「海草」と「海藻」は違うもの?違い・見分け方をわかりやすく解説!

「海草」と「海藻」は違うもの?違い・見分け方をわかりやすく解説!

ワカメや昆布で知られている「カイソウ」ですが、漢字表記の「海草」と「海藻」の違いを考えたことのある人は意外に少ないかもしれません。この記事では「海草」と「海藻」にはそもそも違いがあるのか、それとも同じものなのか、概要や特徴を踏まえて解説していきます。

記事の目次

  1. 1.カイソウには「海草」と「海藻」2種類の漢字がある!
  2. 2.「海草」と「海藻」は違うもの?
  3. 3.「海草」と「海藻」の見分け方
  4. 4.「海草」と「海藻」の言葉の使い分け
  5. 5.「海草」と「海藻」の共通点
  6. 6.「海草」も「海藻」もどちらも大切な海の資源!

「海草」と「海藻」の言葉の使い分け

Photo bypixel2013

カイソウという言葉は普段何気なく使われていますが、「海草」と「海藻」を正しく使い分けられているかどうかは怪しいところです。ふたつの違いを理解すると、正しい使い分けの仕方が見えてきます。日本語を正しく使うためにも、使い分けをぜひ覚えておきましょう。

ボタ爺

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「海草」はカイソウと読むんじゃが、海藻との区別をつけるために「ウミクサ」と呼ばれることもあるぞ!

①「カイソウ」サラダ

出典:写真AC

カイソウサラダには「海藻」の漢字を使うのが正解です。ワカメや昆布などの食用として親しまれているカイソウは、藻類である「海藻」に分類されるからです。海由来の植物全体を指す言葉として「海草」が使われることもあり、その場合は「海草サラダ」と表記しても間違いではありませんが、基本的には「海藻サラダ」と表記するのが正しいといえます。

②「カイソウ」を採りに行く

カイソウを採りに行くと表現する場合、どちらの漢字を使っても間違いではありませんが、意味合いが違ってくるため注意が必要です。「海藻を採りに行く」というと、「ワカメや昆布などを採りに行くんだな」と解釈されます。「海草を採りに行く」というと、日本に生息する海草の多くは絶滅危惧種に指定されているため、問題になる可能性があるので気をつけましょう。

「海草」と「海藻」の共通点

Photo byMarlyneArt

それぞれ異なる生物である海草と海藻には違いもたくさんありますが、実は魅力たっぷりな共通点も豊富です。その共通点は主に「役割」にあります。船に絡まったり海岸に打ち上げられていたり、邪魔者扱いされることも多いカイソウですが、役割を知るとまた見え方が変わってきます。

①海中の生き物の住処

海草も海藻も、どちらも海中の生き物の住処として大切な存在です。海草や海藻が群生している場所を「海草藻場(かいそうもば)」と呼び、カイソウ自体やそれに付着する微生物がエサとなり、多くの魚が集まってきます。海草藻場は英語で「Seaweed Bed(海草のベッド)」とも呼ばれるように、海中の魚類や甲殻類の産卵場所や隠れ家として活躍します。

②光合成によって酸素を作り出す

カイソウは光合成をして酸素を作り出します。光合成は地上植物によって行われているイメージが強いですが、実は太陽光が届く海面70~80mあたりまでに生息しているカイソウやプランクトンによって、地球の2/3の酸素が作り出されているのです。酸素は生物の呼吸に使われるだけでなく、海洋生物のエネルギーの源である有機質を作り出すのにも役立ちます。

③水質を改善する

海草も海藻も水質改善に役立っています。カイソウが作り出す酸素は、水のろ過能力を高めます。光合成する過程でリンや窒素などの栄養塩を吸収し、海中内を高栄養状態から守る働きを持っており、赤潮対策などにも効果的です。特に注目すべきはアカモクと呼ばれる海藻で、藻場1㎢あたり約5万人分の生活排水を浄化してくれることが確認されています。

④海底の砂の安定化

カイソウが持つ「根」には、海底の砂を安定化させる働きがあります。カイソウは砂泥場や岩場に根を張り巡らせ生息しているため、海水や波によって砂や泥を巻き上げたり岩を削ったりするのを防ぎます。特に海底での働きは大きく、砂や泥の動きを抑えることによって偏りや減少を防ぎ、海中環境を整えるわけです。

「海草」も「海藻」もどちらも大切な海の資源!

出典:写真AC

種子植物である「海草」と藻類である「海藻」には、それぞれたくさんの違いがあります。何気なく口にしていたワカメや昆布、海岸に打ち上げられているカイソウ類、違いや見分け方を知っておくと楽しみ方も変わってきます。大切なのが、どちらも大切な海の資源であることです。海藻はおいしく食べ、海草はむやみに採らないように、大事にしていきたいですね。

Anna
ライター

Anna

大きなお庭のある暮らしに憧れながら、バルコニーでひっそりガーデニングを楽しんでいます。

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