レモンバーベナとは
レモンバーベナは、南アフリカを原産とするハーブの一種です。名前にもあるとおりレモンのようなスッキリとした香りが特徴で、その強さは軽く触れただけでもふわっと周囲にさわやかな香りが漂うほどであるといわれています。しかも香りは持ちもよいので、香水やハーブティーとしても大変人気です。育て方も簡単で、初心者でも扱いやすいのも魅力ですね。
レモンバーベナの花言葉
レモンバーベナには代表的な花言葉が3つあります。それぞれの花言葉とその由来について、順番にご紹介しましょう。
レモンバーベナの花言葉①忍耐
ひとつ目の花言葉は「忍耐」です。レモンバーベナがとても頑丈で、枝ごとバチンと切り落としても元気に成長する様子からつけられました。凛とした香りも相まって、強い女性に贈りたくなるような花言葉ですね。
レモンバーベナの花言葉②広い心
レモンバーベナには、「広い心」という花言葉もあります。リラックス効果や鎮静効果をもたらすレモンバーベナの効能にちなんでつけられた花言葉です。春~秋の長い期間、葉の収穫ができるこの植物にぴったりの言葉ですね。
レモンバーベナの花言葉③魔力
レモンバーベナにはハーブや観賞用としてのほか、呪術の力を高めるとして儀式に用いられた歴史を持つ植物です。魔女が好んで使ったという言い伝えもあります。それらのことから、「魔力」という少しミステリアスな花言葉が生まれたとされています。
レモンバーベナの効能
レモンバーベナはハーブとしても多くの効能を持っていて、「ハーブティーの女王」という異名をとるほどです。フランスをはじめとした世界中で、ハーブティーやお菓子・料理の材料として親しまれています。レモンバーベナの効能について、代表的なものを見ていきましょう。
レモンバーベナの効能①リラックス
レモンのようなさわやかな香りが、神経を落ち着かせる効果を持っています。ぐっすり眠れることを期待して、就寝前に飲む「イブニングティー」として愛されています。ホットティーにして飲むと、湯気とともに立つ香りでよりリラックスできそうですね。
レモンバーベナの効能②鎮静
レモンバーベナには鎮静効果も含まれています。特に頭痛や喉の痛みに効果的です。こちらもハーブティーでいただいたり、のど飴に成分として含まれていることもありますね。
レモンバーベナの効能③胃腸のはたらきの促進
消化不良や吐き気、乗り物酔いなどの改善にも役立ちます。食欲のないときや、食べ過ぎて胃がもたれているときに摂取すると、気持ち悪さがぐっと楽になりますよ。
レモンバーベナの育て方
レモンバーベナはとても丈夫で生命力旺盛なハーブなので、初心者ガーデナーでも簡単に育てることができます。水やりや肥料、夏越し・冬越しの注意点など、基本的な育て方について見ていきましょう。
レモンバーベナの育て方①栽培環境
日当たりがよく、風通しもよい場所を好みます。さっぱりとした、風の気持ちよい場所で育てるようにしましょう。じめっとした環境が苦手なので、鉢植えの場合でも地面に直置きはせず、台やいすの上に鉢を置くようにすることがおすすめです。
レモンバーベナの育て方②土づくり
水はけのよい土が好きです。植える場所には赤玉土と腐葉土、川砂を配合したものを用いるとよいでしょう。自分で配合するのが大変であれば、市販のハーブ用培養土でも十分です。また、弱アルカリ性の土壌でもよく育ちますよ。
レモンバーベナの育て方③肥料
植え付けの際、緩効性の固形肥料を施しておくとよいでしょう。5月~9月の成長期には、月に1度程度のペースで液体肥料を与えると育ちがよくなります。
レモンバーベナの育て方④水やり
乾燥には強い植物です。少し乾燥している程度の土質の方が好みますので、水やりは控えめでよいでしょう。鉢植えの場合、土の表面が完全に乾いたら少量の水を与えます。庭植えは自然の雨だけでほとんど問題なく、積極的に水やりをする必要はありません。
レモンバーベナの育て方⑤夏越し
レモンバーベナは温暖な地域が原産地なので、夏越しはそれほど難しくありません。夏よりも湿度が高くなる梅雨の時期の方が苦手なので、こまめな剪定や置き場所の移動などで、風通しのよさをキープしましょう。
レモンバーベナの育て方⑥冬越し
冬の寒さにも強いハーブです。基本的には冬越しも神経質になる必要はありませんが、植え付けて間もない株の冬越しはやや注意深く管理してあげると安心でしょう。軒下や室内など、霜害のない場所に移動させると完璧です。
レモンバーベナの育て方⑦植え付け
種の流通量が少ないため、レモンバーベナを育てる場合は苗から育てるのが一般的です。植え付けの時期は5月~6月ごろがよいでしょう。植え付けた苗からしっかりと根が出て安定するまでは、慎重に管理してくださいね。
レモンバーベナの育て方⑧植え替え
成長のスピードが速い植物のため、鉢植えは定期的な植え替えが必須です。2年に1度、もしくは年1回のペースでも多くはありません。ひと回り大きな鉢へと植え替えて、根付くまでは日当たりのよい場所で管理します。同じタイミングで株分けを行ってもよいでしょう。
レモンバーベナの育て方⑨病気・害虫
病気の心配はほとんどありません。害虫はアブラムシとハダニに特に気をつけましょう。どちらの虫も群生し、レモンバーベナの葉から栄養分を吸い取ります。放置しているとあっという間にレモンバーベナが弱ってしまいますので、見つけたらすぐに駆除するようにしてくださいね。
ボタニ子
続いて、レモンバーベナの剪定を紹介
レモンバーベナの剪定
レモンバーベナは生育力が旺盛なので、放置していると育ちすぎて枝が四方八方に散らかった印象になってしまいます。こまめに剪定を行い、樹形を整えるようにしましょう。不要な枝葉を取り除くことで、栄養が滞ることへの防止にもなります。
剪定のタイミング
最初の1年はそれほど剪定の必要はありません。2年目の春~秋に急成長する傾向があるので、ここを剪定の目安にするとよいでしょう。時期としては5月~7月ごろがおすすめです。
剪定の手順
枝先2節くらいを、剪定ばさみを使って切り落としましょう。剪定したところから、新しく元気な茎が出てきます。新芽を切ってしまわないように注意しつつ、弱っている枝や伸びすぎてしまった枝を中心に剪定を行うと、美しい樹形に整います。
レモンバーベナの増やし方
レモンバーベナの増やし方は主に2種類あって、「挿し木」と「株分け」です。どちらも手順は簡単なので、ぜひ挑戦してみましょう。剪定をしたタイミングで、一緒に行ってもよいですね。
増やし方①挿し木
挿し木に適した時期は5月~9月ごろです。育ちのよい茎を2節分程度切り、これを挿し枝とします。数時間水に挿してしっかり水揚げさせた後、挿し木用の育苗ポットや植木鉢に挿し木を行います。根付くまでは日当たりと風通しのよいところで管理しましょう。
増やし方②株分け
株分けも挿し木とほぼ同時期の、5月~10月ごろが適期です。株分けしたいレモンバーベナを土から引き抜き、清潔なはさみで切り分けます。手で株分けしてもよいでしょう。分けた株をそれぞれ新しい植木鉢や庭に植えると、株分けは完了です。根付くまでは少し過保護ぎみに水やりをしてくださいね。
まとめ
レモンバーベナはリラックスや鎮静、消化吸収の促進など、いろいろな効能で頼りになるハーブです。とても丈夫で多少ラフに栽培しても問題なく育つことも、初心者には嬉しいですね。ぜひレモンバーベナを育てて、自家製ハーブティーでティータイムを楽しんでみてはいかがでしょうか。
出典:写真AC