ミズオオバコとは?
基本情報
科・属 | トチカガミ科・ミズオオバコ属 |
分布 | アジアの熱帯~温帯(日本含む)・オーストラリア |
生育環境 | 水田・溜池 |
草丈・生活型 | 沈水植物・1年草 |
花期 | 8月~10月 |
名前の由来
ミズオオバコは、オオバコに似ていることから、ミズオオバコと呼ばれています。しかしミズオオバコは、トチカガミ科のミズオオバコ属で1年草。水中で育ちます。一方オオバコは、オオバコ科オオバコ属の多年草です。道端や荒地、野原などで育ちます。ですから、見た目はよく似ていても、全く種類の違う植物なのです。
ミズオオバコの特徴
特徴①花
ミズオオバコの花弁は、白~薄ピンク色で3枚。おしべは3本~12本、めしべは3本~9本から成り立ちます。普通は花茎に1つの花しか付きませんが、いくつか付くものもあります。開花の時期は8月から10月で、水上や水面で開花する1日花です。日本では薄ピンク色の花が多く見られますが、海外では白色の花が多く見られます。
特徴②葉
ミズオオバコの葉形は披針形~広卵形葉。長さは8~30cm、幅2~15cmと大きさは異なります。葉質は葉脈が透けて見えるくらい、薄く柔らかです。葉の色も様々で、幼株は鮮やかな緑色、成株は紫色を帯びていたり、水田ではくすんだ緑~赤茶色のものが見られます。
特徴③実
実の長さは2~5㎝。長楕円形~楕円形で、約2mm位の種が多数詰まっています。開花後、花茎は水中に沈み、実は水中で熟します。熟成すると子房だけが水面に浮かび上がります。浮かんだ実は1日か2日で溶け始め、やがて種だけとなり、水底に沈んでいきます。その後、冬を越し、発芽して成長します。
ミズオオバコの見分け方
ミズオオバコには、いくつかの種類があります。「セタカミズオオバコ」の見分け方は、1つの花茎に複数の花を咲かせることです。「シロバナミズオオバコ」は白色の花を咲かせます。「オオミズオオバコ」はここ最近ではミズオオバコと同じ種類と考えられていますが、大型化したもので、おしべが6個あります。
ミズオオバコってどんな水生植物?
ミズオオバコは、水田や用水路、沼池に生息する水生植物です。かつては水田雑草として多く見みられた水生植物ですが、水質の悪化により、近年その数は減っています。関東地方では、水田の落水時期と乾燥時期が開花・結実時期と重なるので、自生は難しいです。ですから、自然界では貴重な種類と言えるでしょう。
まとめ
ミズオオバコは、『水田の女王』や『水草の女王』と呼ばれるにふさわしく、とても美しい水草です。草体を変化させる特性も魅力的ですよね。自然界ではあまり見られなくなりましたが、水槽で育てることもできるので、他の水草と一緒にお部屋のインテリアとして育ててみるのもいいかもしれませんね。