ブロッコリーについて
ブロッコリーの特徴
ブロッコリーはキャベツの仲間の緑黄色野菜で、別名「緑花野菜(みどりはなやさい)」や「芽花野菜(めはなやさい)」と呼ばれています。糖分を多く含む茎の先に、花蕾(からい)と呼ばれる小さなつぼみの固まりをたくさんつけるのが特徴です。栄養豊富なだけでなくクセがないため、さまざまな調理方法を楽しめます。
ブロッコリーは生食できるのか
ブロッコリーは、茎も葉もつぼみ部分もすべて生で食べて大丈夫です。日本では加熱したり茹でたりと調理して食べるのが一般的ですが、アメリカやヨーロッパなどの海外では生食されることが多いです。生のブロッコリーはさまざまな食べ方ができ、加熱処理したものよりも甘みが強く人気があります。
生食するメリット
①栄養素が豊富
生の状態のブロッコリーには栄養素が豊富に含まれています。ブロッコリーが持つ栄養素は熱に弱いものや水溶性のものが多いです。そのため、茹でる・炒めるなどの加熱処理をすると、栄養素が壊れたり溶け出したりして半減してしまいます。効率的に栄養を摂り入れたい方には、生食することをおすすめします。
②満腹感が得られる
生のブロッコリーは歯ごたえがあり、食べる際にはよく噛む必要があるため、加熱調理したものに比べて満腹感が得られます。栄養豊富でカロリーも少ないので、ダイエットレシピの材料にもよく使われています。
ブロッコリーが持つ栄養素
ブロッコリーに含まれる代表的な栄養素には、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンK、ビタミンE、ミネラル、葉酸、食物繊維などが挙げられます。また、ブロッコリー特有の「ブロリコ」「スルフォラファン」と呼ばれる栄養素を持ち、抗酸化作用や免疫力アップ、体内の有毒物質を無毒化する効果などが期待されています。
ブロッコリーの生食が危険といわれる理由
理由①虫やホコリ
ブロッコリーを生食するのが危険といわれる理由の1つ目は「虫やホコリの付着が多いから」です。ブロッコリーのつぼみ部分はデコボコしており、虫やホコリが付着しやすい作りになっていますが、洗うことで取り除けるため、生食しても大丈夫です。効果的な洗い方は後ほど紹介します。
理由②残留農薬
ブロッコリーの生食が危険とされる理由の2つ目は「残留農薬が気になるから」です。ブロッコリーは虫がつきやすく、栽培時にはよく農薬が使われます。形状的に残留農薬を気にする声が多く聞かれますが、農薬使用量はきちんと管理されており、ある程度は水で洗い流せます。洗い方さえ気をつければ、生で食べても平気です。
理由③毒素を持つ
ブロッコリーの生食が危険といわれる理由の3つ目は「毒素を持っているから」です。ブロッコリーなどのアブラナ科の野菜に含まれる「コイトロゲン」と呼ばれる成分には確かに毒素があります。ただし、コイトロゲンは人体には影響が少なく、特に大きな問題はありません。過剰摂取しない限りは、加熱調理して食べても生食しても大丈夫です。
理由④コリンの摂りすぎ
ブロッコリーの生食が危険とされる理由の4つ目は「コリンの摂りすぎが気になるから」です。ブロッコリーに含まれている「コリン」と呼ばれる成分は、毎日多量摂取を続けると体臭悪化や多汗症、胃腸の働きを悪化させるなど、人体に悪影響を及ぼす可能性があります。ただし、日常的に適切な量を摂取する分には、調理しても生食しても問題ありません。
理由⑤苦みがある
ブロッコリーの生食が危険といわれる理由の5つ目は「苦みがあるから」です。ブロッコリーが苦いのは成分や収穫時期、鮮度などが原因の場合が多く、傷んでいない限りは、苦みがあったとしても生で食べても調理しても大丈夫です。ぬめりや変色、異臭がする場合は傷んでいる可能性が高いので食べるのを止めましょう。
生のブロッコリーのおいしい食べ方
ブロッコリーは「茹でる」「炒める」「揚げる」などたくさんの調理法がありますが、生でもおいしい食べ方がたくさんあります。
おすすめレシピ①サラダ
材料 (4-5人)
ブロッコリー 1株
セロリ 2本くらい
スィートオニオン 1/4個弱
ベーコン 2-3枚
レーズン 大さじ3
松の実 大さじ3
*マヨネーズ 大さじ4
*砂糖小さじ 1/4
*酢 小さじ1
*胡椒 小さじ1/8
*塩 小さじ1/4
作り方
- スィートオニオンをみじん切りにする
- ベーコンをフライパンでカリカリに焼いて細かくカットする
- 松の実をフライパンで乾煎りする
- ブロッコリーをきれいに洗い、親指大にカットする
- 大きめのボウルに*の材料を入れて混ぜ合わせる
- 5にサラダの材料すべてを入れて軽く混ぜる
- 塩コショウで味をととのえる
作るときのポイント
ブロッコリーは小さくカットするほうが味がなじみやすいです。5にオリーブオイルやニンジンのすりおろしを加えると、さらに風味がよくなります。マヨネーズベースの味付けでブロッコリー特有の香りも消せるため、子供でも平気で食べられる人気のレシピです。
おすすめレシピ②ピクルス
材料(5~6人分)
ブロッコリー 1株
塩 小さじ1/3
すし酢 80ccくらい
カレー粉 小さじ2/3くらい
しょうゆ 小さじ1.5くらい
にんにく 1かけ
ローリエ 1枚
作り方
- ブロッコリーをきれいに洗い、食べやすい大きさに切り塩をまぶす
- にんにくを薄切りにする
- 鍋にすし酢、カレー粉、しょうゆ、にんにく、ローリエを入れて火にかけ煮立たせる
- 消毒済みのビンにブロッコリーを入れ3の液をヒタヒタまで流しいれてフタをする
- 粗熱を取り、冷蔵庫で保管する
作るときのポイント
ブロッコリーを生のまま調理することで、コリコリとした歯ごたえを楽しめます。ピクルス液に浸けて半日~2日ほど待つと味がしみ込んでおいしいです。さわやかな味付けなので、副菜としてはもちろん、サラダやカレーに添えるなど食べ方はさまざまです。
おすすめレシピ③マリネ
材料(4人分)
ブロッコリー 1/2株
えのき 100g
しめじ 100g
黄パプリカ 1個
EXVオリーブオイル 60g
醤油 40g
にんにく 1かけ
塩 2つまみ
黒胡椒 1g
白胡椒 1g
作り方
- ブロッコリーをきれいに洗い、食べやすい大きさにカットする
- えのきとしめじは軸を取り、食べやすい大きさに手で割く
- 黄パプリカはヘタとワタを取り、乱切りにする
- 大きめのボウルに1と2と3を入れ、塩(分量外)を揉みこみ約30分置く
- 別のボウルにEXVオリーブオイル、醤油、にんにくの擦りおろし、塩、黒胡椒、白胡椒を入れ、よく混ぜ合わせる
- 4の水気を切り、5に入れて優しく混ぜ合わせる
- 材料がすべてマリネ液に浸るような容器に移し、ラップやフタをする
- 半日~1日冷蔵する
作るときのポイント
シンプルな味付けですが、見た目もおしゃれでおもてなしにもピッタリのレシピです。塩で揉みこむことで、優しい歯ごたえに変わります。そのまま食べる以外の食べ方としては、パスタの具材にしたりバゲットにのせたりするのもおすすめです。
おすすめレシピ④スムージー
材料(一人分)
ブロッコリー 2〜3房
バナナ 1/2本
豆乳 200ml
飲むヨーグルト 100ml
ハチミツ 適量
レモン汁 適量
作り方
- ブロッコリーをよく洗う
- バナナを一口大にカットする
- ブロッコリーとバナナをミキサーに入れ、豆乳と飲むヨーグルトを注ぐ
- ハチミツとレモン果汁を加えてミキサーにかける
作るときのポイント
豆乳は牛乳に、飲むヨーグルトはプレーンヨーグルトに置き換えてもおいしいです。ミキサーにかけるだけの簡単調理なので、手軽に栄養が摂れる「飲むサラダ」として忙しい朝にピッタリの食べ方です。薄めの味付けなため、甘さが足りなければハチミツを足すか豆乳を砂糖入りのものに変えてください。
おすすめレシピ⑤ナムル
材料
ブロッコリー 1/2個
胡麻油 小さじ2
煎り白ごま お好み
鷹の爪(輪切り) 3〜4切れ
チリペパー お好み
醤油麹 小さじ2〜
天然塩 小さじ1/3
作り方
- ブロッコリーをきれいに洗い、食べやすい大きさに切り分ける
- ボウルに1を入れ、塩を揉みこみ30分ほど置く
- 2に調味料を入れてよく混ぜ合わせる
- 冷蔵庫で一晩寝かせる
作るときのポイント
チリペパーや鷹の爪は入れると味のアクセントになりますが、それ以外の調味料でも十分おいしいので、辛いのが苦手な人は入れなくても大丈夫です。醤油麹はなければ醤油でもかまいません。そのまま食べる以外にも、ビビンバの具材やサラダのトッピングなど、工夫次第でいろいろな食べ方を楽しめます。
ボタニ子
次はブロッコリーを生食するときのポイントを紹介するよ!