大根はどんな植物?
大根はアブラナ科ダイコン属の植物であり、日本人にとって最も馴染みのある野菜の一つです。日本全国で栽培され、その種類も数多くあります。馴染みのある白い部分はもとより、葉っぱの部分までおいしく食べられるダイコンですが、意外とその花は知られていません。
家庭菜園でも農家でも花が咲く前に収穫してしまうので、花を見ることはあまりないのです。大根は花が咲いてしまうと、根の部分にはスが入ってしまい、食べられなくなってしまうからです。スが入るというのは、大根が成長しすぎて、中に空洞ができてしまう状態のことです。
大根の特徴
大根の特徴といえば、白くて長い根ということがあげられますが、実は種類によっては赤いものやカブのように丸いものなどもあります。その他種類によっては20キロもある巨大なものや辛くて煮つけなどにはできないようなものまで多種多様です。昔から大根の種類によって調理法などもかなり変わってきます。炒め物、サラダ、煮物、大根おろし、つけものと種類を変えるだけでどんな料理にも合うのも大根という植物の特徴の一つです。
大根の種類って何がある?
大根の種類といえば、一般的な青首大根、ちょっと太めの源助大根、大きい桜島大根、京都の聖護院大根、辛味大根、ミニ大根、サラダ大根、二十日大根など代表的なものだけでもこれだけあり、そのほかにも一部の地域で食べられているようなものまで合わせるとすごい種類になります。
中には大根が育つ前、間引きを行った葉を間引き菜として売っているものや葉大根と言って葉っぱを食べる大根もあります。そのほか、大根とは少し違いますが、花大根や浜大根といったものもあります。
大根の花ってどんな花?
大根はアブラナ科なので、花もアブラナ科の花が咲きます。綺麗な白い花、もしくは薄い紫色の花で、冬に収穫するはずの大根を収穫せずに畑に放置しておくと、春に花が咲きます。とはいえ大根の花の開花時期は4月~5月なので、そこまで畑に放置することは種を採るという目的以外では稀ではないでしょうか。そのためせっかくの可憐な花ではありますが、大根の花を目にすることはあまりないのです。
大根の花言葉
大根の花言葉は「適応力」「潔白」です。「適応力」という花言葉は大根がどんな料理にも合うからとつけられました。「潔白」は見た目通り、大根の根の白さと花の色の白さが由来です。ちなみに、春の七草のひとつスズシロとは大根のことです。
大根の花は食べられるのか
それでは大根の花は食べられるのか、ということですが、大根はアブラナ科の植物ですので、同じアブラナ科の菜の花のように食べることはできます。ただし、食べるのならば花が咲く前のつぼみの状態の時に食べるようにしましょう。
花大根って何?
花大根は、綺麗な紫の花を咲かせるアブラナ科の植物です。花大根の花の形や色合いなどが大根の花と似ていることからその名がつけられただけで、大根とは全く別の植物です。他にもオオアラセイトウという植物が花大根と呼ばれることもありますが、花大根はハナダイコン属、オオアラセイトウは別名ショカッサイ、ムラサキハナナとも呼ばれ、オオアラセイトウ属、またはショカッサイ属の別の植物になります。
花大根とショカッサイの違いは何?
花大根とショカッサイはどちらも花大根と呼ばれることもある上に、花も同じようなものを付けます。それではこの二つの植物のちっがいはいったい何なのでしょうか。それぞれの特徴や開花時期などを比べてみましょう。
花大根の特徴
花大根の原産地はヨーロッパやシベリアから西アジアにかけて広く分布しています。欧米では古くから庭園などに植えられ親しまれている伝統的な園芸植物でもあります。日本で親しまれている花色は薄紫ですが、欧米では白やピンクの花色のものも販売されています。その他八重咲のものなど、伝統的な園芸植物だけあって様々な品種改良が施されています。花大根は耐寒性はありますが耐暑性がないため、日本では一年草として扱われており、開花時期は5月頃になります。夕方になるととてもいい香りがする、花だけでなく香りも楽しめる植物です。
ショカッサイの特徴
ショカッサイの原産地は中国です。花色は紫で、稀に白いものもあります。日本では江戸時代に輸入されて以来野生化したものが徐々に広がり、今では日本全国に分布しています。開花時期は5月から6月で、一年草ながら非常に繁殖力が強く、花が咲いて種が散らばると、翌年には定着してしまいます。園芸用として庭などで栽培されるほか、若い葉は食べられるので原産地の中国では野菜としても栽培されています。さらにアブラナと同様に種から油を絞ることも出来る、実用性に富んだ植物です。
まとめ
大根には様々な種類があり、その種類ごとに調理方法も違うので、色々な大根を食べ比べてみるのも面白いでしょう。大根の花もつぼみのうちなら食べられますし、大根の最大の魅力は根からは、花のつぼみとどの部分も美味しく食べられるところかもしれません。
出典:写真AC