芝生にコケが生えない管理方法
芝生の好む土壌環境は日当たりや水はけ、風通しがよく肥料が土壌にきちんとしみこむような、ある程度やわらかい土です。一方でコケの好きな土壌は日当たりが適度にあり土がかたく、水分がいつまでもとどまって湿度が高くやせた土です。正反対の土壌を好む芝生とコケを、上手に管理するにはどうしたらよいか見ていきましょう。
管理方法①水はけを改善する
地表の水はけをよくする方法
芝生を植えてある土地の水はけがよくない場合は、四隅に溝を掘って排水路を作ります。芝生がでこぼこしていると、雨が降ったときに水たまりができます。いつまでも水が残る場所には、目土や目砂をして平らにするのがおすすめです。芝生に傾斜をつけるのも、水はけをよくする方法です。どうしても水がたまる場所は、土から改善したほうがよいでしょう。
地下の排水をよくする方法
- どうしても水がたまる場所の芝生を、1cm~2cmの厚みではがす
- 水はけの悪い土壌を掘り起こし、砂利、粗めの砂、排水性の高い土壌をしきつめる
- その上に先ほどはがした芝生を植える
- 上から目土や目砂をして周囲との高さを整える
- 根が育つまで乾燥させず、しっかり水やりをする
- 根がついたら、水やりはしすぎない
ボタニ子
管理方法②日当たりを確保する
芝生は日差しをあびて光合成をしつつ、成長します。一方でコケもある程度の日差しは好むようです。日当たりがよくない場所では芝生の成長が遅く、あまりにも影になっていると枯れることもあります。芝生の上に置いてあるもので、移動が可能なものは物置や納戸にしまい影ができないようにしましょう。
管理方法③風通しをよくする
日差し対策とも共通しますが、風通しをよくするのがよい芝生を作る条件です。芝生の上に大きく影を落とす木や下草は、伐採します。風通しと日当たりがよくなり、湿度がたまらなくなるためコケの繁殖を阻止できます。どうしても日陰ができてしまう場合はその一角だけ、比較的耐陰性の高い西洋芝に植え替えるという手段も有効です。ベントグラスやファインフェスクなどがよいでしょう。
管理方法④芝生を密集させる
芝生を密集させることで、コケの発生を予防できます。芝生が密集していると葉は光合成で成長できますが、根元の部分には日光が届かなくなります。コケはある程度の日当たりを好むため、繁殖を予防できるでしょう。芝生を植えて数年たつと、すきまができる場合もあります。その際はその場所に新しく芝生を植えたり、種をまいて育てたりしてください。
管理方法⑤栄養豊富な土壌を保つ
芝生には夏に成長して冬に枯れるタイプと、冬も緑のままのタイプがあります。前者には3月~11月の隔月に肥料を与えます。後者にはその期間、毎月追肥してください。芝生は肥料によって元気で丈夫に育ちますが、コケは枯れた土地が好みです。肥料過多になり繁殖が難しくなります。芝生によって肥料の種類が異なるため、芝生にあったものを選びましょう。
管理方法⑥サッチングやエアレーションは定期的に行う
水はけや風通しをよくしても、芝生を密集させてもコケは生命力が強く繁殖します。芝生を健康に育てるためには、こまめなサッチングや定期的なエアレーションが必要です。芝刈りしたあとはきちんと熊手でサッチングし、芝生の間にサッチが残らないよう清潔にしましょう。芝生の上で遊んだり、くつろいだりするといつの間にか土壌を踏み固めてしまいます。適度にエアレーションをしてください。
エアレーションに向いている時期は
- エアレーションをする時期は温暖な土地では、芝生が成長する梅雨明け~初夏がおすすめ
- 寒冷地では、春と秋に行うのがよい
芝生のコケを除去して快適にグリーンを楽しもう
青々と広がる芝生は、家の中から見ても涼しげで気持ちのよいものです。芝生は植えた最初の数年はよくても、植えっぱなしではなく意外に世話に手間がかかります。専門の用具も必要です。しかし、芝生の世話をするのもガーデナーの楽しみの一つです。スカスカになってコケの生えた芝生も、世話のしかたで復活します。きれいなグリーンを楽しみましょう。
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ふだんからあまり水やりしすぎるのも、コケが繁殖する原因になるわ。土が乾いたのを確認してからにしましょう。