トキワシノブの増やし方
花を持たないトキワシノブの増やし方をご紹介します。種ではなく株分けまたは胞子で増やします。大株になってきたら絡まった根を折らないように気をつけながらほぐし株分けし、新しい用土へ移します。増やし方は簡単で胞子で増やす場合は、湿らせた水苔の上に胞子を着生させます。そのほか、5mm以上に育った太めの根茎を5cm程度に切り分け、湿らせた水苔に麻ひもなどで活着させる増やし方も簡単です。
霧吹きがおすすめ
胞子で増やす場合には、水苔の湿度を保つために霧吹きでの水やりがおすすめです。春には小さな新芽がみられるでしょう。新芽が出てもしばらくは乾燥させないように水やりは霧吹きで行うと安心です。
ボタニ子
胞子で増やす増やし方っておもしろそうね
植え替えと株分けのタイミング
年数を重ねるごとに特徴的な根茎は鉢の中でとぐろを巻いたように成長します。鉢底から根がはみ出すほどになれば、それは植え替えの時期です。そのまま放置すると根詰まりをおこし、枯れる原因となるので早めに行いましょう。春先に植え替えを行うといいでしょう。根が伸びすぎた場合のみ、植え替えと株分けを行う程度で大丈夫です。植え替えも株分けもこれから成長期に入る時期に行うのが一番安心です。
ボタニ子
根が鉢からあふれてきたら根詰まりにも気をつけなくちゃ
「増やし方」の気を付けるポイント
トキワシノブの増やし方は、長く伸びた根をできるだけいためないように、やさしくほぐして株分けします。胞子で増やす場合は、胞子を着生させた水苔などが乾燥しないように適度な湿度を保つよう気をつけます。大きく育った株の場合、根がかなり入り組んで絡まっていることもありますが、折らないように気をつけます。
次のページでは、トキワシノブの上手な管理方法を紹介します。
トキワシノブの上手な管理方法
トキワシノブは屋外でも越冬可能です。また、室内でも細かい切れ込みの入った葉をきれいに広げるので、冬でも青々とした葉を楽しめます。場所や季節にあった育て方を知っておきましょう。
屋外
耐寒性のあるトキワシノブですが、屋外での育て方は気温が-5℃以下になるような場所は避けた方がいいでしょう。強い風を受けるような場所も避けます。適度な湿度が必要なので乾燥がすすむと枯れる原因となります。適度な湿度のある明るい日陰のような環境で管理するようにします。肥料も特に必要としません。
室内
室内での育て方は屋外共に乾燥には注意します。特にエアコンの風が当たるような場所は避けます。直射日光を避けれるようにレースのカーテン越しぐらいの日の当たる場所がいいでしょう。伸びすぎて困るということもなく、枯れ枝を剪定する程度で瑞々しい葉を長く楽しめます。室内に土を持ち込みたくない場合は、土以外の用土の水苔でも育てられるので、人気の苔玉などアレンジの幅が広がります。
季節
トキワシノブの育て方で気を付けたいポイントは季節ごとに管理方法を変えることです。トキワシノブは屋外での越冬が可能ですが、-5℃以下にならない場所で管理します。10℃を下回る日が多く続くと、冬用の管理に切り替えます。水やりは通常よりも期間を2~3日多くあけるようにします。この時期は肥料も必要ありません。
トキワシノブの枯れる原因
根詰まりと根ぐされ
常に水につかっている状態で管理すると根ぐされを起します。何年も同じ鉢で育てていると思いのほか根がまわって、鉢の中で根詰まりを起していることがあるので株に元気がなくなったら、根詰まりも疑ってください。根詰まりしている場合は、早めに根をほぐし新しい用土に植え付けします。木や石などに着生して根を伸ばす場合は、根詰まりの心配は少なくなります。
病害虫
トキワシノブは心配する病害虫はほとんどありませんが、まれにナメクジに小さな芽を食べられたり、またアブラムシやハダニに吸汁されることで枯れることがあります。アブラムシはウィルスを媒介するので見つけた時は早めに対処しましょう。
トキワシノブ人気の飾り方
トキワシノブは個性的な飾り方が似合います。着生植物をいかして流木や岩などに着生させてアクアテラリウムの水耕栽培や苔玉、夏の風物詩である風鈴と一緒に吊るして飾る方法があります。
苔玉
トキワシノブは一年をとおして瑞々しい葉を観賞できるので、苔玉として一躍人気になりました。水苔で育てられるトキワシノブは苔玉に仕立てるのも簡単です。水やりも器に注げばいいので管理も負担になりません。かわいらしいインテリアグリーンとして場所も選ばず、器選びも楽しくなりますね。
風鈴
風鈴の涼しげな音色とトキワシノブの細かく切れ込みの入った葉が夏の暑い日、涼を演出してくれます。極度に乾燥させないように水やりに注意は必要ですが、目にも涼しい飾り方はぜひ真似したいですね。
まとめ
トキワシノブの涼しげな葉は、夏の暑さに涼を感じさせてくれます。冬の季節には屋内管理が安心ですが、肥料や剪定といった管理もほとんど必要なく、水苔などでも植え付けできて、手のかからない植物です。増やし方も簡単で胞子で増やす方法もおもしろいのでぜひ試していただきたいですね。屋外または室内どちらでも飾って楽しめるトキワシノブを自分流にアレンジしてみてくださいね。
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出典:写真AC