アオウキクサとは?餌にもなる浮草の特徴や増やし方など育て方を解説!

アオウキクサとは?餌にもなる浮草の特徴や増やし方など育て方を解説!

アクアリウムやビオトープなどのレイアウトとして人気のアオウキクサ(青浮草)とはどんな植物なのでしょうか?金魚や熱帯魚の餌にもなり便利なアオウキクサの増やし方や、導入にあたってのメリットとデメリットを育て方と一緒にご紹介します。

記事の目次

  1. 1.アオウキクサとは
  2. 2.アオウキクサ導入の【メリット】
  3. 3.アオウキクサ導入の【デメリット】
  4. 4.アオウキクサの増やし方
  5. 5.まとめ

アオウキクサとは

Photo by anro0002

水面にアオウキクサを浮かべると、涼しげでどこか情緒のある雰囲気が簡単に作れます。またゆらゆらと小さく漂う姿もかわいらしく、メダカや金魚鉢、ビオトープなどと相性抜群です。ここではアオウキクサの特徴や生態をご紹介します。

アオウキクサの特徴

分類 浮草
形態 多年草(または一年草)
原産地 日本を含む世界各地
開花期 7月〜10月
耐寒性 やや弱い
耐暑性 強い(40℃前後まで)
葉の形 だ円形
大きさ 2mm〜6mm

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アオウキクサの生息地

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アオウキクサは日本の北海道から九州までの広い範囲に棲息し、田んぼや用水路、池などで普通に見られるごく身近な浮草です。ショップでも売られていますが、自分で見つけて採取することもできます。採取したアオウキクサを水槽に入れる際は、雑菌や農薬、貝類などに卵が付着していることもあるので、水道水でよく洗い流してから入れましょう。

アオウキクサの生態

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アオウキクサは無性生殖といって、体の一部から子孫を残します。葉や茎、根から自分と同じ個体であるクローンを次々と作るのです。これを栄養繁殖といいます。アオウキクサは主に新しい葉を付け、そこから分化して新しい個体を作ります。さらに、花を付けて受粉をし種子を作るといった一般的な方法でも子孫を残します。アオウキクサはこの2通りの方法を使って、新しい仲間や子孫を増やす、とても生命力の高い植物です。

アオウキクサ導入の【メリット】

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アオウキクサは、水槽やビオトープをナチュラルな雰囲気にしてくれる水草としておすすめです。レイアウトのためだけではなく、導入するにあたってさまざまなメリットもあります。ここでは大きく4つのメリットをご紹介します。

メリット①:魚の餌になる

金魚などの雑食の魚や、草食の魚はアオウキクサを餌としてたべます。アオウキクサは繊維質を多く含むため、市販の餌などに含まれるタンパク質の消化を促す作用があります。ただしたべすぎると逆に消化不良をおこしてしまうので、主に与えている餌をきらさないよう注意が必要です。主な餌としてではなく、おやつのような感覚でたべるように調節してあげましょう。

ポイント:メダカがたべるには大きすぎる

メダカなどの小さな魚はアオウキクサは大きすぎてたべられないので、餌として導入するのであれば、ひと回りサイズの小さいミジンコウキクサがおすすめです。小さなメダカがたべるにはちょうどよいサイズです。

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メリット②:水質浄化作用がある

フリー写真素材ぱくたそ

魚の糞尿や餌のたべのこしが微生物に分解されると、アンモニアが発生します。アンモニアは最終的に硝酸塩という有害な物質に変化します。増加した有害物質は水質を悪化させ、魚などの水中に棲む生き物の健康に悪影響を与え、病気にしてしまうこともあります。アオウキクサをはじめとする浮草などの植物は硝酸塩を吸収し、水質をきれいな状態に保つ働きをします。

メリット③:メダカなどの産卵床になる

Photo byZucky123

アオウキクサの根は、メダカや熱帯魚が卵を産み付け、繁殖するための産卵床としても利用できます。根が細いので、小さなメダカのような魚の産卵床としてピッタリです。卵が産み付けられたアオウキクサはそのまま他の水槽移動させて、孵化を待ちましょう。数日もすれば、アオウキクサの下で泳ぎ回る稚魚が観察できます。

メリット④:小さな魚隠れ家なる

産まれたばかりの稚魚は大きな魚にたべられてしまったり、小さく臆病な魚は追いかけ回されることでストレスを感じ、病気になってしまうことがあります。それを防ぐため、隠れ家を作ってあげる必要があります。アオウキクサは隠れ家としての役割も果たしてくれます。

アオウキクサ導入の【デメリット】

フリー写真素材ぱくたそ

アオウキクサのメリットをご紹介しましたが、残念なことにデメリットもあります。ここでは注意すべきデメリットを大きく2つご紹介します。

デメリット①: 繁殖力が高く増えすぎる

Photo byFree-Photos

アオウキクサは栄養繁殖でどんどん仲間を増やしていきます。気温が高くなる6月ごろから繁殖力が増し、爆発的に増えることがあります。特に、日当たりのよい場所に置いているビオトープやメダカ鉢などでは、底が見えなくなるほど増加することがあります。するとせっかく育てている魚の姿が見えなくなってしまいます。そればかりか、身動きが取りづらく魚がストレスを感じてしまったり、水中に酸素が行き渡らなくなります。

対策

アオウキクサの増殖は魚の成長を阻害したり、最悪死なせてしまう原因にもなりかねません。増えすぎてしまったら随時間引いて数を減らしましょう。すぐに増えるので、思い切ってごっそり取ってしまっても大丈夫です。ただし、メダカなどが卵を産み付けている場合があるので注意して取り除いてくださいね。

デメリット②:一度導入したら完全駆除が難しい

前述したように、アオウキクサは放っておいても数を増やすほどの非常に繁殖力の強い植物です。そのため、一度入れてしまったアオウキクサを完全に取り除くにはかなりの労力が必要です。1つでも取りこぼしてしまうと、そこからまたどんどん増えてしまいます。また、種子を残すので、完全に取り除いたと思っていたのにいつの間にか復活していた…という事態にもなりかねません。長い付き合いを覚悟の上、導入することをおすすめします。

対策

日光やライトを遮ると、光合成ができず枯れます。ただし魚などの生物を入れている水槽やビオトープに入る光を完全に遮ることは難しいでしょう。そのため、駆除する際は掃除用のアミを使って一気に取り出すのがおすすめです。その後は見つけたら取りのぞくといった作業を根気よく繰り返しましょう。フィルターにも紛れ込んでいる場合がありますので注意が必要です。

アオウキクサの増やし方

出典:写真AC

放っておいても勝手に増殖する生命の高いアオウキクサですが、育て方にはポイントがあります。ここではアオウキクサの増やし方や冬越しの仕方を、育て方と一緒に説明します。

増やし方のポイント①: 日光を十分に当てる

Photo by Mara ~earth light~ free potential

アオウキクサはほかの植物を同様に光合成をします。そのため上手く光合成ができないと枯れることもあります。一日2~3時間は太陽の下に置いてあげましょう。直射日光を当てなくても明るい日陰であれば枯れることはまずありませんが、暗い室内などでも数を増やしたいのであれば、ライトなどを使ってオウキクサが光を取り込める環境を作ってあげましょう。

増やしのポイント②:冬越し

Photo byjarmoluk

アオウキクサは気温が低くなると休眠期に入ります。冬眠芽を作り活動が少なくなります。寒冷地で室外に設置しているビオトープなどでは、水面が凍ると枯れることがあります。しかし、種子を残しているので、枯れても4月ごろになると発芽して復活し、クローンも増やすといったサイクルを繰り返します。冬越しをするにあたっても特に何かを準備する必要はありません。

まとめ

アオウキクサはとても育てやすく、放って置いてもどんどん増えるお手軽な浮草です。冬場に枯れることがあっても再生能力が高く、一度入れると半永久的に増えるので初心者にもおすすめです。さらに魚の健康を保つ餌にもなり、水もきれいにしてくれるメリットがあります。アオウキクサでメダカ鉢やビオトープをさらに素敵な空間にしましょう。簡単に育てられるので、ぜひ取り入れてみてください。

おその
ライター

おその

まだまだ手のかかる子供たちと一緒にガーデニングを楽しんでいます。 なるべく管理が楽で見栄えのする庭作りがモットーです。

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