シクラメンはどんな花?
シクラメンは、地中海に自生しているサクラソウ科の多年草です。赤や紫、ピンクに白と、さまざまな色の花をもち、冬のガーデニングを楽しくしてくれます。
基本データ
学名 | Cyclamen persicum |
和名 | シクラメン、カガリビバナ、ブタノマンジュウ |
分類 | サクラソウ科シクラメン属 |
原産地 | 地中海 |
開花時期 | 初冬~春頃まで |
シクラメンの歴史
原産地におけるシクラメン
シクラメンの原産地である地中海地方では、古来、シクラメンを食用としていました。シクラメンの地下茎には、塊茎(かいけい)と呼ばれる養分を蓄えてかたまり状になった部分があるのですが、そこに含まれるでん粉を目当てにしていたのです。現在、シクラメンに代わって食されているのがジャガイモですが、このジャガイモの食用とされている部分も塊茎です。
日本におけるシクラメン
シクラメンが日本に伝わったのは、明治時代のはじめ頃だと言われています。そこから、戦後急速にガーデン用として普及しました。またシクラメンをモチーフにした歌謡曲のヒット、ガーデニングブームなどの後押しによって、さまざまな色や咲き方のシクラメンが品種改良で誕生しました。
シクラメンの花の形
シクラメンは夏越し必須
地中海を原産地とするシクラメンは、現地では涼しい雨季に花を咲かせます。そのため、日本では冬に開花し、夏越しが必要となります。翌年も花を咲かせるためには、夏越しはどうすればいいのか。次章では夏越しのポイントもあわせて紹介します。
シクラメンの夏越しのコツ!
4月下旬から5月になると、気温が高くなり花が少なくなってきます。この時期から夏越しの準備を始めましょう。シクラメンの夏越しには2種類の方法があります。それは、休眠させるか、させないかです。
夏越し方法その①休眠
休眠とは、植物が一時的に生育を休止することです。シクラメンに花芽が出なくなったら、水やりを徐々に減らしていき、葉が完全に枯れたら水やりをストップします。肥料もあげてはいけません。風通しのよい、日陰または半日陰に置いておき、8月~9月ころにかけて植え替えを行いましょう。秋の涼しくなった時期から水やり再開です。
球根を触って硬い状態になっていたら、夏越し成功です!
夏越し方法その②非休眠
シクラメンを休眠させない場合は、雨の当たらない風通しのよい日陰か半日陰に置きます。肥料は、春は1週間に1回、夏は1カ月に1回与え、水やりは土の表面が乾いたら行います。ただ、多湿は病気の原因ともなるので、いつまでもお皿に水が残っているようであれば捨ててください。秋になったら植え替えです。
用土はシクラメン専用のものがいいでしょう。
シクラメンの育て方
育て方①置き場所
冬の置き場所
冬の間、シクラメンは屋内の日の当たる窓辺で管理します。気温が低すぎると花が咲かない可能性があるので、屋外でシクラメンを楽しみたいのであれば、寒さに強いガーデンシクラメンを選ぶといいでしょう。また、部屋の中が暖房で暖まっている場合も、シクラメンが弱り枯れてしまうことがありますので、移動させるなどして対処しましょう。
春から夏の置き場所
外の気温が暖かくなってきたら、夏越しの準備のために、屋外の日に当たらない涼しい場所に置きましょう。頻繁に気温が変わる場所や、湿気が多い場所はシクラメンにとっても、夏越しにとっても好ましくありません。
育て方②水やり
シクラメンは水が多すぎると根腐れを起こします。反対に水が少なすぎると休眠します。表面の土が乾いてきたら、鉢の下にあるお皿に水が流れるでるくらい水をあげます。葉や花に水がかからないよう、根本にやりましょう。
育て方③肥料
シクラメンは、肥料を与えなければ、花や葉が少なくなってきます。逆に与えすぎてもいけません。そんなシクラメンには、液肥を与えます。花でにぎわっているころは、週に1回与えてください。肥料不足になると花が咲かないこともあります。
管理方法
花がら摘み
花がら摘みとは、咲き終わった花や、枯れてしまった葉を摘むことです。これらをそのままにしておくと、病気にかかります。花がら摘みをする際は、茎を強く引っ張って傷つけないよう気をつけましょう。種をとりたい場合は、いくつか咲き終えた花を残しておき、結実させます。ですが、たくさんの実をつけていると、結実のためにエネルギーを消費するので花付きが悪くなります。
葉組み
シクラメンの花や葉は、球根の頭から茎をのばしていきます。それをそのままにしておくと、シクラメンの中心に影ができてしまいます。日当たりや、シクラメンの綺麗な形を保つためにも葉組みは行いましょう。手順は、新芽を中心にして、葉を優しく外側へ移動させます。
シクラメンに発生しやすい病気・害虫
灰色カビ病
通気が悪いとき、葉や花に水がかかったまま放置していると灰色カビ病になります。この病気にかかると、花や葉に灰褐色のてんてんが現れます。シクラメンはつねに、通気のいい場所で管理してください。通気が悪いだけでなく、窒素が多くなるとこの病気を引き起こします。
軟腐病
軟腐病は球根が柔らかくなり、腐ってしまう病気です。土から伝染する病気で、傷などがあると根から侵入し、そのまま放置しているとシクラメンが腐ってしまいます。高温多湿の環境でなりやすく、梅雨から残暑にかけて発生します。清潔な土を使って植え替えをすることで防げます。
いちょう病
いちょう病は湿度が高くなると発生します。根腐れなどで根が傷んでいると、そこから菌が伝染し、葉っぱが黄色くなります。そのまま、シクラメンがしおれて枯れてしまう病気です。清潔な土を使って植え替えることで防げます。植え替えのさいは、使い古しの土を使うのは控えましょう。
ダニ類
ダニ類は肉眼で見つけることが難しいです。秋になると発生密度が増加します。湿度が高くなると繁殖しやすくなります。まだ咲いていないつぼみや開いていない葉に侵入し、そのつぼみや葉を食べてしまいます。食べられた花や葉は奇形となり、通常の形で咲かなくなります。
シクラメンの夏越しまとめ
シクラメンの敵はとにかく加湿です。風通しのいい場所に置き、日陰や半日陰に置く。そうすることで、夏越し成功の確立はぐっとあがります。翌年も花を咲かせるために、休眠、非休眠…やりやすい方法を選んでぜひ、夏越しにチャレンジしてください!
花びらが完全に反り返っているのが、シクラメンの花の代表的な咲き方です。