人気が高いコケや珍しいコケの種類(5種)
人気が高いコケ、珍しいコケにはどんな種類があるのでしょうか。見た目が美しいものや、ビロードのような手触りのものが人気です。普段、庭や道端では見ることはありませんが、苔テラリウムなどの苔作品の世界ではよく使われているので、見分け方の紹介などを目にすることも多くなってきました。
人気が高いコケ①ホソバオキナゴケ
シラガゴケ科の蘚類です。乾燥にも強い苔で、縮みが少なく形状が変化しにくい特徴があります。盆栽や日本庭園、苔テラリウムなどのグッズにもよく使われます。ビロードのようにキラキラ輝く銀色の葉先を持つ美しい苔です。人気が高い、一番売れるコケではないでしょうか。繁殖力が高いのも、園芸によく使われる理由です。
人気が高いコケ②コウヤノマンネングサ
コウヤノマンネングサ科の蘚類です。直立した茎を持つ大型の蘚類。樹木の幼苗のような、珍しい姿です。山地の日陰の場所に生育する苔です。コウヤノマンネングサの名前の由来は、かつて高野山巡礼で、お守り代わりに売られていたことからその名が付けられました。立ち上がった茎とふさふさした葉が美しく、苔テラリウムの背景に、背の高いものが欲しいときに重宝します。ぜひ活用したい苔の一つです。
人気が高いコケ③ヒノキゴケ
ヒノキゴケ科の蘚類です。こちらも苔テラリウムなどの作品作りに欠かせない苔のひとつ。丸みのある苔姿と柔らかな葉の雰囲気が人気です。名前の由来は、針葉樹の葉のようにみえるところから。同じ針葉樹の名前がつくスギゴケより、ずっときめ細やかなビロードのような葉で美しいです。湿度の高い山地の日陰になる場所を好みます。乾燥すると内側に巻いてきます。
人気が高いコケ④タマゴケ
タマゴケ科の蘚類です。春になると、かわいらしい丸い茶色の朔(胞子の入った袋)をたくさん立ちあげます。そこからタマゴケの名前がつきました。湿度の安定した日陰の場所でよく見られます。乾くと縮れますが、湿気を帯びている時は黄緑色のビロードのようにこんもりしているので人気の品種です。
人気が高いコケ⑤ハイゴケ
ハイゴケ科の蘚類。苔がブームになる以前より、園芸店で盆栽用にパック詰めになっていて、よく売れる苔といえばこのハイゴケでしょう。ふかふかのマット状でビロードのような肌触りです。苔玉作りには欠かせない素材で、初心者にも扱いやすい苔です。日当たりのよい場所でも良く見られます。乾燥に強いので都市部の庭に置いてもよく育ちます。
苔の図鑑おすすめ(3選)
ボタニ子
どの図鑑も初心者向けに分かりやすく書かれていますね。表紙もかわいいので手に取りやすいわ!
①『知りたい会いたい特徴がよく分かるコケ図鑑』藤井久子著
若手研究家の中でもトップクラス、藤井久子著『知りたい会いたい 特徴がよく分かる コケ図鑑』家の光協会出版です。このコケ図鑑は大きな写真とともに苔の成育場所、分布、サイズなどの特徴を詳しく説明しています。ページ下部にさりげなく書かれている苔のひとくちメモも読んでいて楽しめます。情報がぎっしり詰まった、筆者おすすめの苔の図鑑です。
②『部屋で楽しむ 小さな苔の森』石河英作著
新聞、雑誌、TVなどのメディアでも活躍中の苔テラリウム専門店「道草」の石河英作著『部屋で楽しむ 小さな苔の森』2018年 家の光協会出版。こちらも筆者おすすめの苔の入門書です。ワークショップや苔の観察会で精力的に活動する石河氏の撮影する苔の写真は、屋内でも屋外でもスタイリッシュで美しいと好評です。苔の育て方やアレンジ法など、初心者に向けてとても分かりやすく書かれています。
③『じっくり観察 特徴が分かる コケ図鑑』大石善隆著
福井県立大学の准教授、大石善隆著『じっくり観察 特徴が分かる コケ図鑑』2019年ナツメ社出版。なんと、取り扱う苔の種類は506種。特徴や見分け方などが分かりやすく書かれています。顕微鏡で見た写真も掲載されています。苔のイラストがかわいい装丁なので、手に取りたくなる一冊です。
まとめ
いまブームになっている苔の種類や、おすすめの図鑑について、3ページに渡ってご紹介いたしました。まだマニアックな世界かもしれませんが、雑誌やTVなどのメディアでも取り上げられるようになり、少しずつファンを増やしています。興味がわいたら苔テラリウムのワークショップやコケ観察会に参加してみてくださいね。コケ仲間もでき、新しい世界が広がりますよ。
学名:Leucobryum juniperoideum(レウコブリウム・ユニプロイデウム)