タマシダとは
学名 | Nephrolepis cordifolia |
科名 | ツルシダ科 |
属名 | タマシダ属 |
別名 | ネフロレピス |
花言葉 | 魅惑、愛嬌 |
タマシダは、熱帯・亜熱帯が原産のシダ植物です。株全体の大きさは30~50cm。根茎からまっすぐ立つように葉の束が生え、根元からは細い匍匐茎(ほふくけい)を伸ばし、新しい芽をつけながら広がります。日本での分布地は伊豆半島以西の本州・四国・九州です。地面に生えることが多いですが、樹木に着生することもあります。
タマシダの特徴
特徴①シダ植物である
ここでは、タマシダの主な特徴を3つご紹介します。まず、1つめはシダ植物であることです。シダ植物は、種子植物のような花や果実はつけず、種子の代わりに胞子で増えます。なお、胞子は胞子嚢という袋の中で形成されますが、タマシダの場合、葉の裏側にたくさんの胞子嚢が並んでいます(上の写真で、茶色い点のようなものがタマシダの胞子嚢です)。
特徴②美しい葉をもつ
2つめの特徴は、美しい葉です。タマシダは葉軸の両側に数十~百対の小さな葉を茂らせ、それが複数本、束のようにまとまって生えています。葉全体の長さは30~80cm。1つずつの葉の形は細長い楕円形をしており、波のように少しうねっています。タマシダの葉は、その美しさからフラワーアレンジメントや生け花の葉物としても人気がありますよ。
特徴③球のような塊茎をつける
3つめの特徴は、球のような丸い形の「塊茎」です。タマシダは、地中の匍匐茎に写真のような塊茎をいくつかつけ、その中で水を蓄えています。タマシダが乾燥に強いのは、これが理由だといわれています。塊茎の大きさは1.5~2cm。なお、タマシダという和名の由来も、この球のような塊茎からきています。
タマシダの見分け方
タマシダの見分け方をご紹介します。タマシダとよく似た「セイヨウタマシダ」という植物があり、両者はとても混同されやすいです。見分け方はタマシダの特徴でもご紹介した、球のような塊茎がついているかどうかです。タマシダには塊茎がありますが、セイヨウタマシダにはありません。この違いで両者を明確に区別できるでしょう。
タマシダの育て方
タマシダは、耐陰性があり乾燥にも強く丈夫なので、初心者にも育てやすい植物といえるでしょう。寒さには弱い(耐寒気温5℃以上)ため、冬は室内でのみ栽培できますが、それ以外の季節は屋外でも育てられます。栽培には特に小型の「ツデー」という種類が人気です。以下で、タマシダの育て方をご紹介していきます。
苗・用土
苗は、葉がみずみずしく徒長していないものを選びましょう。用土は、水はけのよい土が栽培に向きます。「観葉植物用の土」を用意するか、赤玉土・腐葉土・軽石の割合が5:3:2になるように混ぜたものを使用するとよいでしょう。水苔に植え込んで栽培することもできますよ。根腐れ防止のため、用土の過湿に注意してください。
置き場所
タマシダは、半日陰を好み、耐陰性もある植物です。強い日差や日光不足となるような場所は避けてください。室内では、レースのカーテン越しに日光が当たる場所が最適です。冷暖房の風が直接あたらないよう注意しましょう。屋外では、遮光ネットを使って遮光するか、屋根のある場所に植えてください。屋外栽培の場合、冬は室内に取り入れましょう。
水やり
水やりは、春から秋にかけては土の表面が乾いたらたっぷりあげましょう。なお、真夏は葉が蒸れるのを防ぐため、鉢土の端から水を注ぐようにします。冬はあまり水を必要としないので、水やりの頻度を減らしてください。土の表面が乾いて2~3日後に水をあげるぐらいでよいでしょう。季節を問わず、葉水は定期的に与えてください。
肥料
肥料は、春から秋にかけては定期的に与えましょう。与える頻度は、固形肥料なら約2ヶ月に1回、液体肥料なら約2週間に1回が目安です。コバエの発生を予防するためには化成肥料がおすすめです。肥料やけの原因となるので与えすぎに注意してください。なお、冬の間は肥料を与える必要がありません。
次のページでは、「タマシダの植え替え・増やし方」と「タマシダの注意すべき病害虫」をご紹介します。