マツモ(水草)について
マツモがどんな特徴を持った水草なのか、どんな魚と相性がよいのかを紹介します。
マツモの基本情報
学名 | Ceratophyllum demersum |
和名 | マツモ(松藻) |
属名 | マツモ属 |
科名 | マツモ科 |
生息地 | 世界中の湖沼・河川 |
適正水質 | 弱酸性~弱アルカリ性 |
適正水温 | 15℃~25℃ |
マツモは世界中の湖沼や、河川に浮かんで生息している沈水性浮遊植物です。葉の長さは3cm~5cmで、針状で硬く折れやすく、茎の長さは60cm~80cmで、枝分かれしながら生長します。名前の由来は、枝分かれして生長する姿と、針のような葉が松の葉に似ていることから、マツモと名付けられました。
マツモの性質
マツモは光量は少なくても、水中の栄養を吸収する性質を持っています。そのため水の中で栄養素が過剰になることを予防し、苔や藻類の繁殖や、油膜を抑えて清潔な状態に保つことが可能です。性質を利用して、立ち上げたばかりの水槽の水質を安定することができます。
マツモと相性のよい魚
マツモは魚のおやつや産卵床、隠れ家と様々な役割があります。金魚藻と言われるくらい、メダカや金魚、エビと相性がよいので、小魚と一緒に水槽で育てましょう。マツモが増えすぎた場合は金魚のおやつになっても問題ないですが、増やしたい時や少ない時に一緒にすると、金魚が食べてしまうのでそのときは一緒の水槽に入れないようにします。
マツモの育て方
マツモを育てる環境
光量
マツモは光量が弱くても育ちますが、より生長させるには光量が必要です。屋外なら直射日光を避けた明るい場所で育てましょう。屋内なら蛍光灯や、LEDライトを使って8時間ほど点灯しておけば育っていきます。光量が強いと苔が発生して、生長の妨げになるので注意しましょう。
水
いっぺんに水換えすると環境が変わってしまうので、小まめに行うようにしましょう。水温は高温だと枯れるので、枯れないよう15℃~25℃にします。水質は酸性に傾いていると生長しないので、Ph値6〜7.5の弱酸性~弱アルカリ性で管理します。マツモを洗う時に水道水を使うと、塩素で枯れる可能性があります。塩素に弱いので、きちんとカルキ抜きした水を使いましょう。
育てる容器
水槽内が狭いと、密集して日も当たらず生長が悪くなり、水量が少ないと水質が悪くなります。そのため水量と水面積が大きい容器で育ててあげましょう。
肥料は与えなくていい
観賞魚と一緒に水槽の中で育てている場合は、観賞魚の糞がマツモの肥料代わりになるので与えなくても大丈夫です。肥料を与えすぎると、溶ける可能性があります。観賞魚がいない場合や栄養不足の場合は、生長し栄養が必要となる春~秋の期間に水草用の液体肥料を調整しながら与えましょう。光量が弱くても光合成をするので、二酸化炭素は与えなくて大丈夫です。
植え方
マツモは根が無いので自分では底面に固定できません。そのため底面への植え方は、重りを茎に付けて浮かんでこないようにするのですが、重りを付けた茎が傷ついて溶けて枯れる可能性があります。茎に傷がつかない重りを使いましょう。また、水に浮かせて育てることもできます。埋まっている部分に光が届かないので、なるべく浮かせた方が健康に育ってくれます。
越冬
マツモは急激な環境の変化に弱いので、水温の上昇が少ない場所で越冬しましょう。寒くなる屋外で越冬させるには、冬の午前中の間に、数時間だけ日が当たる場所にマツモを置けば大丈夫です。春になり水温が上昇したら、生長を再開します。
上手に育てるポイント
- 直射日光が当たらない場所で育てる
- 通常は肥料は与えなくて大丈夫
- 葉が赤くなる場合は栄養不足なので肥料を与える
マツモの増やし方
水槽での増やし方
生長する春~秋は増やしやすいですが、適正水温の15℃~25℃に保つことができれば、冬でも活動させ増やすことが可能です。増やし方は簡単で、マツモの葉をカットして浮かべておくだけです。トリミングでカットした上部を浮かべておいても増やせます。また、脇芽からも新しい葉が生長しそこから増えていきます。
ペットボトルでの増やし方
ペットボトルだと水が少ないため水質が悪化しやすくなりますが、ペットボトルでも増やすことが可能です。2Lのペットボトルを横にして側面を半分に切ります。マツモとペットボトルの底面との隙間がないと腐るので、隙間が取れるようにペットボトルに入れ、風通しのよい屋外に置きましょう。日光のみで風通しが悪いと、苔が発生しマツモの生長を妨げてしまいます。
屋外での増やし方
屋外は自然なので管理しづらいですが、もちろん増やすことも可能です。その際は日照不足にならないように、照明の点灯時間や、置き場所を工夫しましょう。水槽内の苔の発生を防ぐためには、風通しがよく、直射日光が当たらない日当たりのよい場所にマツモ置いて管理します。
マツモが溶ける原因
マツモが上手に増えない原因を解説します。健康状態を確認して適切な処置をしてください。
溶ける原因
マツモが溶けて枯れる原因は、光量や栄養の、多すぎや不十分によってや、夏に水温が高温なると溶けることがあります。また、急激な環境の変化や、ろ過をしてくれるフィルターが汚れていても溶けてしまいます。
マツモの状態の見分け方
マツモは頂芽と呼ばれる、先端にある芽で状態を見分けましょう。光量が多い場合は頂芽が茶色くなり、肥料が少ない場合は頂芽は赤くなります。
対処方法
光量不足の場合は、直射日光の当たらない、風通しのよい場所に置きます。栄養不足の場合は、液肥肥料を調整しながら与えましょう。逆に栄養過多の場合は、水換えをして水質を改善させます。水が高温になった場合は、明るく涼しい場所に移動させましょう。水質の悪化の場合は、水換えしたら水槽のろ過能力を強化させます。
溶けなくするポイント
- ろ過装置やフィルターを掃除する
- 水槽の水換えをして清潔に保つ
- 肥料や光量を調整する
マツモのトリミング方法
トリミングの道具
トリミングをする際は切れ味のよいハサミと、カットしたものを入れるトレーを用意しましょう。切れ味が悪いハサミを使うと、カットした場所の細胞組織を潰してしまいます。潰れた部分から腐り枯れてしまうので、なるべく切れ味のよいハサミを使いましょう。
トリミングの仕方
苔が付いてしまった葉や、茶色く変色した葉、溶けかけている葉をカットして、きれいな葉の状態に保ちましょう。残したままにすると、水質が悪くなってしまいます。たくさん脇芽が出てきたら、根元の方にある古い葉をカットすることで、根元に苔が付くのを防ぐことが可能です。マツモは生長が早いので、状態が悪い葉はトリミングして若い葉を残しましょう。
まとめ
マツモは丈夫なので環境を整えてあげれば、初心者でも簡単に育てることができます。簡単に育ち、きれいな水質にしてくれるので、アクアリウム初心者なら育てない手はありません。ぜひマツモを育てて、観賞魚が生活しやすい水槽を作ってみてくださいね。
出典:写真AC