大根とは?
大根は古代ギリシャやエジプト、ローマの時代から食べられていて、日本人にとっても古くから親しまれている野菜です。大根の根の部分には、消化を助けるアミラーゼ、胸やけや胃酸過多の症状を緩和する消化酵素などが含まれています。また葉の部分は緑黄色野菜の仲間とされ、多くの栄養素が含まれているのです。大根の葉はあまり目立たない存在ですが、料理で大活躍してくれますよ。
基本情報
学名 | Raphanus sativus var. longipinnatus |
原産地 | 地中海、中東の国々 |
園芸部類 | 野菜 |
大根は中国と朝鮮を渡り、縄文時代~弥生時代にかけて日本に入ってきました。それ以来、品種改良が進み、全国でいろいろな種類の大根が育てられています。大根の名前は「大きい根っこ」が由来で、「おおね」とも呼ばれています。春の七草がゆの中にも入っており、日本人に親しまれている野菜の1つです。
大根の葉のレシピ
大根の葉は、いろいろな料理にアレンジがきく野菜です。もちろん生で食べてもおいしいですが、加熱しても豊富に含まれている栄養素が壊れにくいという特徴もあります。大根の根の部分だけでなく、捨ててしまいがちな葉まで料理に応用できたら、健康によいだけでなくゴミも減るので一石二鳥です。
レシピ①チャーハン
材料
・冷ごはん:300g
・大根の葉:80g
・牛ひき肉:50g
・溶き卵:1個
・ごま油:大さじ1
・①しょう油:大さじ1,5
・①オイスターソース:小さじ1
・塩:ひとつまみ
・黒こしょう:ひとつまみ
・ごま油:大さじ1
・糸唐辛子:適量
作り方
- 大根の葉を荒みじん切りにする
- ごま油をひいたフライパンでそぼろ状の炒り卵を作り、一度皿にあげる
- ごま油をひいたフライパンで牛ひき肉を炒め、色が変わったら1を加える
- しんなりしたら①の調味料と冷ごはんを加えて混ぜる
- ごはんがパラパラになったら2を加えて、塩と黒こしょうで味を整える
- お好みで糸唐辛子をのせて完成
レシピ②じゃこふりかけ
材料
・大根の葉:100g
・ちりめんじゃこ:大さじ2
・ごま油:大さじ1/2
☆調味料
・酒:大さじ1
・みりん:大さじ1
・砂糖:小さじ1
・しょう油:大さじ1と1/2
・白いりごま:小さじ2
作り方
- 大根の葉を荒みじん切りにする
- ごま油をひいたフライパンに1とちりめんじゃこを加えてしんなりするまで炒める
- 2に☆調味料を加える
- 水気がなくなるまで炒めたら完成
レシピ③大根の葉のみそ汁
材料
・大根:4cmくらい
・大根の葉(茎部分):1本分
・水:4cup
・鰹節(だしの素でもOK):適量
・味噌:大さじ3~4
作り方
- 大根は皮をむき、大根の葉(茎部分)はよく洗っておく
- 大根は短冊切り、大根の葉はみじん切りにする
- 鍋に水をいれて沸騰してきたら具を入れる
- ひと煮立ちしたあとに、鰹節またはだしの素をいれて火をとめる
- 最後に味噌を加えて完成
レシピ④そぼろ煮
材料
・大根:700g
・豚ひき肉:100g
・サラダ油(米油):小さじ1杯
・◎だし汁:1 cup (200ml)
・◎醤油:大さじ2杯
・◎酒・みりん・きび糖(砂糖):大さじ1杯
・大根の葉:適量
作り方
- 大根を1.5cmくらいの半月切りにする
- サラダ油をひいたフライパンで、豚ひき肉を色が変わるまで炒める
- ◎の調味料を2に加えて沸騰させ、大根を加える
- 落し蓋のうえからフタをして弱火で10分くらい煮込む
- 落し蓋を取り中火にして、刻んだ大根の葉と片栗粉を加える
- とろみがついてきたら完成
レシピ⑤大根の葉の漬け物
材料
・大根の葉:1本分
・塩:大匙1
作り方
- 上の硬い部分を除いて、大根の葉を細かく切る
- 大根の葉と塩をよくもみこむ
- 汁がでてきたら、汁ごとポリ袋にいれて3日程冷蔵庫で寝かせる
- 数日後、よく洗って完成
大根の葉の特徴
実は、大根の葉は緑黄色野菜に分類されていて根の部分よりも葉のほうに多くの栄養素が含まれているといわれています。大根の葉は、料理の下処理をするときに捨ててしまうことが多いですが、体に嬉しい成分がたくさん入っているので、それはとてももったいないといえるでしょう。そのまま食べても、根の部分と一緒に食べてもおいしいです。
特徴①栄養素
大根の葉にはβカロテンやカルシウム、ビタミンC、葉酸、鉄分などとても多くの栄養素が含まれているのが特徴です。それらの成分は、便秘や冷えを解消してくれたり、胃腸の働きを改善したりする役割があるとされます。そのため体の調子がよくなり、美肌や健康にも効果があるといわれています。大根の葉には、緑黄色野菜ならではの高い栄養価があるので、ぜひ積極的にとりましょう。
特徴②時期
現在では品種改良が進んでいるため大根を年中食べられますが、大根の旬は11〜2月にかけての寒い時期にあたります。旬の間に採れた大根は甘くてみずみずしいだけでなく、葉まで柔らかいのが特徴です。また、春から夏にかけて出回るものは少し辛味が強めです。旬の時期にスーパーや青果店で葉付き大根を見かけたときは、鮮度がよい証なのでぜひ手に取ってみてください。
特徴③要注意の成分
大根の葉には、シュウ酸と呼ばれるアク成分が少量ですが含まれています。シュウ酸を大量にとってしまうと尿管結石や腎臓結石の原因になる可能性があるといわれているのです。しかし、このシュウ酸は熱に弱いため、加熱して食べると問題ありません。大根の葉を食べるときは、数分茹でたり炒めたりして食べようにしましょう。特に結石になりやすい体質の人や妊娠中の人は、加熱した食べ方が安全です。
大根の種類
一般的によく食べられている大根は、肌質がきれいで葉のつけ根あたりが青い青首宮重(あおくびみやしげ)という品種です。江戸時代に品種改良が始まって以来、全国にはいろいろな特徴をもった大根が栽培されています。育てられている産地や気候によって形や味だけでなく、適した食べ方もさまざまです。
桜島大根
桜島大根は、栽培されている歴史が200年以上もあることでギネスに登録されている品種です。現在は鹿児島県で栽培されています。重量が10~20kgほどあり、根も葉の部分もとても大きいのが特徴です。大根は甘みがあり煮崩れしにくいですが、葉は硬めで軸には毛が生えています。そのため、葉を食べるときは下茹でして毛の部分を取り除くのがポイントです。
守口大根
守口大根は、愛知県で栽培されている伝統野菜です。長さが平均1mにもなり、とても細長く珍しい品種です。大根は、主に守口漬けとして食べられています。葉の部分は青々とした香りが特徴です。そのため、おにぎりの具にしたり大根と一緒に食べたりするのがおすすめです。
亀戸大根
亀戸大根は、亀戸付近で江戸時代から栽培されている在来種です。近年は、とても少ない量しか栽培されていない珍しい品種になりました。根の部分は小ぶりで少し辛味があるので、漬け物に適しています。葉は大きくやわらかく、根と一緒にぬか漬けや浅漬けで食べるとおいしいです。
まとめ
大根の葉は捨ててしまいがちですが、栄養たっぷりなだけでなく、チャーハンやじゃこふりかけなど、さまざまな料理に応用できる大事な部分でもあります。食べ方次第で、いろいろな味が楽しめるのも大根の葉の魅力です。紹介した人気レシピはすべて簡単に作れるので、ぜひ作ってみてください。栄養たっぷりの大根を葉までおいしく食べて、健康で元気な体をキープしましょう!
出典:写真AC