苔が静かなブームに
ボタニ子
ここ数年、苔ブームが巻き起こっています。例えば、百貨店のインテリアコーナーでおしゃれにライトアップされて販売されていることもあります。いままでもよく売れる苔はありましたが、昔は主に盆栽やコケ玉などの専門家が使用する珍しい物でした。今では苔の名前を知らない方でも、SNSで苔の写真を投稿されるほど身近なものになりました。
TBS「マツコの知らない世界」でもコケを紹介
ディープな世界を分かりやすく紹介する人気のTV番組、TBS系「マツコの知らない世界」で、2019年5月7日「イメージが変わる!コケの世界」という回が放送されました。コケを愛してやまない舞台俳優の石倉良信さんが、コケ色のスーツで登場!コケの名前や写真を紹介し、熱く語りました。(番組ではおちゃらけた雰囲気で笑いを誘っていましたが、実物はまじめな苔の先生です。)
ボタニ子
ひゃ~、石倉さんのジーンズにはでかでかと蘚苔類の文字が! 自分で作ったそうですよ。すごい!
コケの種類
蘚苔類(せんたいるい)とは
コケのことを「蘚苔類(せんたいるい)」と呼びます。蘚苔類はさらに大きく2つに分かれます。「蘚類(せんるい)」と「苔類(たいるい)」です。この記事では触れませんが、この他に「ツノゴケ類」があります。ツノゴケ類は苔全体の1%ほどにしか満ちません。
コケの3つの種類
ボタニ子
コケって大きく分けて3つグループがあるのね。
- 蘚類(せんるい)
- 苔類(たいるい)
- ツノゴケ類
高等植物との違い
苔はクロロフィルを持ち緑色をしています。日陰を好みますが光合成をしているので日光も必要です。では高等植物とどこが違うのか。どちらも光合成を行いますが、苔は「維管束や根がない」「胞子で増える」点が、高等植物とは違っています。(苔と植物との見分け方はこのあたりをみてみましょう。)
ボタニ子
では、蘚類と苔類の見分け方を説明しますね。
蘚類(せんるい)とは
蘚類は、大きく分けた苔のグループのひとつで、英語ではmoss(モス)といいます。苔類との見分け方は、茎と葉に分かれ、多細胞でより植物に近い形状をしているものが多いです。朔(胞子嚢)は丈夫で気孔があります。
主な種類:スギゴケ、ミズゴケ、スナゴケ
主な品種として、スギゴケ、ミズゴケ、スナゴケなどがあります。見た目も植物に近く見栄えがよいので、苔テラリウムや盆栽で使われるのは主にこの蘚類です。日陰~半日陰を好みますが、日光に強いものもあります。
苔類(たいるい)とは
苔類は苔のもうひとつの大きなグループです。英語ではliverwort(リヴァワート)といいます。見分け方は、単細胞で、べったりと地に這う塊状のものが多く存在し、葉は深く切れ込んでいます。朔と呼ばれる生殖器官は軟弱で、気孔はありません。
主な種類:ゼニゴケやジャゴケ
苔類はゼニゴケやジャゴケなどに代表されます。見た目があまり良くないので、かつては苔作品にはあまり登場しませんでしたが、最近では異色のテラリウムに使われることも!
ボタニ子
次のページでは、お庭や道端など身近な場所でもよく見かける乾燥に強いコケを写真付きで5つご紹介しますね。
苔っておじいちゃんの盆栽のイメージだったけど、今、若い人の間で苔テラリウムが流行っているのよね。SNSで写真をよく見かけるわ。