苔とは
苔むした古い寺や古木、渓流などの景色は時の流れや歴史を感じさせてくれます。苔は庭園などの装飾や鉢植えに使われるほか、盆栽や苔玉、ガラスの瓶の中で楽しめる苔テラリウムなどの苔盆栽として楽しめます。そんな苔盆栽にぴったりの苔についてさっそく見ていきましょう。
苔の種類
日本に自生する苔は約1,700種ともいわれ、観賞用として栽培されます。他の植物と比較すると軽量で、管理や手入れに手間がかからないのが特徴です。苔と呼ばれる植物は苔類(タイルイ)、蘚類(ソウルイ)、ツノゴケ類のことを指します。どれも根や維管束(水を運ぶ管)をもたず、直接水を吸い上げ光合成を行います。
苔盆栽とは
苔盆栽とは苔を鉢植えにして楽しむものです。苔を丸めた「苔玉」や植物の根に苔を巻き付けて楽しむものも苔盆栽に分類されます。ガラスなどの透明な容器に用土を入れ苔やその他の植物を配置し、室内で楽しむ「苔テラリウム」も苔盆栽として扱うことがあります。
苔の植え方
まき苔法
まき苔法は苔を細かくほぐして種子のようにまく方法です。苔が少量しかない場合などにも利用できます。そのまま鉢植えにまくのではなく、室内で浅いバットなどで発芽させ、それを鉢植えに植え替えるのがおすすめの植え方です。
まき方
- トレイに赤玉土を敷きつめ、その上に川砂、黒土、ピートモスなどを混ぜた土をいれる
- 水で土を湿らせ、苔を細かくほぐして土の上にまく
- キッチンペーパーなどで覆って上から水やりする
- 2cmほどに成長するまで水を欠かさないようにする
- その後、次に紹介する貼り方で鉢植えや盆栽に移植する
苔の貼り方①貼り苔法
貼り苔法は、マット状に苔をはがして土ごと他の場所に植え付ける方法です。この貼り苔法はギンゴケ、ハイゴケなどが向きます。
貼り方
- 植え付ける部分の土を湿らせる
- こわさないようにマット状に苔をはがす
- 土にはがした苔を貼り付け、コテなどで密着させる
- 上から苔が1/3ほど隠れる程度に土をかぶせ、霧吹きなどで水やりをする
苔の貼り方②移植法
移植法は小分けにした苔を土に直接植え付けていく方法です。1度に多くの苔を移植するに手間がかかりすぎるときなどに適した植え方で、ヤマゴケなど小さな面積に植える場合に用います。
貼り方
- 植え付ける場所に用土を準備し、水で湿らせて植穴をあける
- ピンセットなどを使って苔を植穴におく
- 苔の周囲に土をかぶせて安定させる
- 霧吹きなどでやさしく水を与える
次のページでは、苔盆栽におすすめの苔、ヤマゴケをご紹介します。
出典:写真AC