クリスマスローズの性質は?
クリスマスローズはキンポウゲ科の多年草。多くは常緑の葉を持ちます。暑さには少々弱い反面、寒さにとても強く丈夫なため、初心者にはぴったり。強い日差しは苦手なため、落葉樹の下など、暑い季節には木陰になり、落葉すると日があたるような場所を好みます。半日陰など日照の少ない場所にも耐えるため、シェードガーデンでも大活躍します。
クリスマスローズの基本情報
形態 | 多年草 |
開花時期 | 12月中旬~3月下旬 |
咲き方 | シングル セミダブル ダブル |
花弁の形 | 丸弁 剣弁 |
花の模様 | スポット ブロッチ ベイン バイカラー ピコティなど |
花色 | 白 ピンク 赤 紫 黒 緑 黄 アプリコットなど |
耐寒性 | 強い |
耐暑性 | やや弱い |
クリスマスローズの花が咲かない原因
クリスマスローズの花が咲かなくなるという失敗の多くは、根詰まりや、年月を経て株が古くなってしまったことが原因です。もともと、クリスマスローズは丈夫で生育旺盛な性質なので、あまり手を掛けなくても毎年可憐な花を咲かせます。ところが、丈夫だからとそのまま放置していると、根詰まりから栄養や水分を吸い上げることができなくなります。そこで必要となるのが株分けなのです。
クリスマスローズの株分けの目安は?
鉢植えの植え替え・株分けのサイン
鉢植えの場合の株分けのサイン | 鉢底から根が出ている |
表面の土が固い | |
小さな葉芽・花芽しか付かなくなってきた |
鉢植えも株が古くなってきたら株分けが必要
根詰まりをおこすと、養分や水分を十分に吸収することができなくなります。徐々に葉芽や花芽が小さくなり、ついには花も咲かなくなってしまいます。そこで、1~2年に1度はひと回り大きな鉢に植替えしましょう。また、年数が経つと株自体が古く弱ってくるため、株分けをしてリフレッシュしてあげることも大切です。
地植えの株分けのサイン
地植えの場合の株分けのサイン | 5~6年程度、まったく株分けをしていない |
株の中心部の根が板のように固くガチガチになっている(板根化) | |
小さな葉芽や花芽しか出てこなくなった |
根の板根化とは?
長い間株分けされないと、花茎を切り取ったり枯れたりした跡などがゴツゴツと板のような固い根の塊になってしまうことがあります。これを板根化といいます。当然、その固くなった部分からは芽を出すことができません。小さな葉芽や花芽が、固い根の部分を囲むようにポツポツと出て見栄えも悪くなってしまいます。
クリスマスローズの株分けの時期
クリスマスローズにとって最適な株分けの時期がいつなのか、ご存知ですか?クリスマスローズの成長サイクルを理解すると、なぜその時期に株分けをした方がいいのかよく分かりますよ。成長サイクルとその時に行う管理についてもあわせてご紹介します。
クリスマスローズの成長サイクル
成長期 | 4~5月(春)、10月~11月(秋) |
半休眠期 | 6月~9月(梅雨時~夏) |
開花期 | 12月~翌3月(品種により差がある) |
クリスマスローズの株分けに最適な時期は10月
クリスマスローズの株分けに最適な時期は、成長期の秋。特に10月は、夏の暑さが落ち着いて、涼しさが心地よく感じられるようになる頃です。株分けから12月頃まで、根の生育する期間が十分にあるので安心。その後の根の成長を考えると、最低でも目安として11月中旬くらいまでには終わらせておくことが大切です。また、東北地方や北海道など冬の寒さがひと足早く訪れるような地域では、根の生育期間が短くなりますので、9月頃には作業を終わらせましょう。
その他の時期
春の成長期(4月~5月)
春の4月から5月までは、来年の花を咲かせるために株を成長・充実させる大切な時期です。新たな葉をたくさん茂らせ成長していきます。また、3月頃に開花が終わった鉢植えの株を植え替えするのもおすすめです。また、この時期はだんだん暑くなっていく時期。暑さが苦手なクリスマスローズにとって、この時期の株分けは、根の生育期間が短くなりますので、秋に行う方がいいでしょう。
梅雨時から夏までの半休眠期(6月~9月)
6月から9月は暑さが苦手なクリスマスローズにとってはつらい時期。梅雨時や夏の蒸し暑さでクリスマスローズは半休眠状態となります。強引な植え替え・株分けは根を傷めてしまうので絶対に避けましょう。
秋の成長期(10月~11月)
気温が下がり暑さが落ち着いてくる秋の10月から11月頃は根が盛んに成長する時期。新しい葉や待望の花芽が顔を出す時期です。この時期は、植え替え・株分けともに最も適しています。株からのサインを見逃さないようにしましょう。
開花期(12月~3月)
品種にもよりますが、早いものでは12月中旬頃から開花を迎え、早春の3月頃まで開花時期が続きます。これまでの管理を試すかのように咲き誇るクリスマスローズの花を存分に楽しみましょう。
クリスマスローズの株分けのやり方
鉢植えの株分け
株分けは、1株につき4~5芽程度を付けて切り分ける
鉢を裏返し鉢底穴から株を突いたり、裏返した鉢を足で踏みつけたりといった少々手荒な仕方になるかもしれませんが、株を取り出します。株分けする際は、その後の生育を良くするためにもあまり細かく分けず、芽を4~5芽程度付けて分けるのが失敗しないコツです。芽の部分をよく見て、分けることができる分岐点を探し、園芸用バサミやナイフといった鋭利な道具を使って、目安をつけた分岐点に沿って切り離しましょう。
地植えの株分け
板根化している場合はスコップやシャベルで切り分ける
生育が旺盛なクリスマスローズ。数年経っていると大株となっている場合がほとんどです。株分けして移植する際に気を付けることは鉢植えの場合と変わりませんが、地植えの場合、根元が板根化していると固くて切り分けにくいもの。園芸バサミやナイフなどの代わりにスコップやシャベルなどを使用するやり方もいいでしょう。
クリスマスローズを株分けしたあとの植え付け・移植
新しい土の栄養を十分に吸収できるように、切り分けた株の古い土を軽く落とします。この時期は根を少々手荒に扱うやり方でも全く問題ありません。熊手や鋭利な道具を使って古い土をガリガリ落とします。その際、古くなった黒い根は不要なので適度に切っておきましょう。植え付ける際は、鉢植えの場合、それぞれ切り分けた株よりひとまわり大きな鉢に植え付けます。地植えの場合、株と株の間を最低50~60cm程度はあけて移植しましょう。
根洗いは必要?そのコツは?
土を軽く落とした後、根を必ず洗わなければいけないというわけではありません。というのも、根の先端には産毛のような根毛がたくさんあり、その根毛から大切な水分や栄養を吸収しています。ゴシゴシ洗うやり方では、その大切な根毛が洗い流され、失敗の原因に。ただし、熊手などで土を落とすことが難しい場合に古い土を水で流して落とすことは可能です。コツは、ゴシゴシ強く洗うのではなく、根の表面を軽く水で流す程度の仕方にとどめることです。
クリスマスローズの株分けのポイント(まとめ)
それでは、クリスマスローズの株分けについてポイントをまとめました。クリスマスローズの可憐な花をいつまでも眺めていたいのに、いつの間にか花が咲かなくなった…。そんな方、ぜひクリスマスローズの株分けにトライしてみてくださいね!
- 鉢植え、地植えの株分けのサインを見逃さない
- 株分けに適した時期は、暑さが和らぎ気温が下がる10月
- 寒冷地では寒さが早くやって来るため、その後の生育期間の確保のためにも株分けは9月中を目安に
- 株分けは細かく分ける仕方ではなく、最低4~5芽程度を付けて切り分ける
- 切り分けた株は、根に付いた古い土を軽く落とす
- 根洗いは必ずしもする必要はない
- 古い土を落とすことが難しい場合、ゴシゴシ洗わず、根の表面を軽く洗い流す仕方にとどめて土を落とす
- 鉢植えの場合、ひとまわり大きな鉢に植え付ける
- 地植えの場合、株間を最低50~60cm程度あけて移植する
出典:BOTANICA