レモンバーベナの育て方!長い期間で収穫を楽しむための管理のコツ | 植物図鑑

レモンバーベナの葉
レモンバーベナの花
ドライレモンバーベナ
学名Aloysia citrodora
和名香水木(こうすいぼく)・防臭木(ぼうしゅうぼく)
別名ベルベーヌ
英名‎Lemon verbena
科・属名クマツヅラ科・イワダレソウ属
原産地アルゼンチン・チリ・ペルー
花言葉神聖、広い心、忍耐、寛大

レモンバーベナの概要

Photo by tgrauros

基本情報

園芸部類 ハーブ
形態 低木
樹高・草丈 1m~3m
花の色
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い
特性・用途 ハーブティー・薬用
栽培難易度 ★★☆☆☆

特徴

出典:写真AC

レモンバーベナは、葉からレモンの香りが漂う落葉低木です。原産地では3mほどまで大きくなりますが、日本で出回っているレモンバーベナは1m~2mのものがほとんどです。葉はきれいなライムグリーンで、比較的丈夫な植物であることから、ガーデニングや観葉植物として人気があります。葉はハーブティーとしても使われています。

レモンバーベナってどんなハーブ?特徴・効能や使い方をご紹介!のイメージ
レモンバーベナってどんなハーブ?特徴・効能や使い方をご紹介!
みなさんは「レモンバーベナ」というハーブをご存知ですか?レモンバーベナはフレッシュな香りがとても爽やかで、香水の香料にも使われている人気の高いハーブです。今回はレモンバーベナの特徴や、からだへの効能・効果、使い方や育て方などをご紹介します。

レモンバーベナの育て方①時期

出典:写真AC

植え付けから開花までの時期

植え付け時期 5月~6月
植え替え時期 4月~6月
収穫時期 5月~11月
剪定(摘心)の時期 5月~7月
開花時期 6月~8月

栽培スケジュールカレンダー

時期1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月
植え付け
植え替え
肥料
剪定
開花時期
収穫
休眠期

栽培適期は?

レモンバーベナは寒さが苦手で暑さに強いため、温暖な環境下でよく育ちます。成長期の夏に向けて、植え付けは5月~6月に済ませましょう。寒くなってくると、葉が落葉し休眠状態に入ります。葉の収穫は5月~11月まで長い期間楽しめます。

レモンバーベナの育て方②栽培環境

Photo by briannaorg

栽培方法

レモンバーベナは鉢植えでも地植えでもよく育ちます。根がしっかり張ってしまえば地植えでも冬越しできますが、幼苗は根の張りがまだ弱いため、ある程度大きくなるまでの数年間は鉢植えで育てることをおすすめします。

育てる場所

レモンバーベナは、もともと温暖な地域に自生しているため、日当たりと風通しのよい場所で管理しましょう。鉢植えの場合は大きく成長していたとしても、寒さで枯れないために、冬場は室内に移動させましょう。地植えしたい場合でも、少なくとも栽培を始めて1年目の冬は苗がまだ弱いため、鉢植えにして室内で管理したほうが安心です。

用土

レモンバーベナは水はけのよい、中性~アルカリ性の用土を好みます。土が酸性に傾かないためにも、地植えの場合は植え付けの2週間前に苦土石灰を混ぜおきましょう。鉢植えの場合は、市販のハーブ用培養土で十分です。自作する場合は、赤玉土7:腐葉土3で配合し、苦土石灰を混ぜて準備してください。

苦土石灰とは?肥料としての成分・効果・使い方をわかりやすく解説!のイメージ
苦土石灰とは?肥料としての成分・効果・使い方をわかりやすく解説!
苦土石灰(読み方は「くどせっかい」です)は、pHコントロールや土壌改良だけでなくミネラル補給もできる、優秀な園芸肥料です。見た目の印象から化成肥料と間違われることも多い、自然由来の苦土石灰の成分や効果、さらに使い方までわかりやすく解説していきます。
腐葉土の作り方!畑作りにも利用できるふかふかの土を作る方法を解説のイメージ
腐葉土の作り方!畑作りにも利用できるふかふかの土を作る方法を解説
腐葉土を使って野菜を育ててみようと、有機無農薬栽培に挑戦する方もおられるでしょう。しかし、腐葉土の作り方は簡単ではないと悩んでいませんか?作り方のポイントを押さえて気長に待つ心があれば大丈夫です。ふかふかの腐葉土を作って、おいしい野菜を育ててみましょう。

レモンバーベナの育て方③管理のポイント

出典:写真AC

水やり

レモンバーベナは乾燥を好みます。地植えの場合は、植え付け時以外は基本的に水やりの必要はありません。鉢植えの場合は、土表面が乾ききってから水やりしてください。ただし、水切れを起こすと、葉が茶色くなり夏でも落葉することがあるため注意しましょう。冬場は葉がないため、ほかの時期よりも乾燥気味に育ててください。

ボタニ子

ボタニ子

葉の裏側に霧吹きで水をかけておくと、ハダニ予防になるよ!

肥料

レモンバーベナは生育期に肥料不足を起こすと、花や葉の付き方が悪くなります。植え付けの5月には元肥として腐葉土や化成肥料を、花後の8~9月には緩効性肥料や発酵油粕などを与えましょう。

「化成肥料」とは?「化学肥料」とは何が違う?意味や定義をご紹介!のイメージ
「化成肥料」とは?「化学肥料」とは何が違う?意味や定義をご紹介!
肥料は土作りのため、また植物が元気に大きく育つよう与えます。一口に肥料と言っても有機肥料、無機肥料、化学肥料、化成肥料など様々な「〇〇肥料」という言葉を聞くことがありますね。その中で今回は化学肥料と化成肥料を取り上げ、特徴と違い、使い方について説明します。
緩効性肥料とは?肥料の種類・特徴や使い方、おすすめ商品も4つ紹介!のイメージ
緩効性肥料とは?肥料の種類・特徴や使い方、おすすめ商品も4つ紹介!
肥料は、大きく「速効性肥料」と「緩効性肥料(遅効性肥料)」に分けられます。緩効性肥料は、時間をかけて効果を発揮していく肥料で、園芸には欠かせません。この記事では、緩効性肥料の特徴やおすすめの商品を紹介します。適切な使い方を実践して、植物を元気に育てましょう。
油粕(油かす)ってどんな肥料?成分・効果と正しい使い方をご紹介!のイメージ
油粕(油かす)ってどんな肥料?成分・効果と正しい使い方をご紹介!
有機肥料の代表といわれる油粕ですが、使い方を間違うと思わぬトラブルが起きてしまうこともあります。油粕は様々な商品がありどれを選んだらよいかわからない方も多いのではないでしょうか?肥料としての正しい使い方と注意点、植物への効果的な与え方をまとめました。

害虫対策

レモンバーベナにつきやすい代表的な害虫は、アブラムシ、ハダニ、イモムシ、ケムシです。アブラムシやハダニはすぐに増えるため、見つけ次第すぐに取り除いてください。イモムシやケムシは葉を食害します。こまめに観察し、見つけたらすぐに捕殺しましょう。

アブラムシの退治・予防対策!花や野菜から駆除するための方法を紹介!のイメージ
アブラムシの退治・予防対策!花や野菜から駆除するための方法を紹介!
アブラムシは花や野菜などの植物に寄生する害虫で、ウイルス病を媒介するので、植物へさまざまな被害をあたえます。また、アブラムシは種類の多い害虫でもあります。この記事では、そんなアブラムシの予防対策と、アブラムシを退治・撃退するための方法を紹介します。
ハダニとは?その生態や発生原因から被害症状や駆除方法まで解説!のイメージ
ハダニとは?その生態や発生原因から被害症状や駆除方法まで解説!
葉や果実に寄生して外観を損ねるどころか、株自体を弱らせてしまう赤い強敵、ハダニ。繁殖力も強く、いつの間にか駆除し切れないほど増えてしまうこともあります。そんなハダニの生態や発生原因、駆除の方法、被害や症状、対策などについてご説明します。

病気対策

レモンバーベナは病気に強いため、病気対策は特にありません。

花後の管理

レモンバーベナは乾燥を好み、多湿状態を嫌います。枯れた花をそのままにしておくと、水やりや雨で水に濡れて多湿状態になり、最悪の場合は全体的に枯れてしまいます。花後は枯れたらすぐにこまめに摘み取りましょう。

レモンバーベナの育て方④詳しい栽培方法

苗の選び方

レモンバーベナの苗は、株元が太くしっかりしていて全体的に大きいものが丈夫で育てやすいです。健康な葉がたくさんついているものを選びましょう。

植え替え

レモンバーベナは成長がとても早い植物です。根詰まりしやすい性質を持つため、少なくても1~2年に1回は植え替えましょう。植え替える際は、一回り大きい鉢を選んでください。植え替えの最適期は、暑くなる前の4月~6月です。

剪定

レモンバーベナは暖かくなるとグングン成長します。放っておくと葉や枝が混み合い全体に栄養が行き渡らなくなるため、適度な剪定が必要です。伸びた枝の先や重なりあう葉は、こまめに切りましょう。剪定の適期は成長期の5月~7月です。

摘芯とは?園芸での意味・方法を簡潔に解説!切り戻しや剪定との違いは?のイメージ
摘芯とは?園芸での意味・方法を簡潔に解説!切り戻しや剪定との違いは?
園芸初心者の方向けに、「摘芯(ピンチ/芯止め)」の意味と方法を紹介します。また、摘芯と似ている「切り戻し」、「剪定」との違いもそれぞれ写真付きでまとめています。摘芯をするのが初めての方にもやりやすい、おすすめな植物も紹介します。

摘心

レモンバーベナの葉は、5月~11月までの長い期間収穫を楽しめます。若い苗のうちに摘心することで、さらに収穫量を増やせます。枝の先端から2節目のところを切りましょう。あまり苗が小さいときにすると株が弱る危険性があるため、摘心は背丈が20cm以上になってから剪定してください。

摘心(摘芯)とは?その意味や役割を解説!芯止め・ピンチとの違いは?のイメージ
摘心(摘芯)とは?その意味や役割を解説!芯止め・ピンチとの違いは?
摘心(摘芯)とは新芽を摘み取ることです。せっかく出てきた新芽を摘み取ることはかわいそうな気もしますが、植物を元気に育てるための方法として摘心(摘芯)はとても重要な役割があります。ここではなぜ摘心が植物の成長に良いのか、摘心の意味や役割を解説します。

夏越し

レモンバーベナは暑さには強いですが、高温多湿状態は苦手です。こまめな剪定をして、蒸れにくい環境作りに努めましょう。風通しのよい場所で管理すると、多湿状態を回避しやすいです。

冬越し

レモンバーベナは寒さが苦手なため、冬場は室内での管理をおすすめします。根がしっかりと張っていれば、地植えでも問題なく冬越しできますが、根の張りが弱いときは注意が必要です。寒さや冷え対策として、株元をバークチップや落ち葉、藁などでマルチングしてください。

バークチップとは?用途やメリットをご紹介!ウッドチップとは違う?のイメージ
バークチップとは?用途やメリットをご紹介!ウッドチップとは違う?
「バークチップ」をネット検索すると、驚くほど膨大な商品や情報が、ずらっと出てきます。この記事では、ガーデニングで役立つバークチップの情報を、意味や役割その効果から使い方まで、わかりやすくお伝えしていきます。合わせて、ウッドチップとの違いもご紹介します。
マルチングとは?栽培における役割・効果から具体的なやり方まで解説!のイメージ
マルチングとは?栽培における役割・効果から具体的なやり方まで解説!
マルチングは農業や家庭栽培など、作物の栽培に便利な資材です。マルチングの素材によって使い方や効果が違うため、種類によっては寄せ植えや鉢植え、観葉植物などにも使えます。そこでマルチングの栽培における役割や効果、さらに具体的なマルチングのやり方まで解説します。

増やし方

レモンバーベナの増やし方は挿し木が簡単です。挿し木の最適期は5月~7月です。枝の先端部分を10cm~15cm切り取り、葉は2~3枚残して切り落として挿し穂を作ります。1時間ほど水に浸けて水揚げしたら、赤玉土などの清潔な土に挿しましょう。乾燥しないように水やりしながら、明るい日陰で管理してください。
 

挿し芽(挿し木)とは?発根させるコツや挿し芽すべき植物をご紹介!のイメージ
挿し芽(挿し木)とは?発根させるコツや挿し芽すべき植物をご紹介!
植物を増やす方法の一つに挿し芽(挿し木)があります。うまく発根するのかな?難しそう…と思うかもしれませんが、意外と簡単にできるんですよ!ここではその方法やコツ、挿し芽に向いている植物についてご紹介します。また挿し芽と挿し木はどう違うのかについても説明します。

レモンバーベナのよくある質問

冬に落葉したまま、春になっても葉がつきません。枯れてしまったのでしょうか?

レモンバーベナは、ほかの落葉樹に比べて芽吹きが遅い植物です。芽吹きは早くても5月頃です。焦らず待ちましょう。5月を過ぎても芽が付かない場合は枯れている可能性があります。

レモンバーベナは種からでも育てられますか?

レモンバーベナの種は日本ではあまり流通していません。手に入っても育苗には時間と手間がかかるため、苗から育てることをおすすめします。

レモンバーベナの関連記事

レモンバーベナの育て方!植え付けの方法から剪定・増やし方まで解説!のイメージ
レモンバーベナの育て方!植え付けの方法から剪定・増やし方まで解説!
レモンバーベナは名前のとおり、レモンのようなフレッシュな香りが魅力のハーブです。育て方が簡単で、とても丈夫なハーブなので、ガーデニングでもとても人気があります。花言葉や効能から、剪定や上手な増やし方まで、レモンバーベナのくわしい育て方についてご紹介します。