はじめに
雑草と同じぐらい除去したいものが、石畳の隙間や石、外壁などに生えてくる苔ですよね。ガーデニングで整えた庭に苔が生えたりすると、せっかくのきれいな庭が台無しになってしまいます。そんな苔の取り方にはどの方法が効果的なのかを見ていきます。
苔が生える原因
苔の生えやすい環境
苔も植物ですので、ある程度の日当たりを必要とします。また、水分も必要とするので、湿気のある場所なども好んで生息します。種類によっては日当たりが悪くても生息する苔もありますが、ほとんどの苔が湿っぽくて日当たりが適度にあるところによく見られます。
外壁の苔
コンクリートやモルタルなどのデコボコが多い外壁は、汚れや胞子がたまりやすく、苔が生えやすくなります。また、日当たりのよくない方角の外壁は、風通しが悪くじめじめとして湿気も増え、苔が繁殖しやすい環境になります。
庭の苔
庭も、苔が生えやすい環境の一つです。ガーデニングなどをしていると、苔の繁殖に必要な条件である、適度な日当たりと水分が揃いやすくなります。また、庭の日当たりが悪くても、土の中の湿度が高く、さらに梅雨の時期などで空気中の湿度も高くなれば、苔が生えやすい環境となってしまうので注意が必要です。
苔の種類
庭や壁に生えやすく、よく見かける有名な苔の種類をいくつか紹介していきます。庭に生えている苔がどの種類なのかを知ることは、退治するためにも重要です。また、これらの苔はガーデニングで苔庭を作る際にも使用できますので、参考にしてください。
ゼニゴケ
畑や庭、壁などどこにでも繁殖する苔の代表ともいえるのがゼニゴケです。地面にへばりつくように平らに繁殖するのが特徴の苔で、その性質から、剥がすのが難しいといわれます。取り方としては、繁殖力が強いので、小さいうちに取り除いてしまうのがおすすめです。
ギンゴケ
庭に生える苔としては最もメジャーといわれるギンゴケです。見たことがある人も多いのではないでしょうか。日当たりが良く、水分がある程度ある場所に生息します。繁殖力が強い特徴がありますが、ガーデニングなどで使用されることも多い苔です。
スナゴケ
河原や山地などの日当たりのよい場所に生息するスナゴケは、その直射日光にも強い性質から、都市部の屋上での緑化素材として使用されることもあります。黄緑の見た目と、繁殖力の強さからガーデニングなどに使用されることも多い苔です。
イシクラゲ
庭などにわかめのような苔があれば、それはイシクラゲという苔です。見た目も気持ち悪いので、早々に除去するほうがよいイシクラゲですが、乾燥していると代謝が悪く薬剤が効きにくいという性質があります。水分を吸収して膨らんでいるときに薬剤等を巻いて除去するのがポイントです。
ボタ爺
次からは、苔を取り除くために効果的な方法を見ていきます。
苔の除去方法5選
苔を退治する方法にはどのようなものがあるのかを見ていきます。苔が生えている場所や苔の種類によって、効くものと効かないものがありますので、状況に適した方法を選ぶようにしましょう。また、いくつか併用するのも効果があります。
重曹で除去する
庭の雑草対策などに有効とされる重曹は、苔にも一定の効果を発揮するといわれていますが、ほかの苔の駆除方法と比較すると一番効果は低めです。庭に粉を巻くとほかの草まで枯らしてしまいますので、外壁やベランダなどに生えた薄い苔の掃除に重曹水を使用するのがおすすめです。
熱湯で除去する
熱湯をかけるのも、苔を死滅させるにはとても効果があります。落とし方としては、お湯をかけてこするという作業を繰り返すと、苔を退治することができます。ただ、ぬるま湯ではなく熱湯ですので、持ち運びや散布時には、火傷に注意しましょう。ベランダの隅の苔など、小さなスペースにおすすめです。
酢で除去する
レンガや外壁などに生える薄い苔であれば、酢での除去が良く効きます。取り方は、酢と水(またはぬるま湯)を1:3の割合で溶かして酢水を作り、直接壁などに吹きかけます。もともと酢には殺菌効果がるので、何度か吹きかける作業を続ければ、効果が出てきます。ただし、しっかり生えた苔には効果がないので注意してください。
高圧洗浄機で除去する
一家に一台あると便利なのが高圧洗浄器です。高圧で水を出すため、コンクリートなどを傷つける可能性もありますが、こびりついた汚れなども落とすことができる洗浄機は、苔にも有効です。庭では使いにくいですが、外壁や駐車場などであれば、高圧洗浄機を使用して苔を除去するのがおすすめです。
専用の除草剤で除去する
しつこい苔や、広範囲にしっかりと生えてしまった苔は、酢やお湯で取り除くには限界があります。そういう場合は、市販されている苔専用の除草剤を使用するときれいに退治することができます。家庭でも使いやすい除草剤を6個紹介します。
コケそうじ
ゼニゴケを除く、イシクラゲなどの苔に効果がある駆除剤です。じょうろの水4Lに対し、200mlの薬液を入れて散布すると、広範囲に散布しやすいです。イシクラゲに散布するときは、乾燥していると効き目が悪いので、水分を吸った状態のときにまくようにします。また、一度散布した後、数日を置いてもう一度散布すると効果が上がります。
コケそうじ ゼニゴケ専用濃縮液タイプ
コケそうじのゼニゴケに特化した駆除剤です。通常のコケそうじに、乳酸と酢酸を加えられています。濃縮液なので水と薬液を9:1の割合で薄めて使用します。酢が入っているので、ほかの植物を枯らしてしまう可能性があり、庭などで散布する場合は注意が必要です。
ゼニゴケ専用スプレー
スプレーで手軽にまきやすくしたコケそうじの希釈液タイプです。濃縮液とは違い、そのまま使用することができます。スプレー後、2~3日で効果が出ますが、効果が薄い場合は再度散布をします。苔の範囲が広範囲の場合はスプレーでは大変なので、濃縮液のほうを使用するのがおすすめです。
コケとーるしっかり原液
苔の種類を選ばず、苔全般に効果のある駆除剤です。濃縮液タイプは20倍に薄めて使用します。コケそうじよりもコスパがいいので、大量に使いたい場合や生えている苔の種類がいまいちわからない場合におおすすめです。
コケとーるスプレー
コケとーるしっかり原液のスプレータイプです。ベランダや壁など、じょうろなどでは散布しづらい場所には、手軽にまけるスプレータイプがおすすめです。金属製品にかかると錆びたりする可能性がありますので、注意するようにしましょう。
キレダー
芝生全体にまくことができ、芝はそのまま残せるゼニゴケ駆除に効果的な水和剤です。水で溶かした薬剤を散布すると、夕方には効果が出始めます。何もないところに生えている苔にはあまり効果はありませんが、庭が芝生で一気に全体的に駆除したい方におすすめです。
薬剤などで枯れた苔は、掃き掃除や拭き掃除で取ることが可能です。苔の種類や生えている場所、生えている範囲によって使える駆除剤は変わります。苔の生息状況に一番あった駆除剤を選択するようにしましょう。紹介した駆除剤を一覧で比較しておきます。
商品 | ||||||
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商品名 | パネフリ工業 コケそうじスプレー (非農耕地専用) 500ml | コケそうじ ゼニゴケ専用濃縮液タイプ 500ml 【10倍希釈】 | ゼニゴケ 専用スプレー500ml | レインボー薬品 コケとーるスプレー 500ml | レインボー薬品 コケとーるしっかり原液 200ml | アグロカネショウ コケ用除草剤 キレダー(水和剤) 500g |
価格 | 1,089円 | 1,960円 | 1,058円 | 968円 | 1,045円 | 3,857円 |
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まとめ
苔の取り方として効果的な方法をいくつか見てきました。一度苔が育った場所というのは、また苔が繁殖する可能性が高い場所であるといえます。日当たりや水はけなど、改善できるものがあれば改善をして、苔が生えない環境を作っていくことも大事です。除去をした後は、きれいな状態で保つように努力していきましょう。
出典:写真AC