コツボゴケとは?
コツボゴケの基本情報
苔には蘚類(センルイ)・苔類(タイルイ)・ツノゴケ類、3つのグループがあります。日本に自生する苔は、約1700種!というから驚きです。最も種類の多い蘚類の一つが、コツボゴケです。冷たく乾燥した冬でも茶色く枯れることなく休眠し、春になると再び成長を始めます。苔は究極のエコプランツです。
科名/属名 | チョウチンゴケ科/ツルチョウチンゴケ属 |
生育地 | 日本/東南アジア |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
日当たり(屋外) | 半日陰/明るい日陰 |
育てやすさ(屋外) | ★★★★☆ |
日当たり(室内) | 明るい場所 |
育てやすさ(室内) | ★★★☆☆ |
ボタ爺
「こけ」と呼ばれる植物でも、水中で育つのは藻類で「苔」とは違うんだ。藻(も)はガラスを緑に覆ってしまうから、アクアテラリウムの天敵なんだよ!
コツボゴケの生育する環境
コツボゴケは寺社仏閣や山間部、市街地など日本中に自生する苔の一種です。半日陰や明るい日陰で育ちます。寒さや乾燥に強く、冬は色が暗くなり縮みますが、枯れることなく冬越します。夏の暑さが苦手で、蒸れて茶色く枯れることがありますが、環境が合えば群生して広がります。
コツボゴケの特徴とは?
コツボゴケの特徴を、より具体的にわかりやすくご紹介していきす。
特徴①透き通るような色ツヤ
コツボゴケはとても明るいグリーンが特徴です。実際にルーペを使って見てみると、左右均等についた葉には透明感があって、表面はツヤツヤとしています。テラリウムで照明を当てると、コツボゴケがきれいに見えるのは、つやがあって透明感があるからなんです。
特徴②アレンジ自在な楽しみ方
コツボゴケは盆栽や苔玉・テラリウムなど、和洋問わず様々な楽しみ方ができる、アレンジ自在な苔です。他の植物と合わせやすく、扱いやすさも魅力です。癒し系インテリアグリーンとして、ギフトにも人気です。
特徴③花言葉
花言葉は「母性愛」
苔の花言葉は、『母性愛』。大地をふんわりと優しく覆う苔の姿は、まさに『母性愛』を感じさせます。日本の国歌にも出てくる、唯一の植物が「コケ」です。私たち日本人にとって、古くからあるとても身近な植物です。
コツボゴケの選び方
色が明るくて、こんもりとしている株を選びましょう。暗い色や茶色のコツボゴケは、乾燥や劣化も考えられるので避けた方がよいでしょう。小さなパックに入ったものや、大きなシート状のものが販売されています。ホームセンターや園芸店では取り扱い量が少ないので、観賞魚を扱うアクアショップやネット販売で探してみましょう。
ボタニ子
身近な苔だからと言って、野山に自然に生えている苔を勝手に採取するのは違法です!
コツボゴケの植え方・増やし方
植え方・増やし方①蒔き苔法
蒔き苔とは、苔を小さく分けて植え付ける植え方/増やし方です。挿し芽のイメージでコツボゴケを細かくちぎって、用土に挿していきます。増やす場合は、明るい日陰で週に2〜3回のペースで水やりをします。2ヶ月ほどで新芽が増えてきます。コツボゴケを増やすおすすめの時期は、成長期の春と秋になります。
植え方・増やし方②移植法
移植法は、コツボゴケを少しづつ隙間を広げて植え付ける植え方/増やし方です。コツボゴケを優しく引っ張りながら、広げて隙間をあけて用土の上に置きます。上から軽く目土で抑えて、明るい日陰で週に2〜3回のペースで水やりをします。1〜2ヶ月で新芽が出てきます。広いスペースにおすすめの育て方/増やし方です。
植え方・増やし方③置き苔
文字通り植えつけたい場所に苔を置いていく植え方/増やし方です。他の草花と違って、苔は根が着生するまでに2〜3ヶ月かかります。ただ置くのではなく、上からしっかりと抑えつけるのがコツです。流木や苔玉のような立体的な物には、絹糸で巻きつける植え方もあります。
コツボゴケの育て方
育て方①置き場所と日当たり
室内ではレースのカーテン越しに日が入る、明るい場所に置きます。コツボゴケのきれいな明るいグリーンが保てます。密閉したテラリウムはフタを開けて、時々換気しましょう。屋外では半日陰か明るい日陰に置きましょう。熱に弱く暑さで蒸れると、茶色く枯れることがあります。夏は直射日光が当たらない、風通しの良い場所がおすすめです。寒さや乾燥には強く、屋外で冬越しできます。
育て方②霧吹きで水やり
コツボゴケへの水やりは、霧吹きで行います。コツボゴケは葉から水分を吸い上げます。根は岩場や樹木に着生する役割があります。表面が乾燥してきたら、たっぷりとスプレーしましょう。夏の暑さで蒸れて、茶色く枯れることがあります。夏の水やりは、早朝や夜の涼しい時間帯がおすすめです。苔玉や盆栽はたっぷりの水で、浸水させるのもよいです。
育て方③元気に育つ用土
苔が元気に育つ用土は、通気性がよく保水力のある土です。ブレンドするには、赤玉土や鹿沼土の細粒をメインに、川砂やピートモスを混ぜて作ります。市販の培養土では、山野草の土や盆栽の土で、目の細かいものを選びましょう。苔テラリウムにはハイドロボールや富士砂を、アクアテラリウムには専用のソイルやマットを使います。カビの発生を防ぐためには、有機物を含まない物がおすすめです。