冬に咲く花の耐寒性
耐寒性ってなんだろう?
耐寒性があるのに冬には枯れる?
植物を選ぶ際によく目にする耐寒性という言葉。文字通り、どのくらい寒さに耐えられるかという指標なのですが、耐寒性植物と銘打っておきながら、秋口から枯れていくのはどうしてだろうと思ったことはありませんか?この場合の耐寒性とは越冬する際の株全体の持つ性質であり、花茎の耐寒性とは異なります。耐寒性があるからといって常緑性であるとは限らないのです。
品種改良によって作られた耐寒性
今回取り上げた植物は、雪が降らないと花を咲かせないわけでもなく、暖かい春がきたら枯れてしまうというわけでもありません。植物の持つもともとの耐寒性もありますが、そこには人間による品種改良がありました。一例として、雪を被ったガーデンシクラメンはよく見かけますが、原種系のシクラメンを屋外に植える人はいませんよね。耐寒性が違うからです。このように少しずつ改良を重ねた結果として、霜に強い、寒さに強い、といった花茎にも耐寒性のある植物の姿があるといえるでしょう。
花が冬に咲く球根植物①スイセン【雪中花】
雪中花という別の名前をもつスイセン(水仙)は、品種改良がすすんだ植物でもあり、その種類は花の形や色により12の系統に分類されています。名前の由来になったギリシャ神話の美少年『narcissus』の話から派生したナルシストという言葉は有名ですね。花の美しさはもちろん、その芳香にもすばらしいものがある反面、葉と球根にはアルカロイドという毒性があります。食用ではありませんので注意してください。
草丈 | 15~30cm |
花期 | 12~5月(品種によって異なる) |
花色 | 黄色、白、オレンジ、ピンク |
花が冬に咲く球根植物②スノードロップ【待雪草】
名前からもお分かりのように、雪にちなんだネーミングは、その花の白さと雪の中で咲くイメージを一致させたものでしょう。スノードロップの品種は約15種類。八重咲きや、緑の斑が入るものもあります。日本で一般的にスノードロップと呼ばれているのは、ガランサス・エルウェシーという品種です。霜に強いのはもちろんのこと、真冬の雪の中で花を咲かせるようすは植物の生命力を感じさせてくれますね。
草丈 | 5~30cm |
花期 | 2~3月 |
花色 | 白 |
花が冬に咲く球根植物③ガーデンシクラメン
品種改良されたミニサイズのシクラメンは、従来のサイズのシクラメンとは違い、真冬の戸外でも越冬でき、霜に強いという性質を持っています。鉢植えやプランターなどで白や赤いシクラメンを寄せ植えしているのをよく見かけることと思います。冬の庭の寂しい時期に赤い彩りが添えられると心まで暖かくなりますよね。ガーデンシクラメンはミニシクラメンという名前で販売されていることもあります。
草丈 | 15~20cm |
花期 | 10~4月 |
花色 | 白、赤、ピンク、紫 |
花が冬に咲く球根植物④クロッカス
クロッカスは原種だけでも80種はあるとされ、品種改良されたものを加えるとその仲間はかなりの数になります。球根の水栽培のイメージが強いクロッカスですが、霜に強い性質は真冬の寒さにも耐え、冬咲きの花を見せてくれます。鉢植えやプランターに植えるのもよいですが、球根をそのまま地植えにしたほうが数年楽しめるでしょう。
草丈 | 5~10cm |
花期 | 2~4月(秋咲きのものは10~11月) |
花色 | 黄色、紫、白 |
真冬でも元気な一年草①ビオラ
寒さに強い花と聞いて真っ先に浮かぶのがビオラではないでしょうか。初冬から春先までガーデニングの主役を務めるビオラは、花壇に植えるのもよし、鉢植えやプランターでの栽培もよしの万能選手です。そして、その種類と色彩はトップクラスではないでしょうか。青や赤い色といった新色や、二つの色が合わさったバイカラーの品種も増えてきました。毎年新種が出るのが楽しみな植物ですね。
草丈 | 10~30cm |
花期 | 11~5月 |
花色 | 白、赤、黄色、ピンク、オレンジ、紫、青、黒、混色 |
真冬でも元気な一年草②パンジー
ガーデニングといえば、こちらのパンジーもビオラに負けず劣らず、初冬から春先までプランターのメインとなりますが、大ぶりな花は花壇に植えるのもよいですね。寒さに強い特性はビオラ同様で、春までの長い花期を楽しませてくれます。近年の人気の品種では「モルフォ」という青い蝶を思わせる色合いのパンジーが話題になりました。
草丈 | 10~30cm |
花期 | 11~5月 |
花色 | ピンク、紫、白、黄色、黒、 |