水苔(ミズゴケ)とは?カビが生えた時の対処法や管理の仕方を紹介!

水苔(ミズゴケ)とは?カビが生えた時の対処法や管理の仕方を紹介!

水苔は、さまざまな使い方ができる園芸資材です。主に、蘭や多肉植物の植え込みに使われているのを見かけたことがあるかもしれません。この記事では、水苔の特徴や使い方、カビを発生させない管理の仕方を詳しくみていきます。正しく使って、より園芸を楽しみましょう。

記事の目次

  1. 1.水苔とは?
  2. 2.生の水苔と乾燥水苔の特徴
  3. 3.乾燥水苔の戻し方と保存方法
  4. 4.乾燥水苔にカビが生えたときの対処方法
  5. 5.乾燥水苔の管理の仕方
  6. 6.乾燥水苔の用途
  7. 7.気軽に水苔を使ってみよう!

水苔とは?

出典:写真AC

水苔は、湿地で生息している緑色の葉をしたコケ植物です。北半球に分布しているコケの一種で、日本には約50種類が存在するといわれています。主に寒冷地の日陰や湿地帯、冷涼な山奥の川沿いなど水辺に自生しています。緑色をした生の水苔は盆栽やテラリウムとして、乾燥した茶色い水苔は観葉植物や東洋ランなどの植え込み材料に利用可能です。

ボタニ子

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水苔は北海道の釧路湿原や尾瀬沼などに多く自生しています。しかし、国が管理する国定公園のため、採取することは法律で禁止されています。

水苔の特徴

水苔は、保水性と排水性があり通気性にも優れています。茎と葉に区別があり、表面にたくさん気孔があるため茎や葉の内部に水を多く溜め込めます。水苔が生育する湿地帯は、気温が低く植物が必要な栄養成分がとれないため、コケ以外の植物は育ちません。水苔は枯死すると炭泥化します。炭泥化した水苔を乾燥させ栄養のある園芸用土に改良したものを「ピートモス」と呼びます。

土の酸性度を高める働き

水苔には、優れたイオン交換性があります。イオン交換性は、土の中に含まれるカルシウムやカリウムなどの陽イオンを水素イオンに変換する働きです。水苔の細胞壁が水素イオンを放出することから、周りの土壌が高い酸性になります。根周りの酸性度合いを高める働きがあるため、サボテンや多肉植物など酸性を好む植物を栽培するときにおすすめです。

生の水苔と乾燥水苔の特徴

出典:写真AC

水苔は、生の水苔と乾燥させた水苔の2種類があります。生の水苔は、きれいな緑色の茎と葉をしているのに対し、乾燥水苔は完全に水分を抜いて乾かしているため茶色く枯れたような状態になっています。どちらも水はけと水もちのバランスがよく、土に比べて柔らかいことから、ほかの植物と一緒に植えても根を傷める心配がありません。

ボタニ子

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日本で自生している水苔は、勝手に採取できません。主に外国産の乾燥水苔が園芸材料に使われています。

生の水苔の特徴

生の水苔は、余分な水を排出して無駄に水分を溜め込まない性質から、根腐れが起こりにくいのが特徴です。殺菌作用があり乾燥水苔のように藻が生えません。容器に水を溜めていてもコバエが発生しにくく、盆栽やテラリウムに使われています。流通量が少ない生の水苔は、ホームセンターよりも園芸店のネット販売から購入するのがおすすめです。

なぜ生の水苔が出回っているの?

生の水苔は、山や川沿いから勝手に採取できません。出回っている生の水苔は、その土地の所有者から許可を得て採取しているものです。園芸店が購入し独自に増やして販売している場合も多いようです。

乾燥水苔の特徴

Photo by kochibi@JPN

乾燥水苔は、生水苔を乾燥させ圧縮した状態のものを指します。主に外国産のブロック状に固められたものがホームセンターなどで販売されています。外国産は一度煮沸されているため、水で戻しても生水苔は生き返りません。水を大量に吸収するスポンジのような性質を利用し、園芸の植え込み材料としてよく使われています。

乾燥水苔の戻し方と保存方法

出典:写真AC

固く圧縮された乾燥水苔は、千切れないようにほぐしてから水をたっぷり吸収させます。絡まっていてもハサミは使いません。水の中で何度か水苔をギュッギュッと握ると吸水が速くなります。芯まで確実に吸水させるために半日~1日程度、水に浸けておきましょう。水を吸水させたあと強く絞ってしまうと柔らかい繊維を傷つけてしまうため、水をきるときは軽く絞るようにします。

戻し方の手順

材料

  • 乾燥水苔:250g
  • 水:1L
  • 容器:バケツ、バット、ビニール袋など

戻し方

  1. 水苔のブロックを崩してほぐす
  2. ほぐした水苔をバットやバケツに入れる
  3. 水をかるく温める
  4. 上からぬるま湯を注ぎ、水苔に吸水させる
  5. 1日そのまま浸けておく
  6. 軽く握って水をきる

水で戻したあとの保存方法

乾燥水苔は、たくさん水で戻すと余ってしまう場合があります。使う分を少しずつ水で戻すようにし、残りは密閉できる袋に入れて日の当たらない場所で保存しましょう。一度水で戻したものは、日光に当ててもう一度完全に乾燥させてから密閉袋に入れて保存します。湿ったままだとカビが生えたり、腐ったりして使えなくなります。乾燥保存したものも1年で使い切るほうが安心です。

ボタニ子

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次のページで、水苔にカビが生えたときの対処方法を見ていきます。

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乾燥水苔にカビが生えたときの対処方法

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