オオサンショウモとは
オオサンショウモは南米などの暑い地域が原産のシダの仲間の浮き草で、花を咲かせない植物です。日本では1950年代から栽培されています。内側に折れてフリルのようになる浮葉が特徴の水草として広く普及していますが、要注意外来生物に指定されている側面もあります。
オオサンショウモの基本情報
名称 | オオサンショウモ |
学名 | Salvinia molesta |
分類 | シダ植物門/サンショウモ科/サンショウモ属 |
形態 | 多年草または一年草の浮き草 |
原産 | 中南米など、アメリカ熱帯地域 |
耐寒性 | 弱い |
耐暑性 | 強い |
葉のサイズ | 成長した浮葉は2cm~3cm |
草体のサイズ | 5cm~10cm |
サンショウモとの違い
オオサンショウモによく似た形態の浮き草として、サンショウモというシダ植物があります。全体的にオオサンショウモよりも小さく、葉は長さが1.5cm程度で、成長しても平たいままです。そのため、オオサンショウモの平たい幼生状態の葉とは区別しづらいです。サンショウモは日本の在来種で、絶滅危惧種に指定されています。名前や生育形態は似ているのに、扱いは異なるのですね。
オオサンショウモの利用
浮き草として人気のオオサンショウモは、どのように鑑賞され、利用されているのでしょうか。オオサンショウモが果たす役割や効果などを見ていきましょう。
ビオトープ
単体でオオサンショウモ鑑賞するほかに、メダカなどと一緒にビオトープを作って楽しむ育て方があります。水中に生い茂る根と呼ばれる部分は、魚のエサや卵を産む場所として最適なのです。そのため、通信販売などでも広く流通しています。
水質浄化
オオサンショウモは水質の浄化に効果があるとされる植物です。魚のいるビオトープや水槽においては、排出物に含まれるアンモニアや水中の余分な栄養分などを吸収し、きれいな水質を保つ役割があります。また、自然環境においても、富栄養化の防止や重金属類の吸収といった面で、オオサンショウモを利用する実験が行われています。
オオサンショウモの特徴
水生のシダ植物のためオオサンショウモには花が咲きませんが、水に浮かぶ涼しげな姿に癒やされる方も多いのではないでしょうか。葉は表面に毛のある2枚の浮き葉と、1枚の水中葉がセットになっています。じっくり観察すると、面白い発見があるでしょう。
浮き葉の特徴
オオサンショウモの見た目の一番の特徴は、フリルのような葉っぱでしょう。幼生の葉は丸い形のものが水面に浮かんでいる状態です。それが成長すると、葉が内側に向かって二つ折りの形になり、水面から立って波打っているような形になります。葉の表面には細かい毛がびっしり生えており、水をよくはじきます。
水中葉の特徴
一般的にオオサンショウモの根といわれている部分は、植物学的には根ではなく、水中葉とされています。そもそも葉は3枚が一組となっているのですが、水面に浮いているのは2枚です。残りの1枚が根のような形に細かく分かれて水中に伸び、その根元に胞子をつけます。
オオサンショウモを枯らさない管理方法
オオサンショウモは基本的には繁殖力が強い多年生の浮き草です。熱帯地域原産で暑さに強く、夏の日差しのもとではぐんぐん成長します。しかし寒さには弱く、日本の屋外では冬越しできずに枯れてしまうことが多いため、一年草扱いとされています。枯らさないための管理方法を見ていきましょう。
冬越し
庭やベランダにオオサンショウモの鉢や水槽を置いている場合、秋、冬に放置しておくと枯れてしまう可能性が大です。水温が15℃を下回る季節になったら、屋内に入れるなど水温を低下させないようにしましょう。なお、葉の色が悪くなっても完全に枯れていない場合があるため、水は絶やさないようにして春を待ってみましょう。
夏場の水温と蒸れ
強い日差しと温かい気温は、オオサンショウモの成長の源となります。しかし極度な水温上昇と蒸れが原因で、オオサンショウモがいわば煮えてしまう状態になり、枯れることがあります。夏の管理は冬越しに比べて楽ですが、蒸れや水温が35℃以上になる環境は避けて栽培しましょう。