オリーブとは
平和の象徴や、家庭円満を願う縁起のよい木として、庭のシンボルツリーなどに人気のオリーブ。放っておくとどんどん大きくなるので、正しい手入れをしながら育てていく必要があります。そんなオリーブの剪定の仕方や、剪定に適した時期などをご紹介します。
オリーブの基本情報
科名 | モクセイ科 |
属名 | オリーブ属 |
原産地 | 地中海沿岸、中東一体 |
花色 | 白色 |
乾燥 | 強い |
多湿 | 弱い |
オリーブの特徴
オリーブは日本の温暖地では庭などに地植えにして、1年中外で育てることが可能ですが、寒冷地では鉢植えにして室内で育てるのがおすすめです。耐寒性は強いですが、連日寒さにさらされると枯れてしまう恐れがあります。しかし、ある程度寒くないと花が咲かないので、室内で育てる場合も10℃以下になるように温度管理が必要です。
支え木が必要
オリーブはひょろひょろとした細い幹のため、根が安定するまでは倒れやすい植物です。そのため、地植えの場合は支え木が必要になってきます。オリーブの根元に支柱を立て、8の字になるように結びつけていきます。また鉢植えで育てる場合には、風当たりの少ない場所に置くのがおすすめです。
オリーブの花言葉
オリーブには「平和」「知恵」という花言葉が付いています。どちらも幸せを連想する素敵な花言葉で、縁起のよい木としても人気です。そのため庭に植えたり、室内で観葉植物として育てたりと広く親しまれています。
オリーブの剪定
オリーブは剪定をしないで放っておくと、木が大きく育ちすぎて管理が大変になってしまうので、そうなる前に剪定が必要です。年に1度強剪定をして、高さや樹形をきちんと手入れすれば、美しいオリーブに育てることができます。そんなオリーブの剪定時期や、手入れの仕方についてご紹介します。
剪定目的
オリーブの剪定には、樹形をきれいに保つという目的はもちろんですが、病気や害虫被害を少なくするという効果もあります。混み入った枝を剪定し、風通しをよくすることで、病気や害虫の発生を防ぎ、オリーブを元気に育てることができます。また、枯れた枝や葉を取り除くことで、新しい芽が出てくるので、オリーブの成長には欠かせない作業です。
オリーブの剪定に最適な時期・タイミング
オリーブを剪定するのに最適な時期は2月中旬〜3月の間です。この時期はオリーブの休眠期で、育成が緩やかな時期といわれています。休眠期は強剪定を行ってもオリーブが枯れにくいため、この時期が強剪定に適しています。
オリーブの剪定の仕方
高さや長さなど、ある程度なら思い切って剪定してしまっても構いません。春に実をつけたい部分さえ残せば、自分のイメージする形に仕上げることも可能です。また、太い枝や幹を剪定した場合は、切り口に「癒合剤」を塗っておくと安心です。
癒合剤とは
オリーブを強剪定すると、太い幹などの切り口から水分が滴ってきて、放っておくと腐ってしまったり枯れてしまったりする危険があります。また切り口から病原菌が入り、病気に感染してしまう恐れもあるので、癒合剤を塗っておくのがおすすめです。
オリーブにおすすめの癒合剤
オリーブにおすすめの癒合剤は「トップジン」です。トップジンは癒合剤の中でも殺菌力が強いことで知られています。ペースト状のものを使えば、切り口が斜めの部分に使用しても垂れてしまう心配がなく、手を汚さずに切り口に塗ることができます。
オリーブの月ごとの手入れ
オリーブは枝を大規模に切る強剪定の他にも、月ごとにこまめな手入れを行うと、美しい樹形に整えることができます。月ごとに適した手入れの仕方は以下の通りです。
3月上旬は強剪定
3月上旬は春の彼岸とも呼ばれ、この頃から一斉にオリーブは成長を始めます。春の彼岸に高さなどを調節する強剪定を行っても、失敗することなく手入れを行うことができます。強剪定をしたあとのオリーブの樹形は「鳥が通り抜けられる空間を作る」という切り方になるのが目安です。
ふところ枝も剪定しよう
オリーブには、太い幹からひょろひょろと生える「ふところ枝」と呼ばれる枝が生えています。このふところ枝は下の方に生えているので、この部分をしっかりと剪定すると、重心が上にあるきれいな樹形を楽しむことができます。
4月は間引き
混み入った枝を手入れする作業は「間引き」ともいいます。間引きは枝同士が密集してしまい、風通しが悪くなってしまった場所の枝を間引いていく切り方のことです。強剪定で高さや樹形を調節したあとの微調整というイメージです。
5月〜10月は切り戻し
この時期は育成期とも呼ばれ、枝や葉がどんどん成長していきます。そのため、樹形が乱れやすく、細かな手入れが必要です。長く伸びて、飛び出してしまった枝を切り、樹形を整える「切り戻し」という作業を行います。
オリーブを上手に剪定するポイント
オリーブを剪定する時期も大切ですが、剪定を行うときには、他にもさまざまなポイントがあります。きれいに剪定するために重要なことをいくつかご紹介します。
道具を使い分ける
オリーブは太い枝や細い枝などがあるので、枝ごとに道具を使い分けると、きれいに剪定することができます。細い部分は剪定バサミで構いませんが、太い部分にはノコギリを使用すると、失敗も少なくなるのでおすすめです。枝のサイズに見合った道具を使いましょう。
風通しに重点をおく
剪定は樹形を美しくすることも大切ですが、風通しのよさを重視して剪定することも重要です。風通しをよくすることで、病気や害虫の被害を受けにくくなり、健康的なオリーブを育てることができます。
病気の枝を残さない
オリーブを剪定するときには、病気の枝を見つけたらすぐに切り落としておく必要があります。病気の枝を残したままにしておくと、他の枝に病気が伝染してしまったり、枯れてしまったりする原因になります。必ず残さないように処理をしましょう。また、病気の枝は放置しないでゴミ袋などにまとめ、早めに処分するようにしてください。
根にダメージがある場合
表面的に見えている葉や茎、枝以外にも、根が病気にかかっている場合があります。オリーブ全体がグラグラしたり、葉がクルッと巻いていたりするときは病気の恐れがあるため、回復が必要です。枝よりも葉に重点をおいて剪定することで、株全体の回復を助けることができます。
オリーブを剪定した枝で挿し木に挑戦
オリーブを剪定すると、たくさんのオリーブの枝が手に入ります。この枝を使った挿し木という方法で、オリーブを増やしていくことができます。オリーブの挿し木の方法は以下の通りです。
挿し穂の準備
剪定で切り落とした枝の中から、健康で丈夫な枝を選びます。基本的には古い枝ではなく、最近伸びてきた若い枝がおすすめです。この枝を15cmほどに切り、下の方に付いている葉を取り除けば、オリーブの挿し穂の完成です。
挿し木の育て方
挿し穂の切り口を少しの間水につけておくと、水分が蒸発しにくくなり根付きやすくなります。赤玉土や鹿沼土を育苗ポットに入れ、そこに挿し穂を挿して軽く土で固定します。直射日光が当たる場所で育てると、表面が乾いてしまいうまく根付かないので、半日陰で育てるのがポイントです。
植え替え
育苗ポットで育てていくと、約1ヵ月で芽が出てきます。そのまま水をたっぷりと与えて育てましょう。約3ヵ月後に初根し、どんどん葉が増えてきたら挿し木は成功です。育苗ポットから優しく取り出して、地面や植木鉢などに植え替え、日当たりのよい場所で育ててください。
まとめ
オリーブの剪定方法について、時期やタイミングなどを詳しくご紹介しました。オリーブは丈夫な植物なので、最適な方法で剪定を行えば、初心者でも気軽に育てることができる植物です。ぜひ正しく剪定を行って、健康的で美しいオリーブを楽しんでくださいね。