ブロッコリーの芯は栄養豊富
ブロッコリーは、花蕾の部分を食べるイメージを持たれやすいですが、芯の部分も食べ方や調理法によっては、美味しく活用できます。また栄養素も、ビタミンCやカロテンが花蕾よりも多く含まれており、食物繊維にいたっては芯の部分にしか含まれていません。そのため風邪予防や便通を促すのによいとされています。
ブロッコリーの芯の下処理
芯が硬いブロッコリーでも、下処理をすれば、さまざまな料理に活用できます。上手に下処理して、美味しく食べましょう。
鍋でゆでる
- ブロッコリーの花蕾を切り落とす
- 側面の皮をそぎ落とし、薄めに切る(切り方:縦切りや斜め切りなど)
- 沸騰した湯に入れ、軟らかくなったら引き上げる(目安:約1分)
- 流水でサッと洗う
茹でるときのポイント
- 長く茹でると、水溶性ビタミンであるビタミンCなどの栄養素がブロッコリーから溶け出てしまうため、茹で時間に注意しましょう。
レンジで加熱する
- ブロッコリーの花蕾を切り落とす
- 側面の皮をそぎ落とし、薄めに切る(切り方:縦切りや斜め切りなど)
- 耐熱容器に2.を入れ、ラップでふんわりフタをしたら、500Wのレンジで3分加熱する
電子レンジで加熱するポイント
- レンジで加熱すると、栄養素の減少を抑えられます。
ボタニ子
下処理したものを保存するときは、冷凍保存がおすすめです。
ブロッコリーの芯を使った簡単レシピ7選
レシピ①ブロッコリーの芯の和え物(ザーサイ風)
「ザーサイ」とは、カラシナ(アブラナ科)の変種で、中国では副菜や漬物などに利用されている葉物野菜です。中華料理の食材として人気があり、中国の市場では安く手に入りますが、日本の市場ではあまり手に入りません。そこでブロッコリーの芯をザーサイの芯に見立てると、ザーサイの芯と同じ食感や風味を楽しめます。
材料(3人分)
- ブロッコリーの芯:1本
- 鶏がらスープの素:小さじ1
- 醤油:小さじ1
- ごま油:少々
- ニンニク:小さじ1
作り方
- ブロッコリーの芯を薄く切り、下ゆでをする
- ニンニクをすりおろす
- 鶏がらスープの素、醤油、ごま油、すり下ろしたニンニクをボウルに入れ混ぜる
- 3に下処理したブロッコリーの芯を入れ和える
レシピ②ブロッコリーの芯のきんぴら
「きんぴら」は、千切りした野菜に、砂糖や醤油で甘辛く炒めた人気の副菜です。一般的には、ゴボウや干したダイコンを使いますが、ブロッコリーの芯でも作れます。ブロッコリーの芯の細切りは、シャッキリとした食感です。作り置きしておけば、お弁当のおかずやおつまみに利用できます。
材料(1人分)
- ブロッコリーの芯:1/2本
- にんじん:1/4本
- 醤油:小さじ1
- みりん:小さじ1
- 砂糖:小さじ1
- 出汁の素:小さじ1/2
作り方
- にんじんとブロッコリーの芯を千切りにする
- フライパンに油を入れ、にんじんとブロッコリーの芯を入れ炒める
- 2に出汁の素、醤油、みりん、砂糖を加え、絡めるように炒める
レシピ③ブロッコリーの芯の煮物
野菜の煮物は、主菜にも副菜にもなる定番のおかずです。にんじんや大根などの根菜類、カボチャなどの果菜類の煮物レシピは多くありますが、ブロッコリーを煮物に使うレシピはあまり知られていません。しかしブロッコリーの芯を出汁や調味料で煮ると、軟らかな食感と素朴な風味が加わり、違ったブロッコリーの食べ方を楽しめます。
材料(3人分)
- ブロッコリーの芯:1本
- ショウガの天ぷら:1袋
- 醤油:大さじ1
- 砂糖:大さじ1
- 出汁の素:小さじ1
作り方
- ブロッコリーの芯を1cm間隔に切る
- お鍋にショウガの天ぷらとブロッコリーを入れ、水を浸る程度まで入れる
- 2に出汁の素を入れ、沸騰するまで煮込む
- 沸騰したら、醤油、砂糖を入れ、煮汁が無くなるまで煮る
ボタニ子
あらかじめ外皮を削ぎ落しておくと、短時間で軟らかくなります。
レシピ④ブロッコリーの芯のチーズフォンデュ
「フォンデュ」とは、フランス語で「溶かす」という意味です。スイスやフランスの一部地域では、パンや野菜を溶かしたチーズや温めたオイルに絡めて食べるのが人気です(日本でいう鍋料理のような食べ方です)。ブロッコリーもフォンデュ料理には欠かせない野菜で、芯も捨てずに茹でて活用し、絡めたチーズやオイルと一緒に食べています。
材料(3人分)
- ブロッコリー(花蕾も含める):1本
- にんじんやミニトマトなど好みの野菜:適量
- 食パン:3枚
- フォンデュ用のチーズ:適量
作り方
- ブロッコリーの芯を下処理し、食べやすい大きさに切る(同様に、好みの野菜も食べやすい大きさに切っておく)
- フォンデュ用のチーズを温める
- 溶かしたチーズの中に1を入れ、チーズを絡ませる
レシピ⑤ブロッコリーの芯のピザトースト
「本格的なピザは食べたいけれど、作るのが大変」と思ったときは、ピザトーストにしてみましょう。トマトケチャップの赤と、薄くスライスしたブロッコリーの芯の緑、ピザ用チーズを食パンに乗せて焼くと、マルゲリータ風のピザトーストに仕上がります(マルゲリータとは、イタリアの国旗を現したピザのことです)。調理も簡単で、忙しい朝にぴったりです。
材料(2人分)
- ケチャップ:適量
- 食パン:2枚
- ミックスチーズ:適量
- ブロッコリーの芯:1/4本
作り方
- ブロッコリーの芯を薄く切る
- 食パンにケチャップを塗る
- 2にブロッコリーとミックスチーズをのせる
- オーブントースターで約3分焼く
レシピ➅ブロッコリーの芯の天ぷら
玉ねぎやさつまいもなど、さまざまな野菜や旬の食材を、天ぷらとして食卓に登場しますが、ブロッコリーの天ぷらはあまり見かけません。しかし花蕾だけでなく、芯の部分に衣をつけて揚げると、ホクホクとした食感に仕上がります。見た目も素朴な緑色で、おかずの副菜やお酒のおつまみにもなります。
材料(1人分)
- ブロッコリーの芯:1本
- 小麦粉:適量
- 揚げ油:適量
作り方
- ブロッコリーの花蕾と外側を薄く切り落とし、縦4等分に切る
- 冷たい水に小麦粉を少しずつ入れて、天ぷらの素を作る
- 1を2に潜らせ、180℃の油で3~4分揚げる
ボタニ子
天ぷらの衣は、小麦粉ではなく、市販の天ぷら粉でもOKです
レシピ⑦ブロッコリーの芯のポトフ
ポトフを器に盛り付けるとき、鮮緑色のブロッコリーの花蕾が飾りつけとして使われます。しかしブロッコリーの芯は、硬いという理由でほどんど使われません。ブロッコリーの芯は、煮込むとやわらかくなるため、鶏肉や根菜類と一緒にコンソメで煮込んでみましょう。ブロッコリーの緑色は落ちてしまいますが、栄養満点のポトフになります。
材料(3人分)
- ブロッコリー:1株
- じゃがいも:3個
- にんじん:1/2本
- 皮つきもも肉:100g
- コンソメスープの素:1個+1/2個
- 水:500cc
作り方
- ブロッコリーを花蕾と芯とに分け、食べやすい大きさに切る
- 2.を下処理する
- にんじん、じゃがいも、皮つき鶏肉は、やや大きい乱切りにする
- 鍋にオリーブオイルと皮つき鶏肉を入れ、両面を3分ずつ焼く
- 4の焼き色がついたら水500ccと3で下処理したブロッコリーの芯を入れる
- 5が沸騰したら、コンソメスープの素を入れ、弱目の中火で20分煮込む
- 野菜が柔らかくなったら、深めの器に盛り付け、下処理したブロッコリーの花蕾を添える
ブロッコリーの芯も捨てずに美味しく食べよう!
近年では、食べられる部分であるにもかかわらず捨ててしまう「食品ロス」が急増しています。ブロッコリーの芯もそのひとつです。さまざまな調理法を活用すれば、食品ロスを減らしながらブロッコリーの芯を美味しく食べられます。栄養面からも、身体によい栄養素が多く含まれているため、ブロッコリーを料理で使用するときは、余すことなく使い切りましょう。
出典:写真AC