大根の部位ごとの違いと特徴
大根の基本情報
名称(学名) | ダイコン(Raphanus sativus var.hortensis) |
植物分類 | アブラナ科ダイコン属 |
原産地 | 地中海/中央アジア |
可食部 | 根または葉 |
大根は、収穫時期や部位によって味わいに特徴があるアブラナ科の野菜です。大根の部位は、葉のついている部分を上にし、上から順番に「上部」「中部」「下部」と分けられます。薬味や煮物、味噌汁などによく使う品種は「青首大根」と呼ばれるものです。
ボタニ子
大根の部位①上部
特徴と味
大根上部の特徴は、甘さが強く、水分が多いことです。食感もみずみずしく、パリッとした歯ごたえがあります。辛さはほとんどありません。辛味の少ない大根おろしを作りたいときなどは上部がおすすめです。
適した調理法
大根上部に適している調理法は、サラダや大根おろしです。みずみずしく、甘さがある点をいかした食べ方に人気が集まっています。
ボタニ子
大根の根は淡色野菜ですが、葉は緑黄色野菜です。栄養たっぷりの大根の葉は捨てずにおいしくいただきましょう。
大根の部位②中部
特徴と味
大根の中部は、甘さと辛味のバランスがもっともよい部位です。生でもほかの部位と比べてやわらかですが、加熱によってさらにやわらかくなります。
適した調理法
大根の中部は、加熱によってふっくらしっとりとなるため、おでんや煮物などがおすすめです。ふろふき大根などの煮込み料理も、中部がもっともおいしく仕上がります。
大根の部位③下部
特徴と味
大根下部は、甘さが少なく、辛味が強いのが特徴です。また、水分が少なく、繊維質なのも大きな特徴といえます。大根おろしでも、辛味が欲しいときは下部からすりおろすといいですよ。
適した調理法
大根の下部は、水分が少ないため、塩分などの味付けが染み込みやすい部位です。そのため、漬物や照り煮といった煮込み料理に使います。また、繊維質が多く、しっかりしているので細かく切って味噌汁にしても、あまり煮崩れしません。
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大根の部位別の特徴については、こちらの記事でも解説していますよ。チェックしてみてくださいね。
大根が甘いのは冬・辛いのは春
部位別に味の特徴がある大根ですが、収穫時期によって味が変わります。1年中、目にする大根ですが、本来の旬である冬は甘さがのって、水分も多くなる傾向です。逆に、春や夏は水分量が減り、辛味が増します。一方、辛さが特徴の「辛味大根」などは夏に旬を迎え、辛さがとくに強くなります。
大根の部位別おすすめ調理法「上部」
①大根サラダ
大根の上部の使い方でおすすめなのが、大根サラダです。上部特有のみずみずしさを強く感じられる用途といえます。味付けや食材の組みあわせ次第でバリエーションも豊富です。
材料(2人分)
- 大根:1/3本
- しょうゆ:大さじ2
- ごま油:大さじ2
- 酢:大さじ2
- みりん:小さじ1
- 砂糖:小さじ1
- すりごま:大さじ1
- かつお節:1パック
- 大葉:2~3枚
- もみ海苔:1枚分
作り方
- 大根の皮を剥き、千切りにする
- 水に1~2分さらし、よく水を切る
- 2の大根を皿に盛りつける
- しょう油、ごま油、みりん、砂糖、すりごまをボウルでよく混ぜ合わせる
- 3の大根に4の調味料を回しかける
- 上から千切りにした大葉、かつお節、もみのりをトッピングして完成
②大根巻きサラダ
大根巻きサラダは甘みの強い大根の上部を薄くスライスし、好きな具材を巻いて食べるサラダです。みずみずしい大根の味わいと、やわらかな食感が楽しめます。魚介系を具にするのがおすすめです。
材料(10個分)
- 刺身用サーモン:150g
- 梅干しチューブ:5cmほど
- にんにくチューブ:3cmほど
- 大葉:3~4枚
- マヨネーズ:大さじ1
- 大根:大根の上から5~6cm分
- 塩:ひとつまみ
作り方
- 大根の皮を剥いて、スライサーで薄切りにする(10個作るなら10枚スライスにする)
- スライスにした1の大根に軽く塩をふり、キッチンペーパーでおさえて水気をとる
- 梅干しチューブ、にんにくチューブ、千切りにした大葉、マヨネーズをボウルに入れてよく混ぜ合わせる
- サーモンを大根で巻けるような大きさに切り分ける
- 4のサーモンに軽く塩を振る
- 水気をとった2の大根スライスに3のソースを小さじ1杯分ほど塗り、真ん中にサーモンをのせ、端から巻いて、冷蔵庫で味をなじませれば完成
③基本の大根おろし
大根おろしは、さまざまな料理の薬味にかかせない存在です。大根のどの部位でももちろん作れますが、辛い味が苦手な人は上部を使って大根おろしにしましょう。
材料と道具
- 大根:適量
- おろし金
- 水きりザル
- ボウル
作り方
- ボウルの上に水切りザルをセットし、その上におろし金をおく
- 大根をおろし金に対して垂直に持つ
- おろし金に大根をあてて、円を書くようにして動かしながらすりおろす
- 大根をすり下ろしたら、ザルに落ちた大根おろしを手で集め、ザルに大根おろしを押し上げるようにして水を切る
- 好みの水分量にまで水が切れたら完成
大根おろしは冷凍可能
大根おろしは、冷凍保存が可能です。大根おろしは、すりおろして放置すると、辛味は減りますが、その一方で大根の匂いが気になるほど強くなってしまいます。すりおろした後すぐ冷凍してしまえば、大根の匂いも気になりません。水気を切った大根おろしを小分けにし、ラップに包んで保存袋に入れて冷凍しておくと必要なときにすぐ取り出せて便利ですよ。
青首大根以外にも、紅芯大根やビタミン大根といった大根も人気があります。品種の違いなどについて知りたい方はこちらをどうぞ。