コアジサイは「シバアジサイ」という別名でも親しまれている落葉性低木で、関東〜九州の限られた地域にのみ自生している植物です。開花時期の6月〜7月にかけて、紫色や白色の小さな花をこんもりと咲かせます。
園芸部類 | 庭木、花木 |
形態 | 低木 |
樹高・草丈 | 1m〜1.5m |
花の色 | 紫、白、青 |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | 普通 |
特性・用途 | 落葉性、開花時期に香りがする、初心者向け |
栽培難易度 | ★☆☆☆☆ |
コアジサイは日本の固有種で、低い山や林などに自生しているのが特徴です。アジサイ科に分類されていますが、大きな花を咲かせるアジサイとは違い、花径5mmほどの小さな花が集まり花房を作ります。また、開花時期にはほんのりと甘い香りが楽しめるのも魅力です。
名前の由来は?
コアジサイは漢字で「小紫陽花」と表記されます。アジサイに見られる装飾花はありませんが、アジサイ科・アジサイ属に分類されている植物です。コアジサイは名前のとおり「小さい紫陽花」という意味がそのまま名前の由来になっています。
花言葉は?
コアジサイには「忍耐強い愛」という花言葉がついています。コアジサイは、山の中でもやや湿った暗い場所に自生しているのが特徴です。あまり人が通らない場所で、素敵な香りを漂わせてひっそりと待っている様子から「忍耐強い愛」という花言葉がつけられました。
植え付け時期 | 6月〜10月 |
植え替え時期 | 6月〜10月 |
肥料の時期 | 6月、12月〜2月 |
剪定の時期 | 7月〜8月 |
花が咲く時期/開花時期 | 6月〜7月 |
コアジサイは、地植えでも鉢植えでも育てられます。地植えで育てる場合は、根が大きく張るため広いスペースを確保してから植え付けましょう。鉢植えにする場合は、根詰まりを防ぐために大きくて深めの鉢を使用して、1つの鉢で1株ずつ育てましょう。
コアジサイは、樹高が1m〜1.5mほどまで成長するため、基本的には屋外で育てるのがおすすめです。しかし、小さく剪定しながら管理すれば室内でも育てられます。室内では、レースのカーテン越しの窓辺など、優しく日光が差し込む場所で管理しましょう。
コアジサイは、日当たりと風通しのよい場所で管理してください。耐陰性がありますが、日光の全く当たらない場所で育てると、成長が滞ったり花付きが悪くなったりします。また、葉が密に茂るため、風通しのよい場所で管理して病害虫被害を予防しましょう。
葉が黄色く変色する場合は?
コアジサイの葉が黄色く変色する場合は、日照不足を疑います。地植えの場合は、ほかの植物や建物の影になっていないか確認しましょう。鉢植えの場合は、日当たりのよい場所に移動させてください。
コアジサイは、水はけと水もちのよさを兼ね備えた用土で育てます。市販されている「草花用培養土」や「花木用培養土」を使用しても構いません。自分で配合する場合は、赤玉土の小粒と腐葉土をよく混ぜ込んだ用土を使用してください。
地植えにする場合の用土作りは?
コアジサイを地植えにする場所が粘土質の場合は、川砂や腐葉土をたっぷりとすき込み、排水性を高くしてから植え付けます。コアジサイの苗が根付きやすいように、用土をよく耕してふかふかの状態にしておきましょう。
コアジサイを地植えで育てている場合は、完全に根付いてしまえば降雨のみで十分です。しかし、あまりにも雨が降らずに用土が乾燥しすぎている場合は、様子を見ながら水を適量与えてください。鉢植えの場合は、土の表面が乾ききる前に水やりをします。コアジサイは乾燥に弱いため、水切れを起こすと枯れる恐れがあるので注意しましょう。
コアジサイは山に自生している丈夫な植物のため、肥料を与えなくても問題なく育ちます。しかし、成長が滞っている場合や株を大きくしたいときには、6月と12月〜2月にかけて追肥をしてください。6月は一般的な花木用の液体肥料や、緩効性の化成肥料を株元に適量施します。12月〜2月は寒肥として、油かすや鶏糞などの有機質肥料を与えましょう。
アブラムシは年間を通して発生しやすい害虫です。集団で寄生し、コアジサイの栄養分を吸汁しながら成長します。数が少ない場合はガムテープに貼り付けて駆除しますが、大量発生した場合は殺虫剤を散布して駆除しましょう。光り物が苦手な性質を利用して、園芸用のシルバーテープを張り巡らせておくと、アブラムシの発生を予防できます。
ナメクジは、梅雨時期などのジメジメとした季節に発生しやすい害虫です。コアジサイの葉や茎を食害するため、葉が穴だらけになる恐れがあります。ナメクジが這った部分は、白くてベタベタとした液体が付着しているのが特徴です。ナメクジに塩をかけても、小さくなるだけで駆除はできません。箸などを使用して、株から直接引き剥がして駆除しましょう。
うどんこ病は、カビの菌糸が原因で発生する病気です。感染した部分が、うどん粉をまぶしたように白色の粉をふくのが特徴で、葉の光合成が妨げられて株が弱ったり枯れたりします。うどんこ病に感染した部分は薬剤を散布しても治せないため、ほかの部分への感染を防ぐためにも、早めに切り取って処分しましょう。
コアジサイの花後に、花がらを放置するとカビが発生しやすくなります。カビが原因の「うどんこ病」や「灰色カビ病」に感染して枯れる恐れがあるため、こまめに剪定を行い株を清潔に保ちましょう。
コアジサイをポット苗の状態で購入する場合は、葉につやがあり、花芽のたくさんついている苗を選びましょう。アブラムシやナメクジがついていないか、葉の裏側や内側までしっかりと確認してから購入してください。
コアジサイの植え替えは、植え付けと同じ6月〜10月に行います。根を傷つけないように優しく鉢から取り出し、根についた古い用土を落としてください。根が腐っている部分を切り取り、ひと回り大きな鉢に植え替えます。完全に根付くまでは、水切れを起こさないように風通しのよい日陰で管理しましょう。
コアジサイの剪定は7月〜8月に行います。花が終わった部分を重点的に切り戻し剪定していきましょう。9月に入ると翌年の新芽が出てくるため、新芽をきってしまわないように8月までには剪定を終わらせておくのがポイントです。葉が込み入っている部分や枝が伸びすぎている部分を剪定し、樹形を整えておきましょう。
コアジサイは耐寒性が強いため、地植えでも冬越しが可能です。落葉性のため、11月頃から葉を落とし始めます。葉が残っている場合は、葉に雪や霜が当たると枯れる可能性があります。ビニールやバークチップを利用して、マルチングをしてから冬越しさせましょう。冬は休眠期に入るため、水やりは控えめで構いません。
コアジサイは、4月〜5月にかけて挿し木で増やしていきましょう。若くて健康に育っている部分を選び、先端から15cm〜20cmほどの長さで切り取ります。下についている余分な葉を取り除き、切り口を水に挿してしっかりと水を吸わせてください。水揚げしたら赤玉土などの挿し木用の用土に挿し、発根するまでは水切れを起こさないように管理します。
コアジサイ
参考価格: 1,650円
コアジサイは、開花時期の6月〜7月にかけて白色や薄紫色の花を咲かせます。耐寒性が強く、庭に植えっぱなしでも冬越しが可能です。落葉性のため、室内で育てる場合は秋〜冬にかけて床を汚さないように注意しましょう。
樹高 | 1m〜1.5m |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★★ |
出典:写真AC