあります。横幅は15~150cmです。本来の生息地である熱帯では常緑樹に分類され、沖縄などの暖地では生垣にも使われます。日本では、秋から冬に寒さで落葉することが多く、冬越しに注意が必要です(後述)。
花期が長い
葉は幅1~3cm、長さ2~6cmで対生します。葉の縁は基部のほうは全縁ですが、先端側は波のような鋸歯があります。白い花の品種には、枝に2~14mmの棘があるのが特徴です。花期は暖地では一年中ですが、日本では6~10月になります。直径1~1.5cmの漏斗状の花が房状に垂れ下がってつくのが印象的です。花色は白や藤青色、濃紫色に白い縁取りの複色があります。
結実期には直径5~7mmで黄色~オレンジ色の果実を多くつけます。果実には円錐状のくちばしがあるのも特徴です。果実や葉には毒性があり、ペットが誤食すると下痢、嘔吐、筋力低下、眠気などの中毒症状を起こします。子供やペットがいる家庭では注意が必要です。
ボタ爺
次項では、植え付けや植え替え、肥料や増やし方など、基本的な手入れをご紹介しますぞ。
デュランタの育て方
花を楽しむデュランタは花期が長く、可憐で涼し気な姿が夏に似合います。葉を楽しむ品種は花が咲きにくいものの、美しい葉で安らぎを与えてくれるので人気です。まずは、用土や植え付け、肥料や増やし方など、デュランタの手入れの基本をご紹介しましょう。
育て方①適した環境
デュランタはもともと熱帯の植物なので、暑さに強く、寒さにやや弱い性質があります。冬でも5℃を下回らない暖地では、庭植えすることも可能です。冬越しについては後述しますが、霜に当たらない場所を選びます。日当たりと水はけのよい環境がおすすめです。日当たりが悪いと葉色が悪くなったり花つきが悪くなったりします。
観葉植物デュランタに適した日当たり
一方、観葉植物として扱われる斑入りや黄金の葉のデュランタに関しては、夏の日当たりに注意が必要です。このような品種は、真夏の直射日光に当てると葉焼けして傷んでしまいます。真夏の昼間は鉢を明るい日陰に移動させたり、日よけをしてあげましょう。ある程度の耐陰性があるので、明るい室内や半日陰でも育ちます。
育て方②植え付け
植え付け適期は4~7月です。購入した鉢植えのデュランタは地上部に比べて鉢が小さく、根詰まりしていることがよくあります。そのままの状態で育てると、夏に水切れを起こしやすいです。購入時か夏前に一回り大きな鉢か庭に植え付けてあげましょう。花つきもよくなり、水やりの手間も減ります。
鉢植えの場合の植え付け
鉢植えの場合は、赤玉土小粒7に腐葉土3の割合で配合した用土に植え付けます。用土に川砂を1割ほど混ぜて、水はけを向上させるのもおすすめです。寒さ対策で室内に取り込む場合は、臭いのする用土は避けます。観葉植物として室内で育てる品種の場合は、観葉植物専用の用土に植え付けると手軽で臭いの心配もありません。
庭植えの場合の植え付け
庭植えの場合は、日当たりと水はけがよい場所に植え付けます。植え付け2週間前に、鉢より一回り広い場所を深さ30~40cm程度耕し、苦土石灰を混ぜて中和しましょう。排水性が悪い場合は、腐葉土を2~3割、場合によってはさらに川砂を1割程度混ぜ込んで用土を整えます。植え付けの際に与える元肥としては、完熟堆肥が適当です。
ボタ爺
次は植え替えのポイントじゃ。鉢植えの場合は鉢底から根が出ていないか観察し、定期的な植え替えが必要じゃぞ。
出典:写真AC