ミニトマトに発生しうる病気一覧!発生原因や予防・治療方法をご紹介

ミニトマトに発生しうる病気一覧!発生原因や予防・治療方法をご紹介

ミニトマトの栽培は、病気の早期発見が大切です。葉っぱが枯れる、白いまだら模様が現れる、茎がしおれるなどの症状は発病の可能性が強いです。家庭菜園では、きれいな土壌に苗を植え付けると予防対策になります。ミニトマトはどのような病気を発生するのか見ていきましょう。

記事の目次

  1. 1.ミニトマトは発生する病気が多い?
  2. 2.ミニトマトに発生しうる病気①~④
  3. 3.ミニトマトに発生しうる病気⑤~⑧
  4. 4.ミニトマトに発生する生理障害
  5. 5.ミニトマトの病気を見逃さない!

ミニトマトに発生しうる病気⑤~⑧

病気⑤灰色かび病

灰色かび病は水が染み出たような暗褐色の斑点が現れる病気です。斑点をよく見ると灰色のかびが生えています。症状は、葉っぱや茎だけではなく実や蕾にも見られ、最終的には株全体に広がっていきます。発病した後にできた実は食べられません。

病害虫の発生原因

灰色かび病は、空気によって伝染するかびが原因の病気です。気温20℃前後で多湿な環境を好むため、梅雨の時期が特に多く発生します。湿気がこもりやすいハウス栽培やトンネル栽培は注意しましょう。葉が茂り過ぎたり、水はけが悪かったり湿気の多い状況が発生原因になります。

予防・治療法

灰色かび病の予防対策は、落ちた葉や花をこまめに取り除き、水はけのよい環境にすると防げます。枝元の葉が茂り過ぎないように風通しをよくするもの効果的です。発病したら、発生部位を除去しましょう。育て始めのころや収穫前であれば、「ダニコール1000」という薬剤で治療できます。

病気⑥モザイク病

モザイク病は、1年を通じてあらゆる植物に発生するウイルス性の病気です。葉っぱや茎の緑色がまだらに色抜けしたり、花も淡い黄色い模様が現れたりします。葉が縮れて細くなったり茎がゆがんだりしたらモザイク病を疑いましょう。1度感染してしまうと治療法がないため、予防対策が重要です。

病害虫の発生原因

モザイク病の発生は、害虫よる媒介と人間の管理作業が原因です。主に「アブラムシ」によって植物から植物に伝染するため、アブラムシの発生が多いと病気を発生する株も多くなります。また、摘葉や収穫時に使う手やハサミ、ナイフについた汁液によってウイルスが感染する場合もあります。

予防・治療法

モザイク病は、薬剤で治療することができません。予防対策として、マルチシートで覆いアブラムシが寄ってくるのを防ぎ、ハサミなどの道具類を消毒することが大切です。

病気⑦疫病

疫病は、かびによって発生する病気です。5~7月の梅雨時など水はけが悪い環境で発生します。まず下の葉っぱが染みのように暗褐色に変色し始め、徐々に茎や実にも黒い斑点が広がっていき、さらに進行すると斑点に白いかびが生えてきます。

病害中の発生原因

疫病の発生は、低温多湿の状況が続いたり、肥料の窒素分が多すぎることが原因です。収穫を終えた土壌で冬を越した疫病が、春になると発芽し胞子を産みます。この胞子が、水やり時の泥の跳ね返りによって葉っぱの裏側に付着して発生します。

予防・治療法

疫病は、水はけをよくし、藁を敷いて泥はねを防止することで防げます。また連作をさけ、窒素肥料を少なめにするとよいでしょう。収穫後は、必ず全ての株を除去するようにします。もし疫病が茎に広がった場合は、株を引き抜き畑の外で処分します。治療薬は「レーバス」や「ダニコール」がおすすめです。初期の段階では、葉を摘み採って対処できますが、株全体に広がった場合は薬剤を使用して治療します。

病気⑧斑点細菌病

斑点細菌病は、葉の表面に暗褐色や茶褐色の斑点が現れる病気です。最初は2~3mm程度の小さな斑点ですが、徐々に大きく広がっていきます。斑点の周りが淡いに黄色くなっているのが特徴です。葉っぱに水が染み出たような黄色い斑点が現れたら斑点細菌病を疑いましょう。

病害中の発生原因

斑点細菌病の発生原因は、細菌(バクテリア)です。出芽するときに土壌の菌と接触したり、感染している種子を植え付けたりすることで発病します。増殖した菌が、雨水によってほかの部位に運ばれ、気孔や傷口から入り込みます。水を介して感染するため、曇りや雨の日が続き、湿度が高い時期に発生しやすく、葉に結露がつく時期も注意が必要です。

予防・治療薬

斑点細菌病の予防には、土壌の消毒が効果的です。土壌に残っている前作の植物に細菌が付着している場合があり、古い土を除去して殺菌する必要があります。また水はけが悪いと感染しやすくなるため、水はけのよい土に植え付けましょう。症状がひどくなってからの治療は難しいです。初期の段階に「オリゼメート粒剤」や「カッパーシン水和剤」を散布すると被害をくい止められます。

ミニトマトに発生する生理障害

Photo byhhorakova

ミニトマトの生理障害は、特定の養分不足や水やりのし過ぎによって起こります。茎が枯れる、葉がしおれる、まだら模様の染みができるなど、病気に似ている症状が多いです。葉や実など一部の部位に発生する場合が多く、発生した部位を取り除けば食べられる点が病気と異なります。

ボタニ子

ボタニ子

実が裂果や空洞果になっていたら、生理障害の場合が多いです。食べられるため煮込み料理などに使いましょう。

生理障害①尻腐れ病

尻腐れ病は、ミニトマトの実の先端部分が腐る病気です。病原菌による病気ではなく、石灰(カルシウム)不足による生理障害によって起こります。熟した実は尻腐れ部分を取り除けば食べられるため、スープなど加熱料理に使いましょう。用土に苦土石灰を混ぜて栽培します。水不足になると土が乾燥して水とカルシウムが実まで行き渡らないため、水やりの回数を増やして防ぎます。

生理障害②葉先枯れ

葉の先が枯れてきた場合は、病気ではなくカリが不足した生理障害を疑いましょう。地上部の成長にカリ吸収が追いつかず、実や葉に養分が送れないため発生します。茎や葉、実の成長が盛んな時期は特に注意が必要です。カリ中心の液体肥料を葉や根に散布してカリの吸収を促します。

ミニトマトの病気を見逃さない!

Photo bytristanaverythomas

トマトは、雨が少なく日当たりがよく昼夜の寒暖差が大きい環境を好みます。乾燥に強い性質のため、やや水不足のほうが元気に育ちます。日本の高温多湿で熱帯夜が続く夏は、家庭菜園には難しい環境かもしれません。ミニトマトを育てるポイントは、病気を見逃さないことです。苗を植え付ける前の土壌をきれいにし、葉に白い斑点が現れたのを見逃さないなど、早めに病気の症状を見つけましょう。

sacchi
ライター

sacchi

子育てと介護に励む主婦ライターです。信州の豊かな自然の中で、たくさんの植物に囲まれて育ちました。娘のアトピー改善のために、薬膳料理に奮闘中です。

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