ブロッコリーとカリフラワー
今や家庭で日常的に楽しまれるようになった「ブロッコリー」と「カリフラワー」。どちらもスーパーなどで簡単に購入することができますよね。とてもよく似た形をしている二つの野菜ですが、違いをご存知でしょうか?濃い緑色をしたブロッコリーと真っ白いカリフラワーの色が違うことは一目瞭然ですが、それ以外にも違いはあるのかどうか、今回はこの二つの野菜の違いについてご紹介します。
ブロッコリーとは?
ブロッコリーは、アブラナ科でもともとはキャベツの一種です。イタリアで品種改良が行われ、現在の形となっています。食用しているのは花の蕾の部分であり、湯がいてそのまま食べても、炒めても美味しく、栄養価も高いため、人気の緑黄色野菜の一つです。
カリフラワーとは?
一方、白い頭が特徴的なカリフラワーは、ブロッコリーに何らかの突然変異が起こり、白くなった花の芽を品種改良して作られた野菜です。そのためにブロッコリーと似た形をしています。白い花の芽が食用されている一方で、鉢などに植えて鑑賞花としても楽しまれています。
ブロッコリーとカリフラワーの違いその①成長過程
成長過程並びに可食部における違い
ブロッコリーの成長過程と可食部
ブロッコリーとカリフラワーは、蕾が成長するまで苗の違いを見分けるのが難しく、収穫された後も似た形をしているので同じ可食部のように見えますが、実は少し違いがあります。ブロッコリはー花の芽が成長して蕾となったものを収穫しますので、収穫後に蕾から黄色の花が咲くことがあります。私たちが普段ブロッコリーとして食べているのは、「蕾」ということです。
カリフラワーの成長過程と可食部
一方で、カリフラワーはというと、同じように花の芽が成長しますが、その芽がそのまま成長したものを収穫したのがカリフラワーです。花の芽が蕾になることはないので、収穫後花を咲かせることはありません。私たちが食べているのはカリフラワーの「花の芽」といことになります。
ブロッコリーとカリフラワーの違いその②栄養価
ブロッコリーとカリフラワーは、栄養価において違いはあるのでしょうか?それぞれの栄養価と違いをご紹介します。
ブロッコリーとカリフラワーの栄養価
緑黄色野菜のブロッコリーと淡白野菜のカリフラワーでは、栄養価において違いがあります。
ブロッコリーの栄養価
ブロッコリーは濃い緑が象徴するように、多くのビタミンCをはじめとするさまざまな栄養素を含んでいます。ビタミンC以外にも、カリウム、鉄分などのミネラル、葉酸、食物繊維、β-カロテンなど、豊富な栄養価が特徴的です。
カリフラワーの栄養価
カリフラワーは白い花の芽からわかるように淡白野菜に分類され、ブロッコリー同じように多くの、ビタミンCやミネラル、葉酸、食物繊維を含む栄養価の高い野菜です。
ブロッコリーとカリフラワーの栄養価の違い
ブロッコリーとカリフラワーの栄養価の大きな違いは、ブロッコリーがカリフラワーよりも多くのビタミンCや約50倍のβ-カロテンを含んでいるということです。しかし、ブロッコリーのビタミンCは水に溶けやすい性質があります。このため、茹でて食べる場合、ブロッコリーとカリフラワーに含まれているビタミンCの量に大きな差はありません。
ブロッコリーとカリフラワーの旬はいつ?
真夏を除き、年中お店で購入可能ですが、ブロッコリーとカリフラワーどちらも旬は冬です。ブロッコリーの緑とカリフラワーの白色が鮮やかで特に美味しいのは、秋の終わり11月頃以降冬の時期です。生命力の強い旬の時期に食べることで、栄養素をしっかりと摂ることができますよ!
ブロッコリーとカリフラワーの仲間
ブロッコリーとカリフラワーがキャベツの変種であることをご紹介してきましたが、この二つ以外にも、これらに似た形や味をした仲間野菜があります。いくつかご紹介していきます。
ロマネスコ
ロマネスコとは?
ロマネスコもアブラナ科アブラナ属の野菜です。あまり日本ではお目にかからないロマネスコですが、ヨーロッパ原産でブロッコリーとカリフラワーを掛け合わせたカリフラワーの変種とされています。一方で、ロマネスコの方が歴史的には古いとする説もあり、掛け合わせではなくロマネスクからブロッコリーが生まれたのではないかともいわれています。
ロマネスコの特徴
いくつもの蕾が重なり合い、まるでサンゴ礁が渦を巻いているような見た目がロマネスコの特徴です。掛け合わせた野菜といわれるだけあって、味はブロッコリーとカリフラワーを合わせた味で、食感はカリフラワーに似ています。スープやパスタなどによく使われています。
スティックセニョール
別名「茎ブロッコリー」と呼ばれているこちらの野菜は、同じくアブラナ科であり、ブロッコリーの仲間野菜です。ブロッコリーと中国野菜「芥藍」を掛け合わせて作られたものであり、ブロッコリーよりも味にクセがなく程よい食感が食べやすいため子どもからも人気です。
パープルフラワー
カリフラワーを品種改良させた野菜「パープルフラワー」は、色鮮やかな紫色が特徴で、食用としても観賞用としても楽しまれています。カリフラワーと同じくビタミンCはもちろん、アントシアニンが含まれており、栄養素的にはカリフラワーよりも体にいい効果があるといわれています。
ホワイトバニラッシュ
こちらもアブラナ科で、ブロッコリーを品種改良させたもので、クリームがかった白色をしています。茎がブロッコリーよりも伸び、いくつもに分かれた枝から何個も小さな蕾ができるのが特徴です。味に関しても強い癖がなく、一本の苗からの収穫期間が長いことから人気を呼んでいます。
まとめ
いかがでしたか?よく似た形をし、同じように見えるブロッコリーとカリフラワーですが、成長過程や可食部、栄養価に違いがあることがおわかりいただけたと思います。また今回は、ブロッコリーやカリフラワーを掛け合わせたり、品種改良して生み出されたいくつかの仲間野菜もご紹介しました。それぞれの野菜が、異なる美味しさを持っていますので、その違いを料理に合わせて楽しんでいただければ幸いです。