「プリムラ」はどんな花?
英語ではプリムローズとも呼ばれるプリムラ。その名前の由来は、「最初」という意味を持つラテン語の「primus」です。春、どの植物よりも早く、鮮やかな花を真っ先に咲かせるプリムラの様子を表しています。花色も白、紫、ピンク、青、黄色と豊富です。プランターの鉢植えや寄せ植えとしても、とても親しみやすい花です。
プリムラの基本情報
基本情報
科学属名 | サクラソウ科サクラソウ属(プリムラ属) |
分類・形態 | 多年草、非耐寒性、草本 |
原産地 | ヨーロッパからアジアの広範囲 |
草丈 | 5cm~20cm |
開花期 | 11月~4月 |
花色 | ピンク、紫、赤、オレンジ、白、青、褐色、黄色 |
生育適温 | 15°c~20°c |
特徴 | 高温多湿に弱く1年草の扱いになる |
特性・用途 | 常緑性・開花期が長い |
植えつけ期 | 苗(9月) |
プリムラの種類
プリムラは古くから品種改良されており、現存する花弁の形も一重、八重、フリル咲と多種多様です。ただし、花びらが5枚なのは全種共通しています。その中でも、草姿により以下の3つのタイプに分けられます。
ポリアンサタイプ | |
特徴 | 太く長い茎の先にたくさんの花をつける |
主な品種 | シネンシス、ポリアンサ、オブコニカ |
アコーリスタイプ | |
特徴 | 横へ広がる株の上に短い茎をたくさん這わせ、茎の先端に一輪ずつ花を付ける |
主な品種 | ジュリアン |
段差タイプ | |
特徴 | 太い茎に段差ごとに花をつける |
主な品種 | マラコイデス |
プリムラの花言葉:花全体
プリムラは、まだ春にならない厳しい冬の間に、美しく鮮やかな花をつける植物です。そのようすから「青春」や「恋」が連想され、「青春の始まりと悲しみ」「青春の恋」「青春のはじめ」といった花言葉がつけられています。
そのほかにも以下のような花言葉があります。
- 可憐
- うぬぼれ
- 神秘な心
- 運命を開く
- あなた無しにはいきていけない
プリムラの花言葉:色別(2色)
プリムラには色別の花言葉も存在します。ここでは代表的な赤と紫の花言葉を紹介しますので、花束選びなどの参考にしてくださいね。
プリムラの色別の花言葉(赤)
赤いプリムラの花言葉は「後援の無い功績」です。冬の寒さが残る時期に鮮やかに花開くプリムラですが、夏を待たずに花のシーズンを終えてしまう生育から、このような花言葉になりました。ほかにも「美の秘密」という花言葉があります。
プリムラの色別の花言葉(紫)
紫色は昔から「高貴な色」とされていました。その色合いには、鎮静や癒しの効果があるとされています。そんな紫色のプリムラの花言葉は「信頼」です。花言葉にちなんで友人へ鉢植えを送れば、相手への信頼を示せるかもしれませんね。
プリムラの花言葉:種類別(5種)
5種類のプリムラにもそれぞれの花言葉があります。それぞれの特徴とともに、種類ごとにご紹介しましょう。
①プリムラ・ジュリアン
コーカサス原種の「ジュリエ」に、「ポリアンサ」を交配させて出来た品種が「ジュリアン」です。ポリアンサより草丈も低くコンパクトですが、細い茎が何本も延び、先に一つずつ花をつけます。次々にたくさんの花がつくので長く楽しめ、プランター植えのほか寄せ植えとしても人気があります。カラーバリエーションも豊富です。
プリムラ・ジュリアンの花言葉
プリムラ・ジュリアンには以下の花言葉があります。
- 青春の喜びと悲しみ
- 永続する愛情
- 若き日の躍動と輝き
- 快活
- 運命を開く
これらは、草丈の低いジュリアンが沢山の花を咲かせ続ける様子に由来しています。寒さに負けずに元気よく咲く、力強いジュリアンの姿が連想される花言葉ですね。
②プリムラ・ポリアンサ
「ポリアンサ」はジュリアンの交配前の品種ですから、見た目はよく似ていますが、花や葉がジュリアンより一回り大きいのが特徴です。花びらにも厚さがあり、また形も一重、八重、フリル咲と多様です。花びらが大きくしっかりしているため、花もちがよいのが魅力です。
プリムラ・ポリアンサの花言葉
プリムラ・ポランサの花言葉は「富の誇り」です。花もちがよく沢山の花をつけることから、「富」が連想されたと言われています。その花言葉どおり、花の色もピンクに紫、白、赤、黄色とバラエティーに「富んで」います。またこれ以外にも「無言の愛」という花言葉もあります。
③プリムラ・マラコイデス
マラコイデスはプリムラの中でも耐寒性があります。開花時期は冬から春にかけてで、暑さと湿度に弱いため夏を乗り切る事ができません。その代わり種がとれるので、また種撒きからはじめる楽しみがあります。ほかのプリムラは多年草の扱いですが、こうした理由からマラコイデスは、日本では一年草として扱われています。
プリムラ・マラコイデスの花言葉
プリムラやジュリアンよりサイズが小さく、控えめな色の花を無数につけるマラコイデス。そんなマラコイデスにつけられた花言葉は、「素朴」「気取らない愛」です。どちらも自然で目立ち過ぎない、マラコイデスの姿そのままですね。
④プリムラ・シネンシス
葉の裏側が銅色になるのが特徴のシネンシスの原産地は中国です。花は白色がステラタ系、赤オレンジ青紫がフィンビリアタ系と呼ばれています。この品種は半日蔭でもよく育ちますが加湿に弱いので、夏の間は雨を避け北側で栽培します。ステラタ系は-2℃まで耐えられます。花からこぼれた種で根本に子株ができたら、別の鉢に移してやる事で株を増やせます。
プリムラ・シネンシスの花言葉
プリムラ・シネンシスの花言葉は「永遠の愛情」。ほかのプリムラに比べ、夏にも冬にも強いことに由来します。シネンシスは種を取ることもできるので、「永遠」の言葉通り、その愛らしい姿を長く楽しむことができるでしょう。
⑤プリムラ・オブコニカと花言葉
プリムラ・オブコニカは発色が美しく、長く花を楽しめる品種です。以前はこれに含まれるプリミンという物質が、かぶれの原因になる事がありました。しかし、近年はプリミンを含まない品種もあらわれたため、より育てやすくなったオブコニカの愛好家が増えています。
プリムラ・オブコニカの花言葉
プリムラ・オブコニカの花言葉には青春を連想させるものが多いのが特徴です。
- 初恋
- しとやかな人
- 青春の美しさ
鮮やかな発色と、長い期間花が楽しめる様子に絡んだ花言葉になっています。縁取りの美しいオブコニカが殺風景な冬の花壇で花開けば、そのしとやかな美しさがよりいっそう際立つことでしょう。
プリムラの花言葉まとめ
品種改良を繰り返し、どんどん新しい品種も増えているプリムラ。最近ではイタリア語で「美しい」を意味する”ベラ”と、”バレリーナ”を掛け合わせた名を冠する、プリムラ・ベラリーナもあらわれました。耐暑性や耐寒性にすぐれた、庭植えにピッタリの品種です。花言葉にちなんだプリムラの苗と一緒にプレゼントしてみてはいかがでしょうか。
プリムラ・ジュリアン