ハイゴケとは
ハイゴケは蘚類(せんるい)・苔類(たいるい)・ツノゴケ類の3種類あるコケ植物の中の蘚類に分類され、茎と葉を持つ「茎葉体」と呼ばれるタイプに属しています。コケ植物は、水や養分を運搬する根っこや維管束がないため、体全体で吸水と光合成を行っています。根っこのように見えるものは「仮根」という、体を支える働きをしているものです。
ハイゴケの基本情報
学名 | Hypnum plumaeforme Wilson |
和名 | 這い苔、ハイゴケ |
分類名 | ハイゴケ科ハイゴケ属 |
分布地 | 東アジア、東南アジア、シベリア、ハワイなど |
ハイゴケの特徴
ハイゴケはほふく性で、日当りのよい道ばた、岩や木の幹の上、石垣など、横に這うように黄緑色の群落を作るのが特徴です。茎が地面を這い、たくさんの枝を羽状に伸ばす形態から「這い苔」という和名がつきました。ハイゴケは日光を好み、ある程度の湿度があればよく育ちます。手軽で丈夫なことから、庭園、装飾素材、苔玉や盆栽などさまざまな用途があります。
ボタニ子
ハイゴケって花は咲くのかしら?
ボタ爺
コケ植物は胞子で増えるから花は咲かないのだよ!
ハイゴケの育て方と手入れの仕方
ハイゴケは、苔の中でも育てやすく丈夫な特性を持っていますが、やはり自生している環境と比べると、人の手が加えられた場所ではそれなりの手入れが必要です。ハイゴケが茶色く変色してしまったり、枯れてしまったりしないようにするための育て方と手入れの仕方をご紹介します。
育て方と手入れ①室内
ハイゴケは、直射日光の当たらない明るい場所で管理しましょう。霧吹きをするなど、表面が湿っている状態を保ってあげて下さい。日光や湿度が十分でなくなると茶色く変色し、葉が反り返ったように立ち上がってしまいます。空調が直接当たるところも表面が乾燥しますので、エアコンの風にも注意が必要です。夏の直射日光などは高温になり蒸れてしまいますので、水やりは夕方以降がおすすめです。
室内のハイゴケを茶色く変色させない・枯らさない方法は日光と湿度の管理を工夫してあげること!光が当たりにくい場所に置くなら照明器具で調整してもOK!
育て方と手入れ②室外
ハイゴケは、木陰や軒下などの半日陰で直射日光を避け、湿度を十分保てるように水やりを心がけて下さい。遮光ネットなどで日陰を作るのもよいですね。夏の日中に水やりをするのは、高温で蒸れてしまうので、夕方以降にたっぷりあげましょう。生育による密集も蒸れの原因になりますので、隙間を作る、雑草を抜く、剪定をするなどの工夫が必要です。高温多湿な環境ではカビが生えたり枯れたりします。
室外のハイゴケを茶色く変色させない・枯らさない方法は、日陰を作る工夫と蒸れない環境が大切!乾燥させないようにあげた日中の水が命取りになることも!
育て方と手入れの仕方③肥料
ハイゴケは、室内外共通して、基本的に肥料は必要ありません。根っこを持たないため、他の植物と同じように肥料をあげてしまうと、栄養を処理できなかったり、肥料焼けを起こしたりして、変色や枯れる原因になります。長く育てていて、少し色が薄くなってきたかな?と感じたときは観葉植物用の液体栄養剤を薄めて霧吹きする程度でOKです。
育て方と手入れ④雑草などを除去
ハイゴケは、室内外問わず、雑草やキノコ、カビが発生することがあります。見つけたときはそのままにせず、すぐ取り除いてあげましょう。ちょこんと生えた草やキノコは一見かわいらしく見えますが、草は根を張り抜きにくくなります。キノコは胞子を撒いてしまうので汚れの原因に。カビが生えたところはその後も繰り返しやすくなるので注意が必要です。密集していたら剪定も行って下さい。
育て方と手入れ⑤茶色く枯れた際の対処法
ハイゴケは吸水力に優れていて、いったん乾燥してしまっても、水をたっぷりと含むとみるみると葉が開いていき、だんだん蘇ってきます。茶色くカサカサになってしまっても、慌てずに水やりをして、明るい半日陰で管理してみて下さい。また元気なみずみずしさを取り戻します。
ボタニ子
すごい!生きてるって感じがする!
ボタ爺
次のページではハイゴケの植え方と増やし方、用途や楽しむためのアイディアを紹介するぞ!
出典:photoAC