オリーブとは
オリーブは、銀色がかかった葉と樹形がおしゃれで人気の植物です。地植えにしても鉢植えにしても、オリーブを飾るだけで雰囲気のあるおしゃれな空間へと早変わりします。たくさん育てれば楽しみ方も広がりますね。まずは、基本情報から確認していきましょう。
オリーブの基本情報
学名 | olea europaea |
科名 | モクセイ科 |
属名 | オリーブ属 |
原産地 | 地中海地方 |
樹高 | 2m~ |
開花期 | 5~6月 |
ボタニ子
日当たりのよい、温暖な地中海地方の植物なんですね。
ボタ爺
地植えにして、シンボルツリーにしている人も多い人気の木じゃよ。
オリーブの特徴
オリーブは温暖な気候を好み、太陽が大好きなため、日当たりのよいところで育てます。初夏には白くて小さな花を咲かせ、やがて丸いグリーンの実をつけます。実は赤から紫、黒色へと変わり、ピクルスなどに利用されます。
オリーブの実は、9月~2月頃の秋から冬にかけて収穫できます。
オリーブの増やし方
人気のあるオリーブは流通量も多いですが、自分で増やすことができたら便利ですよね。購入するよりも、より愛着が湧くのではないでしょうか。ひとつは地植えでシンボルツリーに、その他は鉢植えで室内のインテリアグリーンとして楽しむのも素敵です。成功率が上がれば、プレゼントにしたりドライフラワーにしたりと、無限に楽しめます。オリーブの増やし方にはどのような方法があるのか見ていきましょう。
増やし方は「挿し木」と「種まき」
オリーブの増やし方の一つは「種まき」です。種まきで増やす場合は、観賞できるくらいの大きさに育つまでに数年を要します。また、1品種では実ができないものが多いため、2品種を育てて種をとる必要があります。年数と手間を考えると、あまりおすすめの方法ではありません。もう一つの方法として「挿し木」があり、この方法で増やすことがおすすめです。成功率は低く、初心者にとって決して簡単とはいえないオリーブの挿し木ですが、コツを学んで成功率を上げましょう。
ボタ爺
初めてであれば失敗しても仕方ない。失敗を恐れず挑戦じゃ!根が出ないときのために、たくさん挿し木をするとよいぞ。
ボタニ子
根が出ないことや枯れることも多いんだ…!頑張ります!
オリーブの挿し木のやり方①季節や時期
オリーブの挿し木の最初のコツは「いつ行うか」です。やり方をマスターするだけでなく、挿し木に適した季節や時期を意識することが大切です。いつ挿し木を行えば最適なのか、季節や時期を確認しましょう。
挿し木に適した季節や時期はいつ?
オリーブの挿し木に適した季節は、春を迎え芽吹く前の2月~3月上旬頃か、成長期である5月~7月の時期にかけてです。
緑枝挿し
新芽がついたその年に伸びた枝を挿し木にする方法を、「緑枝挿し」と呼びます。オリーブは、5月~7月に行います。真夏の8月前には行いましょう。一般的な挿し木の方法で、成長している真っ只中の元気な枝なので、この枝を利用することも、発根の成功率が上がるコツです。
ボタニ子
いつ挿し木をするのかにも、ちゃんと理由があるんですね。難しいかもしれないけど、挿し木の仕方を覚えたいです!
ボタ爺
その通りじゃよ。「いつ?」「なぜ?」をセットにして理解すると、忘れにくいぞ。
休眠挿し
春になって芽吹く前の、休眠している枝を挿し木にする方法を、「休眠挿し」と呼びます。オリーブは、2月~3月上旬に行います。3月下旬〜4月にかけて前年に伸びた枝に花芽がつくため、その前に成長が止まっている枝を利用する方法です。剪定の時期も、3月上旬までには必ずしましょう。
ボタ爺
3月下旬から開花に向かって成長するから、2月にしたほうが安心じゃ。地域によっては3月でも問題ないが、暖かい地域なら2月中には行いたいのう。
挿し木は剪定とセットが簡単なやり方!
オリーブは放っておくと、どんどん大きくなります。定期的な剪定をして樹高を保ちましょう。剪定した枝を挿し木に使えば、手間がかからず簡単です。剪定後すぐに挿し木をできない場合は、剪定した枝に水分をしっかり含ませておく必要があります。湿らせたキッチンペーパーなどでくるみ、ポリ袋に入れて冷蔵庫にて保管してください。あまり長く置かず、早めに挿し木をしましょう。
ボタニ子
剪定の季節に一緒にできれば経過もわかりやすいし、簡単ですね。
オリーブの挿し木のやり方②準備
いつ挿し木をすればよいのか、季節や時期を確認したら、次は挿し木に必要な準備をしましょう。準備するものの中に、発根を促進させる大切なアイテムがたくさんあります。確認していきましょう。
準備するもの
・長さ10cmほどの挿し穂(挿し木に使用する枝のこと)
・ビニール製の鉢
・用土(果樹や花用などの培養土は使用せず、挿し木専用の用土を使用する)
・コップ
・割りばし
・発根剤
ボタ爺
準備するものの中に、発根の成功率を上げる重要なアイテムがあるんじゃ。「発根促進のコツ」の項で詳しく解説するぞ。
オリーブの挿し木のやり方③手順
準備ができたら、早速挿し木をはじめます。挿し木のやり方は覚えれば簡単です。また、やり方を覚えれば他の植物にも応用できます。挿し木の手順をマスターしましょう。
成功率を上げる挿し木の手順
- 長さ10cm(~15cm)ほどの挿し穂を複数用意します。
- 切った挿し穂を2時間ほどコップで水揚げします。
- 挿し木直前に発根剤を切り口に塗ります。
- ビニール製の鉢に挿し木用の用土を入れ、水差しなどであらかじめ湿らせておきます。
- 切り口を傷めないように、割りばしで深さ10cmほどの穴を作ります。
- 穴に挿し穂を入れ、ぐらつかないよう土で固めて完成です。
挿し穂に葉がたくさんついていると水分の蒸発が多いので、2~3枚ほど残してあとは取り除きます。挿し穂の長さは、3節ごとを目安に切ればわかりやすく簡単です。
次のページでは、発根促進のコツ、管理のコツ、水挿しについてご紹介します。
出典:写真AC