鹿沼土を用いた栽培例<多肉植物>
鹿沼土は排水性・通気性に優れているので、多肉植物には相性のよい用土です。鹿沼土単体で使えないわけではありませんが保肥力が弱いので、大きく育てるには、ほかの用土と混ぜ合わせて使用します。肥料は、ごく少なめかほとんど与えなくても多肉植物は育ちます。大きく育てたい場合や生育が悪いときに、液体肥料を薄めて少量与えてください。
土の配合例
配合の目安
鹿沼土(小粒~細粒)3、赤玉土(小粒~細粒)2、ピートモス2、くん炭2、バーミキュライト(または川砂)1、程度で混ぜ合わせましょう。割合は目安です。くん炭は根腐れの予防なので入れなくてもかまいません。つい頻繁に水やりをしてしまいそうな人は鹿沼土を多めに、それほど手間をかけたくない場合はほかの用土を多めに混ぜるとよいでしょう。
便利な多肉植物用の培養土を使う場合も、鉢底あたりに鹿沼土を混ぜると排水性がよくなるよ!
葉挿し・挿し木
鹿沼土の小粒や細粒は、挿し木や葉挿し、カット苗の根だしに適しています。ほかの土を配合せず鹿沼土だけでも根や芽が出ます。葉挿しは、葉の切り口を乾かしてから鹿沼土(小粒~細粒)の上に置きましょう。肉厚の葉は、根が出るまで水やりしなくても大丈夫です。カット苗も同様です。
鹿沼土のみで多肉植物は育てられる?
鹿沼土だけでも栽培可能
ほかの用土を配合せずに、多肉植物を鹿沼土だけで育てることも可能です。ただし、保肥力が弱いためそれほど大きくなりません。同じサイズを維持したい寄せ植えなどに向いています。鹿沼土のみで育てる場合、どう育てたいかによってメリットにもデメリットにもなります。
多肉農家の「リエール」さんが、多肉が鹿沼土だけでも問題なく育つことを実証してるね!
鹿沼土のみで育てるメリット
多肉植物の多くは肥料をあまり必要としないため、保肥力の弱い鹿沼土だけで育てることも可能です。大きくなりにくいぶん徒長せず、コンパクトに育ちます。鹿沼土は、水分量が土の色の変化でわかりやすいので、水やりのタイミングがつかみやすいのもメリットです。また水はけや通気性がよく、ほぼ無機質で雑菌があまり繁殖しないので根腐れしにくいでしょう。
鹿沼土のみで育てるデメリット
鹿沼土だけの場合、成長が緩やかでそれほど大きく育ちません。種類によっては根が張るのにも時間がかかります。また、水はけがよいので水を好むセダムなどは、放置してると水切れを起こすことがあります。特に素焼き鉢で育てる場合は、ほかの鉢と比較すると乾きやすいです。
鹿沼土のみで育てる注意点
- 根を張りやすくするためには細粒を使うとよい
- 素焼き鉢で育てる場合は水切れに気をつける
鹿沼土を用いた多肉植物の水やり
多肉の生育タイプごとに
多肉植物は、生育タイプによって季節ごとの水やりの頻度が異なります。春秋に生育旺盛になる春秋型は夏の生育は穏やかで冬は休眠、夏型は春秋の生育は穏やかで冬は休眠、冬型は春秋の生育は穏やかで夏に休眠します。生育期には表面が乾いてから2日後くらいに、鉢底から流れ出るほどたっぷり与えましょう。生育が緩慢になる季節は水やり頻度を控えめにし、休眠期は与えなくてほどんど大丈夫です。
春秋型 | セダム、エケベリア、センぺルビウム、ハオルチアなど |
夏型 | カランコエ、アロエ、パキフィツム、ユーフォルビア、アガベなど |
冬型 | コノフィツム、冬型のクラッスラ、アエオニウムなど |
鹿沼土のみの場合の水やり
鹿沼土は水を含むと黄色くなり、乾くと白っぽくなるので水やりのタイミングがわかりやすいメリットがあります。水はけのよい鹿沼土だけで育てるときは、セダムや水を好むクラッスラ系などは、土の表面が乾いた翌日に水やりしたほうがよいでしょう。また、素焼き鉢で育てる場合は鉢の表面からも水分が蒸発しやすいため、思いのほか頻繁に水やりが必要になる可能性があります。
適した土で育てよう
鹿沼土は、赤玉土と比較するとポピュラーではないかもしれませんが、100円ショップでも手に入り市販の花・植物用の培養土に配合されていることもあります。鹿沼土の特徴をおさえて、多肉やさまざまな植物栽培に役立てましょう。
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出典:写真AC