イノデとは?
イノデはシダ植物の一種です。ワラビやゼンマイ、コゴミなど、他のシダ植物の仲間たち比べて少しマイナーではありますが、意外に身近な場所にも生息しています。まずはイノデがどのような植物なのかを見ていきましょう。
基本情報
和名 | イノデ |
中国名 | 棕鳞耳蕨(zong lin er jue) |
学名 | Polystichum polyblepharon |
分類 | オシダ科 イノデ属 |
草丈 | 30〜100cm |
イノデの種類と分布
イノデ は、日本では関東以西〜九州(屋久島まで)に分布しており、国外では中国東部や朝鮮半島にも分布しています。その仲間は非常に多く、日本にはイノデモドキ、アイアスカイノデ、ツヤナシイノデ、サカゲイノデ、カタイノデ、サイゴクイノデ、チャボイノデなどが生息しています。
名前の由来
日本で呼ばれている「イノデ」という名前は、新芽が出るときに鱗片をたくさんつけて丸まっている様子が由来です。まるでイノシシの手に似ていることから「猪の手=イノデ」と名付けられたとされています。
イノデの特徴
イノデは、日本では広い範囲で見かけられます。ここでは、イノデならではの特徴を見ていきましょう。
葉の特徴
光沢のある濃緑色の葉が太い塊状の根茎から出て、放射状に広がります。葉の長さは30〜100cm、なかにはそれ以上の大きさになるものもあります。葉の一部である葉柄(葉の一部で茎と葉身の間にあり、葉身を支える部分)の長さは10〜25cmほどです。葉身(扇のような葉の部分)は広披針形で、先端部分の幅が急に狭くなるのが特徴です。
近縁種や種間雑種の多さも特徴
イノデは「近縁種」が多いことも特徴のひとつです。近縁種とは生物の分類において血縁度が高く近い種であることを表す言葉で、イノデはこの近縁種が数多く存在します。また、異種交配(交雑)で生まれる雑種のことを「種間雑種」と呼びますが、イノデはこの交雑が起こりやすい植物です。種の交雑により似て非なる容姿を獲得するため、見分けることが難しい点もイノデの特徴といえるでしょう。
次のページでは、イノデの生態を見ていきましょう!