サトウキビが原料のお酒ってどんなもの?種類や作り方を詳しく解説!

サトウキビが原料のお酒ってどんなもの?種類や作り方を詳しく解説!

サトウキビは、砂糖の原料として世界的に大切な植物です。しかしそれと同時に、古くからラム酒などのお酒の原料としても利用されてきました。ここでは、サトウキビを使った様々なお酒について、その作り方や美味しい飲み方について紹介していきます。

記事の目次

  1. 1.サトウキビとは
  2. 2.サトウキビで作られるお酒
  3. 3.サトウキビのお酒1:ラム酒
  4. 4.サトウキビのお酒2:黒糖焼酎
  5. 5.まとめ

サトウキビとは

出典:写真AC

サトウキビは、イネ科サトウキビ属の植物です。縦に入った繊維や節から、見た目は竹や笹に似ています。しかし中は空洞でなく、甘い髄(ずい)が詰まっています。砂糖やバイオエタノールの材料として使われる他、うま味調味料の原料としても利用されています。
 

基本情報
学名 Saccharum officinarum
和名 サトウキビ
原産地 ニューギニア島
草丈 2~3m

砂糖の原料として欠かせない

出典:写真AC

サトウキビはテンサイと並んで、砂糖の材料である世界的に大切な植物です。サトウキビは冬になると、節の中の髄に甘さを十分に蓄えます。これを絞って濃縮・凝固させたものが黒砂糖です。一般的に使われている白砂糖は、更に何度も濾過(ろか)を繰り返すことで純度を高めたものです。

サトウキビで作られるお酒

出典:写真AC

サトウキビは、砂糖以外にもさまざまな利用方法がある、大変無駄のない植物です。中でも特に有名なのが、お酒です。お酒を作るためのアルコール発酵には糖分が必要であり、サトウキビは糖分が特に豊富であるからです。ラム酒やカシャッサ・黒糖焼酎など、多くの種類のお酒が世界中で作られています。

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多くは蒸留酒

出典:筆者撮影

世界中で作られているサトウキビのお酒ですが、洋酒を中心にその多くは蒸留酒です。蒸留酒とは、発酵させて作ったアルコールを更に蒸留することでアルコール度数を高めたお酒を指します。通常の醸造酒はアルコール度数は20%程度が限度ですが、蒸留することでこれをさらに高めることができます。

サトウキビのお酒1:ラム酒

出典:写真AC

サトウキビを使ったお酒の中でも一番有名なのが、ラム酒です。世界四大スピリッツの一つにも数えられ、非常に種類が多いのが特徴です。甘い香りと風味から、世界的に人気が高い洋酒の一つでもあります。また、ブラジルのカシャッサも、ラム酒の親戚にあたります。

甘い香りと味わいが特徴

出典:写真AC

ラム酒は、カラメルに似た香りと深い甘さが特徴です。この甘さのおかげで、蒸留酒の中でも比較的飲みやすく、日本人好みの洋酒とも言われています。多くの種類がありますが、大きく分けると透明で癖の少ないホワイトラム、適度な香りと甘みで飲みやすいゴールドラム、濃い色と風味を持ちダークラムに分類されます。

サトウキビの廃糖蜜を蒸留

出典:写真AC

ラム酒の作り方で一番特徴的なことは、サトウキビから砂糖をとった後の廃糖蜜(黒蜜・モラセス)を原料にする、ということです。砂糖を精製して残ったカスとはいえ、糖分は60%とまだまだ残っています。そこでこれを発酵させ、カラメルのような甘い風味が残った醸造酒を作ります。

蒸留後に樽で熟成

出典:写真AC

蒸留を繰り返してアルコール度数を高めたラム酒は、樽(たる)の中で貯蔵され、風味を高めていきます。樽は主にナラが使われますが、素材によって風味が変わってきます。また、熟成期間に応じて色や香りが濃くなっていきます。透明なホワイトラムは、短時間の熟成のあとに活性炭に通したものです。

ラム酒は海賊のお酒?

出典:写真AC

ラム酒と聞くと、「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの海賊映画を連想する人も多いかもしれません。当時の海賊たちは、ラム酒を何より愛していました。当時の航海は、陸上に上がれない日が何十日にも及ぶ危険なものでした。しかし、当時は冷蔵技術などありません。そのため、水より腐りにくく安価なラム酒が多用されたのです。

誕生のきっかけはコロンブス

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カリブには、本来サトウキビは自生していません。しかし、コロンブスが持ち込んだサトウキビは、カリブの気候にとてもよくあっていたのです。そのため、三角貿易の大切な一角として砂糖栽培が栄えました。カリブと言えば海賊たちの一大拠点でしたから、廃糖液で作れるラム酒は、海賊たちと相性が良かったのです。

定番はストレートやロック

出典:写真AC

ラム酒は、甘い香りから日本でも人気の高い洋酒の一つです。そのまま飲む場合には、ストレートやロックが比較的好まれます。おつまみは、ナッツが定番です。これは、適度な塩気がありながらも味の主張が強くないので、ラム酒の甘い風味を邪魔しにくいためです。また、ダークラムにはチョコレートをあわせるのも定番です。

カクテルベースとしても人気

出典:写真AC

ラム酒は、カクテルベースとしてもよく使われています。特に人気が高いのはモヒートです。炭酸水とライム、砂糖をラム酒と合わせてミントを加えるシンプルなレシピですが、日本の暑い夏にもぴったりです。また、ラム酒をコーラで割ってライムを加えたキューバ・リブレも美味しいですよ。

ケーキなどの製菓材料にも

出典:写真AC

甘いラム酒は、製菓材料としても人気が高いお酒です。特にドライフルーツとの相性が良く、レーズンをはじめとしてさまざまなフルーツがラム酒に漬けられています。また、パウンドケーキやシュトレン、トリュフなどに加えると、ラム酒独特の甘い香りを目一杯楽しむことができます。

ボタニ子

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次のページでは、日本で作られているサトウキビのお酒について紹介します。

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サトウキビのお酒2:黒糖焼酎

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