アシタバ(明日葉)は日本原産種で、暖かい地域の浜辺に自生するセリ科の多年草です。おもに伊豆諸島や紀伊半島に自生しています。葉にさまざまな栄養素が含まれており、地元では貴重な栄養源として珍重されていました。現在は健康効果の高さが注目され、青汁などのいろいろな加工品の原料に利用されることが多いです。
園芸部類 | 葉野菜 |
形態 | 多年草 |
樹高 | 50cm~60cm |
花の色 | 白 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | やや弱い |
耐陰性 | やや弱い |
栽培難易度 | ★★☆☆☆ |
アシタバの特徴は、名前の由来にもなっている生命力です。どんなにたくさん葉を収穫しても、翌日にはもう若葉が出ていることから「明日葉(アシタバ)」と呼ばれるようになりました。しかし開花後、結実した株は枯れてしまうため、開花しないように茎葉を摘み続けるのが、アシタバの収穫のポイントです。花を咲かせないように茎葉を摘み続ければ、同じ株で4年~5年収穫を続けられます。
シシウド 10.5cmポット
参考価格: 14,520円
シシウド(猪独活)は、アシタバと同じセリ科・シシウド属の植物です。本州、四国、九州に分布しています。名前は「見た目はウド(独活)に似ているけれど、硬くて猪くらいしか食べられない」と評されたことに由来しています。植物学上は仲間なので見た目は似ていますが、アシタバは古くから葉が食用されていたことに対して、シシウドは新芽しか食用にならないことが大きな違いでしょう。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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ハマウド(浜独活)は海辺に自生する多年草です。アシタバと同じセリ科シシウド属の植物で、見た目はとてもよく似ています。アシタバとの違いは茎を切ったとき、ハマウドの茎からは淡い黄白色の汁が出ますが、アシタバからは鮮やかな黄色い汁が出ることです。またアシタバの苗は広く販売されていますが、ハマウドはあまり食用されていないこともあって、苗の販売はありません。
植え付け時期 | 4月~5月、10月~11月 |
剪定時期 | 4月~11月頃 |
収穫時期 | 4月~11月頃(植え付けてから2年目以降) |
アシタバの植え付け時期は4月~5月、10月~11月です。アシタバが発芽する適温は15℃~20℃なので、暑過ぎず寒すぎない時期を選びます。アシタバの植え付けは種まきと苗植えの2種類があります。種まきの場合、暖地は10月~11月の秋まき、寒冷地の場合は4月~5月の春まきが最適です。
アシタバの栽培方法は、鉢植え・プランター栽培と地植え栽培の2種類です。アシタバは太い根を深く伸ばすため、鉢植え・プランター栽培にする場合、鉢やプランターは底が深いものを用意しましょう。
アシタバを栽培管理する場所は、風通しがよい半日陰が理想的です。アシタバは、耐陰性はやや弱い植物ですが、高温や強い日差しが苦手なため、涼しく強い日差しを避けられる場所が適しています。また、アシタバは耐寒性も弱い植物です。霜に当たると地上部が枯れてしまいます。冬越し対策として、株元をマルチングするなど防寒対策を施しましょう。
アシタバが好む用土は、水はけと水もちのバランスがよいものです。鉢植えやプランターの場合は、赤玉土(小粒)7:腐葉土1:川砂2の割合で作りましょう。市販の野菜用培養土でも問題ありません。地植えの場合は水はけをよくするために、植え付ける1週間前に川砂や腐葉土を混ぜ込んでおきましょう。
アシタバの植え付けは種まきと苗植え、そして地域の気候によって植え付け時期が異なります。種まきの場合、暖地は10月~11月、寒冷地は4月~5月に行いましょう。苗植えの場合は地域の気候を問わず4月~5月、または10月~11月のどちらでも大丈夫です。
アシタバは、あまり肥料を必要としない植物なので元肥は必要ありません。土に養分が足りない場合は、アシタバを植え付ける1週間前に土を耕して腐葉土を混ぜておきましょう。
アシタバは水やりの管理が重要な植物です。水をやり過ぎると、すぐに根腐れを起こして枯れてしまいます。鉢植えやプランターは、土が乾いていることを確認してから水やりしましょう。地植えの場合は水やりは基本不要です。梅雨時は根腐れを起こしやすいため、水がたまらないように溝を作るなどの排水対策を施しましょう。
アシタバは肥料をやり過ぎると、根腐れを起こして枯れてしまいます。追肥は植え付けから1カ月~2カ月に1回のペースで鶏糞または油粕を少量与えましょう。アシタバは化学肥料が苦手なので、緩効性の有機肥料を与えるようにします。
アシタバが枯れる原因の多くは、水または肥料のやり過ぎです。鉢植えやプランターは土が乾いていることを確認してから水を与え、肥料は有機肥料を少量施すだけにとどめましょう。アシタバは2年目以降の株から新芽が伸び、6月~9月に花が咲きます。しかしアシタバは開花後結実すると枯れてしまう植物です。花を咲かせないように、若葉を茎ごと摘み取っていきましょう。
アシタバの栽培で、注意すべき病気はさび病です。さび病にかかると葉に赤いイボができます。しかもさび病は放っておくとどんどん広がってしまうため、さび病が発生した葉はすべて除去するのが鉄則です。さび病は湿気が多い時期に発生しやすく、つねに風通しをよくし、水はけのよい環境を維持しましょう。発生初期なら薬剤散布も効果的です。
アシタバの栽培で注意すべき害虫はアブラムシ、ヨトウムシ、アオムシです。どの害虫も茎や葉について、汁を吸ったり食べたりして株を弱らせます。発見次第早急に取り除きましょう。食害にあった葉も除去します。予防策として薬剤散布も効果的ですが、薬剤を使いたくない場合は、木酢液を使っても予防は可能です。
アシタバの種まきは、まず一晩水に浸して発芽しやすくした種を、深めの鉢や育苗ポットに植え付けます。発芽するまで土が乾かないように管理しましょう。発芽後、本葉が隣の葉と重なるくらいまで成長したら間引きます。本葉が4枚~5枚ついたら、鉢や庭に植え替えましょう。
アシタバの苗植えで、鉢植えの場合は8号鉢に1株、プランターの場合は深型65cmに2株を目安に植え付けます。アシタバは深く根を張るため、深さのある鉢やプランターが必要だからです。地植えの場合は、株同士の間隔を40cm~50cmほどあけて植え付けておきましょう。
アシタバの収穫の適期は4月~11月です。植え付けて2年目以降の株が草丈30cmほどに成長したところで、若葉を茎ごと摘み取っていきます。古い茎は2本~3本ほど残しておきましょう。アシタバの収穫作業は、延命させるための剪定作業も兼ねています。アシタバは新芽が伸びて花をつけ、結実まで進むと枯れてしまうため、若葉をどんどん摘み取ることが延命につながるのです。
アシタバの増やし方は、種まきと株分けの2種類です。種まきの適期とやり方は植え付け時と変わりません。株分けの適期は3月~4月です。根を傷つけないように株を掘り上げたら、芽が均等にわかれるように切れ味のよいナイフで切りわけ、植え付けていきます。
アシタバ(明日葉)苗
参考価格: 1,390円
アシタバは、植え付けの適期である春または秋になるとポット苗が出回ります。植え付ける際にポットから苗を取り出すときは、根を傷つけないように丁寧に取り出しましょう。
おすすめ度 | ★★★☆☆ |
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出典:写真AC