スギゴケの育て方
育て方①場所
生育には半日陰や木漏れ日の落ちる場所が適します。直射日光には弱いので、地植えはじりじりと日が差す場所は避け、室内では窓から離して置くかカーテンを引いて強い日光が当たらないようにしましょう。
育て方②水やり
春~秋の成長期に葉や土が乾燥しないよう毎日1回ていど涼しい時間帯に水やりします。夏に乾きやすい場合は1日2回水を与えますが、与えすぎると葉の変色や根腐れの原因になるので注意します。
育て方③用土
水持ちと排水性をあわせもつ用土が育成に適します。保水性・排水性・通気性のよい「黒土」と、コケの圧着に役立つ「川砂」を半量ずつブレンドして使いましょう。盆栽や苔玉作りによく使われる、ケト土と赤玉土を7:3の割合であわせた用土でも栽培できます。テラリウムの場合は、ケト土・赤玉土・川砂・燻炭・砂利などを合わせて使います。
育て方④植え付けと植え替え
植え付け
- 植え付けの時期は暖かい地域で3月上旬から、寒い地域では3月下旬から植え付けできます。暖かい室内や温室などで栽培する場合は、冬でも植え付け可能です。植え付けのポイントは苗をしっかり用土へ圧着し、根を土に定着させることです。圧着が弱いとコケが浮きあがり土に根が張れず新芽が生えなくなる恐れがあります。
植え替え
- 植えたままにしておくとコケの密度が減り景観が悪くなるため、3年~4年にいちど植え替えします。植え替えは株のリフレッシュや葉色の維持につながります。植え替えの際に種も一緒にまくと新しい芽が生えて株が充実します。
スギゴケの剪定
剪定の時期
剪定に適した時期は以下のとおりです。
- 春雨(3月下旬~4月上旬)
- 梅雨(6月~7月)
- 秋雨(8月下旬~10月上旬)
方法
1)剪定が必要な茎は?
剪定する茎は「伸びすぎた茎」や「茶色くなった茎」です。伸びすぎた茎は蒸れや日照不足の原因になり、茶色くなった茎は新しい芽が生えてこなくなるので切り取って風通しをよくします。
2)剪定方法
伸びすぎた茎は根元部分から切り、茶色くなった茎は根元または茶色い部分だけを切り取ります。樹形が大きく乱れている場合は全体的に短く刈り込んで整えると、日光が株に行き渡り新しい芽がでやすくなります。
スギゴケの増やし方
増やし方には「まきゴケ(種まき)」「はりゴケ」「移植法(挿し木)」などがあります。使う用土は基本の土にピートモスを加えたものを使い、発芽まで霧吹きなどで水を与え用土が乾かないようにします。ピートモスは土壌改良材として知られ、保水性をアップさせる効果が期待できます。
増やし方①まきゴケ(種まき)
「まきゴケ(種まき)」はほぐしてばらばらにしたスギゴケを、種まきのように土にまいて増やす方法です。地面に直まきすることもできますが雨によって流される心配があるので、トレイやパックなどに土を入れてまき、発芽させてからほかの場所に植え付けるのが無難です。約1ヶ月ほどで、ぽつぽつと小さな芽がでてきます。
まいたコケの上にキッチンペーパーをかけ、ペーパーの上から霧吹きすると乾燥防止になりますよ。
増やし方②はりゴケ
「はりゴケ」はマット状にはがしたスギゴケを植え付けて増やす方法です。マット状にはがす際は土を落とさずつけたままにし、スコップまたはコテで用土や地面に圧着させます。その後コケの上に1/3程度土をかけ、土が流れないよう静かに水やりします。「まきゴケ(種まき)」同様、根ずくまでは土が乾かないよう注意しましょう。
増やし方③移植法(挿し木)
「移植法(挿し木)」は数本の茎を用土に挿して増やす方法です。テラリウムなど小スペースにコケを植え付ける際によく用いられます。
ボタニ子
剪定で切り取った茎を移植することもできますよ。簡単なので、ぜひ試してみてくださいね。
まとめ
ふんわりした見た目が愛らしいスギゴケは古くから庭園や盆栽を彩り、目や心の癒しとされています。湿地や川辺に自生することから、多湿を好むスギゴケの栽培では水やりがポイントです。オシャレなインテリアになる苔玉やテラリウムなどから栽培チャレンジしてみませんか?
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水分を好む植物ですが、実は乾燥に強い一面ももちます。葉がからからに乾てもすぐに枯れることはなく、再度水やりするとみずみずしい葉に戻るので、気負わずに水やりしてくださいね。