ニオイスミレとは?花の香り・開花時期などの特徴や育て方をご紹介!

ニオイスミレとは?花の香り・開花時期などの特徴や育て方をご紹介!

ニオイスミレは可憐な花と甘い香りで心を癒してくれる多年草です。耐寒性に優れているため冬場の花壇にも重宝され、室内ガーデニングでも人気を集めています。ニオイスミレの香りの特徴や開花時期、栽培に向いている日当たりや土など育て方の基本についてご紹介します。

記事の目次

  1. 1.ニオイスミレとは
  2. 2.ニオイスミレの花の香り
  3. 3.ニオイスミレの開花時期
  4. 4.ニオイスミレの育て方
  5. 5. ニオイスミレの増やし方
  6. 6. ニオイスミレの病害虫の防ぎ方
  7. 7.まとめ

ニオイスミレとは

出典:写真AC

ニオイスミレ(スイートバイオレット)は、アジアやヨーロッパなどの広い範囲に分布している多年草です。甘い香りのする花で、ガーデニングにおいてもとても人気があります。また、ラベンダー・バラと並ぶ香水の原料花です。古代ギリシアでは紀元前から栽培されており、香水のほか、食用や薬にも用いられてきました。

ニオイスミレの概要

ニオイスミレはヨーロッパや北アフリカを原産地とする、スミレ属の花です。寒い環境に強い種で、12月から3月に花を咲かせ、さみしくなりがちな冬の花壇を華やかに彩ってくれます。素朴で清楚な雰囲気が漂う、癒し系の花です。

分類 草花、ハーブ       
形態 多年草
原産地 ヨーロッパ、北アフリカ、西アジア
開花時期 12月から3月
花の色 薄青紫、ピンク、白、黄色
暑さ / 寒さ やや弱い / 強い
特性 香りが強い、開花時期が長い

ニオイスミレの種類

ニオイスミレの花の色は、いわゆる「すみれ色」あるいは「バイオレット・カラー」と呼ばれる濃い青紫色が主流です。このほかにピンク色や白色、黄色、薄紫色などの花をつける花壇や種類もあります。一重咲きの五弁花であるものがほとんどで、葉はほかのスミレと同じくかわいらしいハート形をしています。

パルマスミレ(八重咲きニオイスミレ)

パルマスミレというニオイスミレに色も形もよく似た花が、八重咲きニオイスミレという通称で流通することがあります。しかしこちらはニオイスミレとは別の種です。ニオイスミレに比べると寒さに弱いですが、香りの甘さや強さはニオイスミレよりも優れていると言われています。

ニオイスミレの花の香り

出典:写真AC

ニオイスミレは香りがとても強いことが特徴です。花と葉では抽出される香りが異なるため、香水によって使用する部分が変わります。また、就寝時の鎮静効果を期待して使用したり、「バイオレット・リキュール」と呼ばれるリキュールに欠かせない材料とされたりと、香水以外でもその香りは重宝されています。

強くて甘い香りが人気

ニオイスミレは、別名をスイートバイオレットと言います。小さな花ながら1輪あるだけで部屋全体がその香りに包まれると言われるほど強い香りを持っており、室内ガーデニングにもぴったりです。「スイート(甘い)」と名前にもある通り、花から溶剤で抽出した香料はとても甘い香りを放ち、香水の原料として親しまれています。

葉の香りは上品な香水の材料にも

ニオイスミレは花だけでなく、葉からも溶剤抽出で香料を作れます。こちらは花の甘い香りとは異なり、青臭さの目立つ独特の香りです。現在は安価での生産が可能な合成香料が開発されたため、香水のためにニオイスミレを生産することはほとんどありません。しかし葉から抽出した香料は高級な香水の材料となるため、エジプトでは少量ながら生産が続けられています。

ニオイスミレの開花時期

出典:写真AC

一般的に「スミレ」と呼ばれているスミレ(学名:Viola mandshurica)の開花時期が3月から5月であることからも、スミレと言えば春の花という印象が強いでしょう。しかし耐寒性に優れているニオイスミレは、それよりも早い12月ごろから花をつけ始めます。冬場も枯れることなく、愛らしい花姿を見せてくれますよ。

12月から3月と長い期間楽しめる

ニオイスミレの開花時期は12月から3月で、冬のはじめから早春までという長い期間を楽しめることが特徴です。寒さに強い品種のため、花が少ないこの時期の花壇を、小さく可憐な姿で彩ってくれます。ビオラやパンジーと並んで、冬場のガーデニングの際にとても頼りになる存在です。

ニオイスミレの育て方

出典:写真AC

ニオイスミレを育てる際は、種苗店やインターネット通販で種や苗を購入するのがよいでしょう。暑さに弱い品種のため、特に夏場の手入れは注意が必要です。ここからはニオイスミレの栽培に適している土や肥料、気をつけるべき病害虫など、ニオイスミレを育てる際のポイントを紹介します。

ニオイスミレの育て方①日当たり

ニオイスミレは冬の花のため、寒さに強い反面で暑さに弱いという性質があります。そのため栽培環境としては、夏場は強い日差しを遮り、なおかつ冬場は日当たりがよくなるような落葉樹の下が適しています。花つきをよくするためには、冬場は積極的に日光に当ててあげましょう。

ニオイスミレの育て方②水やり

出典:写真AC

「乾燥」をポイントに、時期によって水やりの内容を変えましょう。高温で乾燥している時期には、早朝か、あるいは夕方に水やりをするのがおすすめです。この時間にしっかり水やりをすることで、根腐れや、害虫であるハダニがつくのを防ぎます。反対に冬場には、やや乾かし気味に管理するようにしましょう。

ニオイスミレの育て方③用土

ニオイスミレが好むのは、水はけ・水もちのよい肥よくな土です。市販されている培養土や、赤玉土小粒と腐葉土を同比率で配合したものを用いるとよいでしょう。

ニオイスミレの育て方④肥料

出典:写真AC

庭に植える場合・鉢植えで育てる場合に共通のポイントとして、元肥には緩効性の化成肥料を使用するとよいでしょう。秋以降の花がつく時期には、薄めた液体肥料を水やりの代わりに与えると花つきがよくなります。

ニオイスミレの育て方⑤植え替え

ニオイスミレの植え替えのタイミングは、花が咲き終わった直後です。苗はとても傷つきやすいので、鉢土はあまり崩さないようにします。鉢の表面と底の土を取って、もともとの鉢よりも一回り大きいサイズの鉢に苗を植え替えます。鉢を大きくしたくない場合は、株分けで対応するのがおすすめです。

ニオイスミレの増やし方

出典:写真AC

ニオイスミレは種まき、株分け、さし芽等の方法で増やします。順番に詳しい方法をご紹介します。

増やし方①種まき

ニオイスミレは種から育てることができます。ただしスミレの仲間は交雑しやすいという特徴があるので、5月ごろにできる自家受粉の種を閉鎖花から採取して使用します。一度乾燥した種は発芽しにくくなるため、開く直前のさやをとりまきしましょう。発芽には少し時間がかかる傾向があります。

増やし方②株分け

ニオイスミレの株分けは、4月から5月ごろの花後に行います。根を傷つけないように気をつけながら株を抜いて、水の中で根についている土をほぐします。古い根や、傷んだり枯れたりしている葉を取り、株をきれいにします。ほふく茎の先にできている、新しい株を残しましょう。

増やし方③さし芽

4月から6月ごろに行います。伸びたほふく茎を2節ほどの場所で切り、水あげをしてからさしましょう。

ニオイスミレの病害虫の防ぎ方

病気

ニオイスミレは春や秋に「そうか病」にかかることがあります。そうか病はカビが原因の病気で、感染すると葉にかさぶたのような白いブツブツができるのが特徴です。ひどくなると葉が変形し、枯れるといった事態にもなります。このカビは気温20度前後で活発になり、雨で飛散するため、雨に濡れないようにすると被害を防げるでしょう。

害虫

害虫がついてしまうと、葉や茎が傷んで花が枯れる、害虫を介した病気にかかるなどの被害が起こることがあります。ニオイスミレにつきやすい害虫はツマグロヒョウモンの幼虫、アブラムシやハダニ、ヨトウムシ、ナメクジなどです。新芽や蕾にアブラムシがつきます。高温乾燥期にはハダニが、高温多湿期にはナメクジが発生しやすくなります。温暖な地域の場合、ツマグロヒョウモンの幼虫による食害も多く見られます。

まとめ

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ニオイスミレはサイズも小ぶりなので、限られたスペースでの栽培や室内ガーデニングにもぴったりです。少し手をかけてあげれば、枯れる心配も少なくすくすく育ちますよ。暗くなりがちな冬場の癒しに、甘くて愛らしい香りを届けてくれるニオイスミレを育ててみるのはいかがでしょうか。

おもち
ライター

おもち

幼少期、母とふたりでつくった小さな花壇が宝物でした。季節の移り変わりを色とりどりの花で知るのがとても好きです。

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