ゼニゴケの駆除方法3選!コケ対策として高い効果が出るのは除草剤?

ゼニゴケの駆除方法3選!コケ対策として高い効果が出るのは除草剤?

ゼニゴケの駆除には古くから消石灰や木酢液が使われてきました。とりあえずこそぎ取ってみたくなりますが、生育環境が整うと再び生えてくるので枯らしてしまう方法が効果的。ゼニゴケの生育環境を変える駆除方法は土壌の乾燥と㏗の調節です。効果的な方法3選をご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ゼニゴケとは?
  2. 2.コケ植物とは
  3. 3.ゼニゴケの繁殖能力
  4. 4.ゼニゴケの生育環境
  5. 5.ゼニゴケの駆除方法とは
  6. 6.ゼニゴケの駆除方法① 土壌を乾燥させる
  7. 7.ゼニゴケの駆除方法② 天然成分を使う
  8. 8.ゼニゴケの駆除方法③ 除草剤を使う
  9. 9.まとめ

ゼニゴケとは?

https://jspp.org/hiroba/essay/kohchi.html
日本植物整理学会、京都大学生命科学研究科、河内 孝之

ゼニゴケは水や養分の通り道である維管束をもたない胞子でふえるコケ植物です。

コケ植物とは

ジャゴケ
Photo by kochibi@JPN

ジャゴケ

コケ植物には苔類(タイルイ)、蘚類、ツノゴケ類があって、ゼニゴケはジャゴケなどとともに苔類に分類されています。ゼニゴケは普通の草木と同じように太陽の光を使って、糖(デンプン)を合成する光合成をして栄養にしています。

コケ植物の姿は、①地面をはうように広がるもの、② 2~3cmの高さに伸びるもの、③ひも状に長く枝分かれするものなどがあり、ゼニゴケは①地面をはうように広がるタイプです。

ゼニゴケ
Photo by kochibi@JPN

写真:ゼニゴケ

藻類とは

ゼニゴケと同じ環境で育つことからコケ類と勘違いされる植物があります。それが藻類です。和名にも「苔」と名付けられているものもあり、庭の芝生にムニョムニョと生えてくるのをみたことがある方も多いのではないでしょうか。

小さなシダ植物や種子植物でさえ苔類と間違わるものがあります。例えば、梅の木の幹についている緑色したものは「ウメノキゴケ」と名付けられていますが分類上は地衣類で、菌類や藻類が助け合ってできたものです。

ゼニゴケの繁殖能力

京都大学大学院生命科学研究科 河内 孝之・西浜 竜一https://www.jstage.jst.go.jp/article/jscrp/50/2/50_KJ00010115788/_pdf

ゼニゴケは胞子で増える有性生殖と、無性生殖(娘細胞をつくり根をおろす)で繁殖しています。しかも驚くことに無性繁殖法も備えていて効率の良い増え方をする植物なのです。無性繁殖法とは動物などに踏みつけられ葉状体(葉や茎に見える部分)が切断されたとしても、切れた葉状体の切断面に新たな葉状体を再生するという驚きの繁殖の方法のことです。

ゼニゴケの生育環境

苔のある庭
Photo by Takashi(aes256)

ゼニゴケなどのコケ類が生息するには、温度や湿度、そして、日当たりや土壌環境といった条件が整う必要があります。コケ類はこれらの微妙な条件の違いにあった苔が生えていて、1ヵ所に住み分けて生息している様は美しい苔庭を作り上げている場合もあります。一方で、人が踏みしめるといったような圧力には弱く、その回数が多い場所では枯らすこともあります。

生育条件① 湿度

苔
Photo byTimHill

ゼニゴケの好む環境は湿度の高い場所と思って間違いはありませんが、コケ類の多くは水分条件に幅広い適応性があり、ゼニゴケは特にその能力が高く気温に対しても適応能力が優れているので日本の北から南まで広く生息できています。コケ類は湿度を好むので梅雨や長雨の後で見かけることが多くなりますが枯れたように見えても再び水分を含むと、生き返えるカビと同じようなしぶとさがあります。

生育条件② 温度

ゼニゴケは実験材料としても培養されています。その場合は22℃前後の温度環境を用意します。温度が30℃前後が続くと生育は阻害されますが、半日蔭程度の温度や湿度があれば育ち、自然光(太陽光)に含まれる可視光線と遠赤色光を含む光を感じる環境が整うと安定した繁殖をします。
参考:2009 低温科学 vol.67、大和, 勝幸; 石崎, 公庸; 河内, 孝之

生育条件③ 土壌pH

日本にある普通の土壌はpHが4.5〜5.5位で弱酸性で、水分量は5~35%の範囲です。コケ類好む生育環境は土壌pHが4.5~7.0で土壌の水分量は5~35%の範囲になっています。このように日本の土壌はゼニゴケコケを含むコケ植物に適した土壌なので世界でもコケ植物の種類が最も多い国になっているのです。
参考:峠田宏 日本蘚苔類学会会報2-9、i1980

ゼニゴケの駆除方法とは

ゼニゴケが嫌う土壌づくりが大切

ご紹介の通り、ゼニゴケが育つには、必要な環境があります。(温度や水分条件、または日当たりなど)ただし、自然条件を変えることは難しく、また、ゼニゴケを①こさぎ取る②高圧洗浄機で除去するにはコストがかかります。あるいは③焼く、④熱湯をかける、といった方法も一考ですが、特殊な増殖をするゼニゴケは葉状体を残すと再び生えてきますので、抜本的な対策にはなりません。そこで、以下では、ゼニゴケの駆除方法として、高い効果が期待できる方法を3つご紹介します。

ゼニゴケの駆除方法① 土壌を乾燥させる

土壌の水分(湿度)を遮断する

ゼニゴケが生えている土壌の水分(湿度)を遮断してみましょう。一番簡単な方法は砂利のようなものを土に混ぜるか敷くことで水はけがよくなり乾燥した土壌になります。湿度がコントロールできればゼニゴケを枯らすことができます。音のでる砂利を敷けば防犯にもつながり好都合です。庭の模様替えや雑草の対策にもなり効果的な除去方法です。

ゼニゴケの駆除方法② 天然成分を使う

日当たりや水はけのよい乾燥気味の土壌にはゼニゴケを見ることはありません。ゼニゴケ退治に天然成分を使う場合は土壌のpHを変えること目的で使用します。

ゼニゴケが枯死する土壌条件

ゼニゴケは酸性の土壌を好んで生息します。コケ植物の生息域の土壌pHは4.5~7.0の範囲でギンゴケを用いた調査では、ギンゴケの切片が成長できずに枯死するpHは4.75以下の酸性土壌かpH10.81以上の強アルカリ性の土壌です。

一般的に水道水はpH 5.8~8.6の中性で、駆除するためには胃液(pH 1.2~2.5)のような強酸性か逆に強アルカリ性の液を準備することになります。ちなみに酸っぱいレモンのpHが2.31、お酢はpH2.80で強い酸性になります。清酒だとpH4.3、石けんはpH 7~10のアルカリ性です。(参考: 具 光 潤他、宇都宮大学野生植物科学研究センター、2006年度日本芝草学会春季大会 )

古くからの効果のあるとされる成分

ゼニゴケに効果のある成分として、古くから土壌の殺菌にも使われてきた木酢や消石灰があります。ゼニゴケを枯らせるように注意書を読んで取り扱いや、他の植物などを枯らさないように気をつけて散布します。効果を上げるためにはお天気の良い日を選ぶなど土壌のpH濃度を適切に保つ工夫をしましょう。

成分① 木酢液

木酢液のpHは2~3の強酸性の液で、竹や木材を使って炭を作るときに出る煙を使ってつくった液体です。土壌の殺菌にも使われ有機農法に貢献しているもので薄めて使っています。少し匂いが気になる人もいますがホームセンターに低価格で販売されているのでゼニゴケ退治のお試しなら木酢液は最適です。薄める濃度はゼノゴケが退治できるpHである強酸性になることを忘れないようにしましょう。

成分② 消石灰

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消石灰とは、水酸化カルシウムの別名でpH12と強いアルカリ性で、こんにゃくの凝固剤として利用され園芸では酸性の土を中和するために用いたり土を消毒するために利用されています。鳥インフルエンザが流行した時の消毒に使われましたが、作業するにはマスクや長袖、手袋、メガネを着用し庭にある周りの植物への影響に注意します。消石灰を使うとゼニゴケは2~3日ほどで枯れる優れものです。

【豆知識】一方、「生石灰」の取り扱いは注意

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生石灰は酸化カルシウムのことでアルカリ性です。食品の乾燥剤として広く普及し、園芸用でも土壌改良や肥料としての効果があるので使われています。ゼニゴケ退治にはお勧めできませんが、お菓子の袋に入っている乾燥剤は捨てずに再利用することは可能です。

ボタニ子

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続いて、除草剤を使う駆除方法についてご紹介

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