鹿沼土を使った土作り
肌が弱い人は素手で土を触ると手荒れを起こすことがありますので、鹿沼土を混ぜ合わせる土を作る時には、手を保護するため軍手や使い捨て手袋があると便利でしょう。それから、植物を植えるプランターや植木鉢を用意します。
プランター栽培で鹿沼土がおすすめな理由
プランターやコンテナでの栽培では、土が容器に囲われているために、加湿になりやすいという傾向があります。結果として、通気性も悪くなり、酸素不足にもなることも。したがって、空気をたくさん通すという効果を上げるために、水はけのよい通気性のある土を使用することが重要になるのですが、そこでおすすめなのが鹿沼土なのです。
使用手順
鹿沼土をふるいにかける
鹿沼土も赤玉土と同様に、1ミリ目のふるいにかけて細粒を取り除いてから使います。直径1ミリ以下の細粒は、粒の間の隙間がほとんどなく空気が通らず、水も抜けません。結果として細粒は鉢の壁や隅にへばりつき水はけを悪くしてしまうのです。
混ぜ合わせる用土を準備
鹿沼土には肥料分は入っていません。野菜などの作物を植え付けるときは、たい肥や腐葉土などの栄養分の入った肥料をはじめに入れておきます。鹿沼土以外には、赤玉土、ピートモス、バーミキュライト、腐葉土、たい肥など成分の違いのある土を用意するとよいでしょう。
混合する
自分でブレンドして土を作る作業は、子供のころの砂場遊びを思い出すような楽しい作業でもあります。バケツやスコップで混ぜ合わせて作ります。自分で土作りをすることで、植物を植えてからも植物の生育を気に掛けるようにもなります。
観葉植物の場合
観葉植物には細粒を取り除いてふるいに残った鹿沼土を使います。意外にも観葉植物や草花は肥料分はそれほど必要ではありません。例えば、(細粒を取り除いた)鹿沼土:ピートモス:赤玉土=2:3:5という割合で、水はけのよい用土を重視して、肥料分は控えめに入れます。また多肉植物も排水性が重要です。このような植物には、鹿沼土を使い、水はけのよい土を作っていきましょう。
野菜の場合
野菜の土は、植え付ける前に適切な量の肥料が必要ですので、たい肥や腐葉土、化成肥料など鹿沼土と違いのある成分の土と混ぜます。野菜の土壌は弱酸性のpH6.0〜6.5が育ちやすいでしょう。ご紹介のとおり鹿沼土は酸性でpH4.0~5.0ですが、通気性、排水性、保水性という特徴を活かして、2割くらい入れましょう。そして酸性土壌を中和するために石灰も入れて酸度を調節します。
鹿沼土と相性のよい植物
ここからは具体的に鹿沼土との相性が良い植物・作物を紹介していきます。ぜひ、参考にしてくださいね。
ブルーベリー
初夏から夏にかけて実をたくさんつけます。ブルーベリーはヨーグルトに入れたり、ジャムに加工したりして楽しむことができます。目の健康にも効果があり、近年では人気の果実です。
水分を必要とするが過湿はNG
ブルーベリーは強酸性(pH5.5~6.0)の土を好みますので、例えば、大きい鉢でブルーベリーを育てるという時は、細粒を取り除いて、鉢底に大粒の鹿沼土を入れて水はけをよくしておきましょう。この植物は、水を切らすのは禁物ですが、鉢の中に長時間水分がある状態を嫌います。
ツツジ
酸性土壌で
公園や道路の中央分離帯などにも植えられているツツジは、水はけ、水持ちのよい酸性土壌(pH5.0~5.5)が適しています。したがって鹿沼土を使うのが効果的です。ツツジ類やシャクナゲは鹿沼土を単独で使用できます。少し栄養分も入れたいときは、酸度未調整のピートモスを入れるのもよいでしょう。
洋ラン
水はけが重要
水はけのよい鹿沼土は洋ランを育てるときの使い方においてさらに効果を発揮します。なぜなら鉢の底面に厚く鹿沼土をを敷くことで、水はけのよい土にする効果があるからです。また洋ランは酸性(pH5.0~5.5)土壌のを好むのでその点でも鹿沼土はおすすめです。さらに粒が硬めにできている硬質鹿沼土を洋ランの栽培に使うのもよいでしょう。
ランの育て方のポイント
ランは水やりが多すぎることが原因で、根腐れして失敗することも多い植物です。鹿沼土は水をかけると白っぽい色からクリーム色へと変化します。したがってまだ水分が土に含まれているか、水分がなくて乾燥しているかが鹿沼土の色でわかります。そのため水やりのタイミングがわかりやすいという特徴があります。
プリムラ
花壇にぴったり
寒さに強い宿根草です。プリムラは弱酸性(pH5.5~6.0)の用土を好みます。鹿沼土、ピートモス、バーミキュライトなどを入れて保水性のある用土を作りましょう。水やりは花や茎の上から直接かけると、結果として株が倒れてしまうこともあります。したがって水をあげるときは花をかき分けて株の根元の土にかけるようにしましょう。