大根を切ったら黒い!?
大根は季節を問わずに、スーパーや小売店で購入ができる身近な野菜ですよね。そんな大根を、調理するために切ってみたら、断面に黒ずみがあったり、黒い斑点やスジが入って傷んでいた、という経験、ありませんか? 今回は、なぜそのような事が起こるのか、安全に食べることはできるのかを解説します。
大根に黒いスジや斑点がつく理由
簡単に言えば、大根の皮や中身に「黒いスジや斑点」がつく原因は、保存状況が悪いからです。これは、自宅での保管が原因で起こることもあれば、販売店での保管状況が悪くて起こる可能性もあります。以下3つ、具体的な症状と原因をみていきます。
大根が変色する主な症状
- 水晶現象
- 青あざ症
- ダイコンバーティシリウム黒点病
理由① 水晶現象
水晶現象は、大根を切った時の断面がりんごの蜜の部分ように透けていて、透けた部分が黒や紫に変色することをいいます。一見、病気のように見えますが、病気ではなく、暖かい環境で適切な保管管理をしていないと起こる現象です。
理由② 青あざ症
画像のように、大根を切ったら中身が青っぽく変色している状態を「青あざ症」といいます。「症」とついておりますが、水晶現象同様に病気ではなく、「栽培・土壌環境」や「保管環境」が原因で起こる大根の(老化にともなう)生理現象です。暖かいところで栽培された大根によく見られる現象で、栽培環境の温度(高温、多湿)や、土壌中のカビ、収穫後、各家庭での保管の環境が適切ではなかったときに出やすい現象です。
理由③ ダイコンバーティシリウム黒点病
ダイコンバーティシリウム黒点病は、大根を切った時に、円を描くように黒い点がつく病気で、この黒い点は糸状菌(しじょうきん)というカビの一種です。この菌は、栽培している土壌中のカビが原因で、大根以外の作物も同じ土壌で栽培することで感染することがあります。
大根に黒いスジや斑点があったら食べれない?
黒い筋があっても食べられる!
先ほど紹介した水晶現象や青あざ症、ダイコンバーティシリウム黒点病の大根は、食べても体に害はありません。土壌中のカビが原因のものも、大根自体がカビていなければ問題ありません。ただ、苦味が出たり、硬くなってしまうことがあり、傷んだ結果として味はかなり落ちるので、あまりにも硬い・苦い場合は、その部分だけでも取り除くといいでしょう。
ただ、黒カビには気をつけて!
大根は水分が約95%であるため、大根に「黒カビ」が生えていた場合、内部に黒カビが浸透している可能性が高く、食べるべきではありません。黒カビが生える理由は、保存環境の衛生状況が原因で、黒カビは食べてしまうと食中毒を起こす可能性があります。
黒カビがNGは食品全般にいえること
黒カビを見つけた際は、残念ですが処分しましょう。これは、大根に限らず食品全般にいえることです。黒カビは、黒く固まっていることが多く、カビ臭い匂いのする大根も注意が必要です。
腐っている大根の特徴
黒カビ同様に、食べると危険な腐った大根の特徴もお伝えします。
- ブヨブヨしている
- 異臭がする
- 茶色く変色している
- 皮がヌメヌメしている
- 汁が出ている
黒いスジや斑点のない大根を選ぶ方法はある?
こればかりは、切ってみないとわからないため(見た目からは判断できないため)、残念ながら店頭での判断は難しいといえます。どうしても心配な場合は、あらかじめカットされて売られている大根をしっかり見定めて選ぶといいでしょう。
大根の適切な保存方法4選!!
最後の章では、大根の保存方法について4つご紹介します。購入したあとの保存状態次第で、日持ちが変わったり、水晶現象や青あざ症、黒カビなどの予防になりますので是非参考にしてみてくださいね。
- 冷蔵庫で管理する
- 新聞紙で包み室内保存
- 冷凍保存
- 干して保存する
大根の適切な保存方法① 冷蔵庫で管理
大根の葉がついているものは、葉に栄養がとられてしまうため切り落とします。切り落としたら断面が乾燥しないようにラップを巻いて、立てて野菜室で保管しましょう。日持ちは冷蔵で約2週間ほどです。立ててそのまま入らない場合は、入るサイズに切り、断面にラップを必ず巻きましょう。大根は縦に伸びる野菜なので、寝かせて保管すると縦に戻ろうと無駄にエネルギーを消費し、結果しおれてしまうので、縦に立てて保存が鉄則です。
大根の適切な保存方法② 新聞紙で包み室内保存
冷蔵保存と同様、葉がついている場合は切り落とし、白い根の部分を新聞紙で包みます。大根の保存適温は0~5度とされているため、冬場は涼しい床下収納や、玄関先など、日光や暖房が当たらない冷暗所で保存することも可能です。新聞紙で包んだ状態での保存期間は1~2週間ですが、夏場は室内での保管は難しいため、冷蔵や冷凍をして保管しましょう。
大根の適切な保存方法③ 冷凍保存
大根を輪切り、いちょう切りや大根おろしなどを、フリーザーバッグに入れて冷凍します。保存期間は約1ヶ月です。切ることでかさばらずにしまえるため、大根を買ってきてすぐに使い切らない時は切って冷凍することで、そこまでかさばらずに長期保存が可能です。大根は水分が多いので、いちょう切りや輪切りで冷凍する場合は表面の水分を拭いてから保存するといいでしょう。
冷凍したら食感はどうなる?
大根は水分の多い野菜のため、冷凍し解答すると、どうしてもブヨブヨして柔らかくなります。食感が気になる場合は、大根おろしにして食べたり、煮物にすれば、そこまで気にならず味もしみこんで美味しく食べられます。
大根の適切な保存方法④干して保存する
家庭菜園で思った以上の収穫があって、消費がしにくい場合は、大根を干してみましょう。大根を干して水分を抜くことで、腐りにくくなり保存食として日持ちします。大根は太陽に当ててで干すことで、カルシウムが15倍、鉄分は23倍になるなど、普通に食べるよりも栄養価が増すことでも知られます。
切り干し大根にする
大根を細かく切って、ザルや乾燥ネットでカラカラになるまで干します。そうすると、あっという間に切り干し大根の出来上がり。保存状況が良ければ作ってから1ヶ月~6ヶ月ほど持つといわれています。切り干し大根は、吸湿しやすいため湿度の高い梅雨時期などはフリーザーバッグに切り干し大根を入れ、しっかり空気を抜いて冷蔵庫で保管するとカビる事もなく安心です。
たくあんにする
大根をそのまま外に吊るし、数日放置した後、ぬかに漬けてたくあんを作ると日持ちします。たくあんはそのまま冷凍もできるので、冷凍した場合は1ヶ月~半年ほど日持ちします。日持ちの期間は、使う塩分量によっても変わります。
大根の適切な保存方法
- 葉がついていたら切り落とす
- 大根の保存環境に適した温度は0~5度
- 冷蔵庫、常温保存どちらも立てて保存する
- 冷凍する場合は切り分け、表面の水分を拭く
- 干して保存をすると栄養価がアップする
まとめ
季節を問わず手に入る身近な野菜である大根。生では大根おろしやサラダ、煮込めば煮物や鍋、おでんなど、親しみやすい野菜だからこそ、適切な保存方法で管理し傷まないまま、美味しく食べたいですね。保存方法も、調理の用途によって使い分けると便利なので、ぜひ実践してみましょう。