日本の花、「国花」ってあるの?
日本の花の代表といえば、みなさんはどんな花を思い浮かべますか?桜や菊、梅、香りの豊かな金木犀、日本らしい梅雨をイメージさせるあじさい、ひな祭りの歌に出てくる桃の花を思い浮かべる方もいるかもしれません。そもそも、万人が認める日本代表、日本の花の定義とは何でしょうか?日本を代表する物といえば、国歌「君が代」、国鳥「キジ」、国技「相撲」などがあります。国がお墨付きを与えているのであれば、名実ともに”日本代表”と言えそうですが、国花というものはあるのでしょうか?
国花とは?
国花とは国を象徴する花
国花とは、その国を象徴し国民に最も愛されている国の花、とされています。国花は法令で定められること以外にも、古来より親しまれている、伝承などに基づいたものが選ばれたり、国民投票によって決まる場合もあります。実は、世界的に見ても、国花を法律で定めている国はごく稀で、日本にも法定上の「国花」はありません。しかし法定上の「国花」ではなくても、国の花として日本を象徴している花はあります。
日本の(事実上の)国花
古来より日本人に愛されている、「桜」と「菊」の二種類が実質上の国花として扱われています。日本の花といえば桜、菊と言っても過言でないくらい、2種類の花は欠かすことができません。桜は100円硬化、切手のデザインに、菊は50円硬化、切手、パスポートの表紙、皇室の紋章として使用されています。公的な機関でも使われている、まさに日本らしい花です。法定上の国花でなかったとしても、日本国の花として、古来から日本国民に愛され、親しまれている「桜」と「菊」が選ばれたのも納得です。
日本らしい国の花 花の日本代表5選!品種と花言葉を紹介
日本は四季折々、さまざまな花が咲き誇りますが、その中でも日本の花として有名な品種、国花として知られている花、日本にしかない、日本らしい、古来から大切にされている品種など、日本といえばこの花と言える、花の日本代表を5つご紹介していきます。
花の日本代表5位
花の日本代表5位・・・藤(フジ)
藤とはどんな花?
藤の特徴
藤棚、なんて聞いたことありませんか?日本産の藤は固有種です。海外で咲いている藤はフジ属に属する別の品種で、純粋なフジは日本にしかない花ともいえます。花の垂れ下がるフジは、まるで女性の振り袖のようにも見え、とても日本らしい花です。マメ科の植物であり、右巻き、左巻きとツルの巻き方が種類により違い、右巻きは「フジ」「ノダフジ」といいます。左巻きは「ヤマフジ」「ノフジ」と言います。
藤の花言葉
フジの花言葉は「優しさ」「歓迎」「決して離れない」「恋に酔う」です。万葉集でもたくさんの和歌でフジの花が詠まれており、それだけ、古来から親しまれていた日本らしい花だということがよくわかります。
実はとても育てやすい藤の花!
強い日当たりを好み、日光を遮るものがない場所に藤棚と呼ばれるパーゴラを設置し、栽培します。開花時は花が垂れ下がり、見ているだけで綺麗なこの花は、なんと天ぷらにして食べることもできるんです。開花時期は4~5月、白、薄紫、ピンクの花を咲かせます。
実は自宅でも栽培できる
家庭でガーデニングを楽しむのは難しいというイメージがある品種ですが、耐暑・耐寒性に優れている強い品種な上、多年草なので、プランターなどで工夫すれば自宅で何年も楽しむ事が可能です。日当たりのいい場所で管理する必要がありますが、日本の気候に非常よく合っている花なのでぜひとも育ててみたいですね。
花の日本代表4位
花の日本代表4位・・・椿(ツバキ)
ツバキってどんな花?
ツバキの特徴
ツバキは日当たりの良い場所~半日陰で栽培し、葉に日光があたりすぎると焼けてしまうため、やや遮光を必要とする場合がありますが、耐暑性、耐寒性共に優れており、日陰でも育ちます。樹高が5~10mと高めになることから、生け垣などとしても好まれています。ツバキの生け垣の発想は、日本にしかないかもしれませんね。広めの庭であれば、ガーデニングも可能ですが、樹高が高くなるので、調整が必要です。11~12月、2~4月に赤や白、ピンクの花を咲かせます。
万能な椿油
よく赤い花びら、黄色の花弁のツバキを公園などで見かけたり美容系の商品のパッケージでも見かけたりする方は多いのではないのでしょうか?ツバキから取れる油は、椿油と言われ、ツバキ科ツバキ属のヤブツバキの種子から採取されています。食用は勿論のこと、スキンケア、保湿、髪油などにも用いられ、刀や碁盤、将棋盤や木彫りなどの磨き、ツヤ出しにも用いられる万能油です。
ツバキの花言葉
ツバキの花言葉は「気取らない優美さ」「控えめな素晴らしさ」です。なんだか、奥ゆかしく謙虚で控えめな和服美人のようなイメージが思い浮かびます。日本人が古来から愛してやまない花です。
ツバキの歴史
日本では古来から愛されていて、京都の龍安寺には室町時代からのツバキが残っています。江戸時代には江戸の将軍や肥後、加賀などの大名などが園芸を好んだことから、庶民の間でも大いに流行しました。しかし、それを遮るように、「ツバキは花首から落ちるから不吉」なんていう噂を、武家の人間が広めたとも言われており、現在でも不吉だというイメージを抱く方もいますよね。
花の日本代表3位
花の日本代表3位・・・梅(ウメ)
ウメってどんな花?
ウメの特徴
梅には500種類以上もの品種があると言われています。梅の花は可愛らしいですが、果実は梅干しや梅酒で親しまれていますね。梅の種類は、実をつける「実梅」、花を楽しむ「花梅」と大きく分類されます。開花時期は2月~4月、梅の花の色は、赤、白、ピンクとあり、一重咲き、八重咲きと種類も様々です。
ウメの花言葉
梅の花言葉は、「高貴」「高潔」「忠実」で歴史ある花に相応しい言葉です。
日本の花として奈良時代に大人気!
梅は元々中国の花で、2000年前の中国最古の薬物学書にも梅の花の記載があります。日本に伝来されたと言われているのが、1500年前。中国から薬用の「烏梅」(ウバイ)として伝来したことがはじめと言われています。烏梅は今でも、漢方薬として用いられています。
日本でも古くから縁のある花
奈良時代の万葉集に梅の花の和歌が118首もあることから、奈良時代には梅の花が咲き誇っていた事でしょう。今から約1000年前、平安時代の日本最古の医学書「医心方」には、梅干しが登場し、日本でもかなり古くから縁があることがわかりますね。
ボタニ子
続いては2位の発表です。