踊りハボタンとは?
ハボタン(葉牡丹)は寒い時期に色づく冬の植物ですが、春や夏に伸びる茎を仕立てて作るのが「踊りハボタン」です。成長後、まるで踊っているかのように四方八方へ伸びる茎のユニークな形と、茎の先にできる小さめのハボタンを観賞して楽しみます。
ハボタン(葉牡丹)の基本情報
学名 | Brassica oleracea var. acephala |
科名 | アブラナ科 |
属名 | アブラナ属 |
原産地 | ヨーロッパ |
和名 | 葉牡丹 |
形態 | 二年草、多年草 |
耐寒性 | 普通 |
耐暑性 | 強い |
別名「ハナキャベツ」
葉牡丹はキャベツの仲間で非結球性ケールがルーツといわれ、「ハナキャベツ」という別名があります。江戸時代に食用として日本に入ってきましたが強い苦味が親しまれず、品種改良されて今では観賞用として定着しています。
踊りハボタンの育て方①ハボタンを育てる
踊りハボタンを作るためにまずはハボタンを育てますが、秋にでまわる苗を購入して育てるやり方と、種をまいて育てるやり方があります。苗を購入する場合は茎の太くがっちりとしたもの選び、種をまく場合は以下を参考にして育ててください。
ハボタンの種
種の特徴
ハボタンの種には2種類あり、
- 高性種…背丈が高くなる品種
- 矮性種…背丈が低い品種
種まき
育て方1.種をまく
種をまく時期は7月~8月が適していますが、高温だと発芽不良になるので日陰に置いて発芽させます。育苗箱か6cmのポットを用意し、8分目まで土を入れて種を1~2粒まき、5mmほど土をかぶせたら水を与えます。土は草花用の培養土か、自分で作る場合は赤玉土(小)・腐葉土・ピートモスを6:3:1の割合でブレンドして使います。
育て方2.間引き
発芽後は少しずつ日当たりのよい場所に移動して徒長を防ぎ、本葉がでてきたら大きい芽を残して間引きします。
育て方3.鉢上げ
9月~10月ころ本葉が5~7枚になったら9cmのポットに移し、大きめの緩効性肥料を3粒ほど置き肥して鉢上げします。
踊りハボタンの育て方②植えつけと植え替え
株をしっかりと充実させるために必要な植えつけは、10月~11月ころにポットの表土が見えないくらい株が大きく成長したら一回り大きい鉢植えに植えつけします。大きいプランターに寄せ植えするときは、株どうしを密着させて植えつけても成長に問題ありません。
植えつけのやり方
育て方1.準備
植木鉢に鉢底ネットを敷き、鉢底石を2cmほどの高さになるまで入れたら培養土を鉢の1/3まで入れます。
育て方2.植えつけ
根を傷つけないようにしてポットから株を取りだして植木鉢に入れ、株の周りに培用土を足し、株がぐらつかないよう指で土を押さえて安定させます。植えつけが終わったら、鉢の底からしっかり水がでるまで水を与えます。
植え替えもこの時期に
年数のたった株や開花したあとの株を踊りハボタンにする場合、春から夏(5月~9月)のうちに植え替えをしておきます。培養土や植え替えの手順は植えつけと同じですが、養分を吸収しやすくするために根鉢を崩して植え替えます。
下葉の処理
株が成長し葉の枚数が増えると下葉が取れやすくなり、触っただけで落ちてしまう下葉は腐れや変色の原因になるので、ときどき葉の状態を確認して早めにカットし取り除きます。
踊りハボタンの育て方③肥料
ハボタンの花や伸びる茎に肥料は必要ですが、綺麗な葉色にするには肥料を控える必要があります。とくにチッ素分が土の中に多いと葉色の発色が悪くなり、緑色が濃くなって白やピンクなど鮮やかな色がでにくくなるので注意が必要です。
時期と与える肥料
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季節によって緩効性肥料と液体肥料を使い分ける
5月~9月の中ころまで緩効性肥料のチッ素・リン酸・カリウムを10:10:10の割合で与え、9月末ごろから効果が早く切れる液体肥料に変え、チッ素・リン酸・カリウムを6:10:5の割合で与えます。
踊りハボタンの仕立て方①花茎切り
花茎切りに適した季節は開花後の4月で、花茎を切ると新芽がでやすくなり新芽の茎が成長して踊りハボタンになります。菜の花のような見た目の黄色い花の盛りが過ぎてから茎をカットするので、それまでは花を観賞することもできます。
花茎の切る場所
切る場所は花の根元
切る場所は花の根元と、成長しすぎた茎に栄養が取られないよう主の茎の中央部分をカットします。
花茎を切る
仕立て方1.サヤのふくらみを確認する
2月~3月ころ葉の中央から伸びていく茎が枝分かれし先端に花を咲かせ、その後種を含んだサヤが膨らんでいきます。花のピークが過ぎたらサヤのふくらみを確認しましょう。
仕立て方2.切る場所は主の茎中央と花の根元
サヤのふくらみを確認したら、枝分かれした花の根元部分と主の茎も中央部分でカットします。
仕立て方3.切り口を保護する
茎をカットしたあと切り口をぬれたまま放置すると腐れの原因になるので、アルミホイルなどをかぶせて保護します。
仕立て方4.小さな芽を取り除く
6月~7月ころに発生する小さな芽が伸びる前に取り除き、伸ばしていく茎にしっかりと養分を行き渡らせて育てます。
踊りハボタンの仕立て方②ピンチ栽培
踊りハボタン作りにかかせないピンチ(摘芯)作業は、4月以降におこないます。切る場所はわき芽や徒長した茎の付け根で、ピンチしてよけいな茎を取り除き、2年から3年目の株に生育不良の茎や葉がある場合はピンチ作業時に一緒に取り除きます。
株をピンチする
仕立て方1.残す茎を選ぶ
2年から3年目の株は地表近くの茎が太く小さなハボタンができていて、この太い茎と小さなハボタンを利用して踊りハボタンに仕立てるため、ピンチ前に茎を触りしっかりと充実した茎と葉を選んでおきます。
仕立て方2.切る場所は茎の付け根と花の根元
花は根元でピンチし、伸びすぎた茎と生育不良の茎や葉は付け根でピンチします。残した茎に葉が多くついているときはカットして葉を取り除き日が当たるようにしますが、夏の直射日光には当てない管理が必要です。
踊りハボタンの作り方①支柱立て
茎が伸びると複雑なくねりや葉の重みで茎が垂れさがり倒れやすくなります。とくに3年目の株は大きさもあるので、支柱を立てて茎を固定し転倒による株の傷みや茎折れを予防します。
支柱を立てる
作り方1.支柱の用意
支柱を立てたあとに伸びる茎の成長を考慮して、使用する支柱は茎より長いイボ竹タイプの支柱を数本用意します。
作り方2.支柱を立てる
1~3本ほどの支柱を中心の茎と広がった茎に添わせ、支柱がぐらつかないようまっすぐ土に挿しこみます。根に当たりなかなか刺さらないときはむりに挿しこまず、根を避けて挿すようにしましょう。
作り方3.茎を固定する
3年目の株の広がりは大きくなり、先端のほうの茎は折れやすくなっています。支柱を立てたあとは中心の茎を2~3ヵ所紐で固定し、広がった茎もできるだけ紐で支柱に固定して動かないようにします。
作り方4.支柱から離れた茎の固定
支柱を立てたあとに伸びた茎が支柱から離れて固定できないときは、紐を長く使いたわみがでないようにして支柱と茎を結びます。