ホウオウゴケとは
ホウオウゴケの基本情報
科名・属名 | ホウオウゴケ科・ホウオウゴケ属 |
原産国 | 日本・台湾・朝鮮半島 |
生息地・場所 | 山岳部流系・上流域岩場 |
草丈 | 2cm~9cm |
日当たり | 半日陰 |
光量 | 普通 |
水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
水温 | 18℃~28℃ |
耐寒性・耐暑性 | 耐寒性強い・耐暑性弱い |
育成難易度 | 普通 |
ホウオウゴケとは、その名のとおり鳳凰の羽のような葉が特徴で、大型の苔です。原産国は日本や台湾で、山岳部の上流が主な生息地です。自然下では岩の傾斜に沿って生えていることで知られています。
ボタニ子
ホウオウゴケの種類
ホウオウゴケ科に属する苔は、全世界で900種類も存在するといわれています。そのうち、日本にも約40種類が自生しており、草丈が1cmに満たないものも多く生息しています。
ボタニ子
あのウォーターフェザーも、ホウオウゴケの仲間よ。
ホウオウゴケの種類でいえば、ヒメホウオウゴケも通販でみかけたわよ。通販の品質が不安な方は、ショップに問い合わせてみたり、口コミを参考にしてみたりしてくださいね。
ホウオウゴケの選び方
ホウオウゴケを選ぶポイントは、葉が大きくしっかりしていて、鮮やかな緑色をしていることです。既にカビがついていたり、変色していたりするものは避けましょう。ネット通販で購入する場合は、クチコミを参考にしてもよいでしょう。
ボタニ子
ホウオウゴケは、たまに茶色に変色しているのをみかけるわ。そういうものは避けてください。葉がしっかりした鮮やかな緑色をしているなら、まず間違いないわね。
ホウオウゴケの植え方
ホウオウゴケをテラリウムで楽しむには、きちんと植えることが大切です。ここでは、ソイルに直接植える方法を紹介します。ホウオウゴケの植え方は簡単で、テラリウム初心者でもチャレンジできます。また紹介する道具は、あくまで一例です。参考のうえでアレンジを楽しんでくださいね。
ソイルに直接植える方法
準備するもの
- ホウオウゴケ
- 苔用パウダーソイル
- 青華石
- ピンセット
- ガラスの容器
- 水
ホウオウゴケの植え方
- ホウオウゴケは房を割き、軽く水洗いする
- ガラスの器にソイルを敷き詰めまる
- 青華石をソイルの上に置き、レイアウトする
- ホウオウゴケはピンセットを使い、根をソイルに埋める形で植えていく
- 植え終わったら、ガラス容器の中全体を霧吹きして完了
ホウオウゴケは乾燥を嫌うので、こまめに霧吹きしてくださいね。今回は球型のガラス容器を紹介しましたが、蓋つきのガラス容器で管理をするのも素敵です。
ボタニ子
ただし蓋つきの容器は、湿度が安定するかわりにカビが生えやすいので、注意が必要よ。時々、蓋を開けて通気性をよくしてあげてね。
ほかのコケと組みあわせて植える
ホウオウゴケは、テラリウムづくりに欠かせない人気のある苔です。ほかの種類の苔と組みあわせて使用されることも多く、見栄えがよりダイナミックになります。
ほかの苔と組みあわせると、なんだか日本庭園風みたいになるよね。ギンゴケやスナゴケとの組みあわせは素敵だな。
ボタ爺
そこにコウヤノマンネングサを組み合わせるのも個人的には好きじゃな。好きな苔を組み合わせて、自分だけのオリジナルテラリウムが楽しめるぞ。
ホウオウゴケの活着による増やし方
ホウオウゴケには「巻きつけ」と「まきゴケ」という、石に活着させる増やし方があります。どちらの方法も簡単です。アレンジにぜひ試してみてください。うまく活着すると、2カ月~3カ月後に新芽だ出ます。
巻きつけ
準備するもの
- ホウホウゴケ
- 溶岩石
- はさみ
- 輪ゴム(なければタコ糸など太い糸)
- ピンセット
- ソイル
- ガラス容器
巻きつけでの増やし方
- 溶岩石は、空気が抜けるまで水につけておく
- ホウオウゴケは1本ずつほぐして、水洗いし汚れを落とす
- ホウオウゴケの葉先1cmのところをカットする
- 水につけておいた溶岩石の上に重ならないようにホウオウゴケを乗せる
- 石に輪ゴムまたは糸をしっかり巻きつける。石からコケが離れないように巻く
- 容器にソイルと水を入れたら、ホウオウゴケを巻きつけた溶岩石を入れる
- 器の中全体を霧吹きをしたら完了
ボタニ子
葉や茎すべて石に密着させるように巻くのが上手な巻き方のコツよ!
こまめに霧吹きをして、常に湿った状態を保つようにしましょう。ゆっくり芽を出すから気長に管理をしてね。
まきゴケ
準備するもの
- ホウオウゴケ
- 溶岩石
- はさみ
- ピンセット
- ソイル
- ガラス容器
まきゴケでの増やし方
- 溶岩石を空気が抜けるまで、水につけておく
- ホウオウゴケは、1本ずつほぐして、水洗いをし汚れを落とす
- ホウオウゴケを細かく切り刻む
- 水につけておいた溶岩石の上に、重ならないようにピンセットでホウオウゴケを置いていく
- ソイルの入ったガラス容器に水を入れ、ホウオウゴケを乗せた溶岩石を置く
- 容器の中全体を霧吹きし、湿度を調整したら完了
ボタニ子
どちらの方法も乾燥させないようにこまめに霧吹きしましょう。乾燥が気になる場合は蓋つきのガラス容器がおすすめ。球型のガラス容器はラップをかけておくのもいいね。
乾燥を防ぐのと同時に、おく場所にも注意が必要よ。涼しい半日陰を選んでくださいね。夏場は気温上昇には注意をしましょう。
水中でホウオウゴケを栽培する方法
ホウオウゴケは、自然下では水辺の陸地に生息をしていますが、水中でも栽培が可能です。水中で栽培する場合は「光量」「水質」「水温」の管理が必要です。ホウオウゴケにとって、水中での育成に必要な管理のコツを見ていきましょう。
光量管理
ホウオウゴケの育成に必要な光量は、人の生活に必要な光量でも十分です。日当たりに欠ける生活環境だった場合は、上から水槽ライトを照らすのもおすすめです。蛍光灯の寿命が長く、電気代が安いLEDタイプの水槽ランプは、初心者にも人気があります。
ボタニ子
LEDの水槽ランプは、設置しやすいわ。でも、植物にとって光合成するには、少し波長が弱いというデメリットもあるわ。
水槽の水草の育成にこだわっている方は、蛍光灯タイプも検討してみてくださいね。
水温管理
ホウオウゴケは耐寒性が強い苔ですが、極端に水温が低い状態では光合成が鈍ってしまい、生育が悪くなります。しかし高すぎる水温も、ホウオウゴケにとっては生育を悪くしてしまうため注意が必要です。ホウオウゴケを水中で育成する場合は、水温を18℃~28℃の間をキープしましょう。
ホウオウゴケって極端に水温が低くても、高くてもだめなのね。水槽に温度計を設置しなきゃ。
水質管理
ホウオウゴケは、自然下では淡水のそばにある岩や崖に生息しています。水辺の水質は弱アルカリ性であることが多いです。しかし水槽で管理をする場合は、水質にこだわる必要はありません。水道水を使用しても問題ありませんが、念のためカルキを抜いてから使用してくださいね。水は、一晩バケツなどに入れておけばカルキが抜けますよ。
ボタ爺
ホウオウゴケを水中化させて育成するなら、二酸化炭素の添加も必要じゃな。二酸化炭素の存在によって、より元気に育つぞ。
まとめ
ホウオウゴケは、山岳部の上流や湿度の高い岩間に自生する、稀少な苔です。直接山岳地域に採取に出かける方もいるようです。しかし、国立公園や私有地での採取は禁止されています。罰せられる可能性もあるため、ルールをよく確認しましょう。無理な行動を控え、自作のアクアリウムやテラリウムづくりを楽しんでくださいね。
鳳凰は中国の神話に出てくる、架空の鳥のことだよ!孔雀に似ているといわれています。