サトウキビのお酒2:黒糖焼酎
日本で作られているサトウキビのお酒の代表が、黒糖焼酎です。これは、その名の通り黒糖を作って作られています。スッキリとした辛さと甘い風味が特徴的で、豚肉などどっしりとしたおつまみともよく合います。なお奄美諸島の特産品であり、他の地域では黒糖焼酎を作ることはできません。
スッキリ辛口なのに甘い香り
黒糖焼酎に囲まれた pic.twitter.com/XZ76x4QAmH
— あんぶ (@AMBASA_) January 12, 2020
黒糖焼酎はラム酒とは対象的に、甘さのない辛口のお酒です。これは、蒸留の際に糖分が取り除かれること、米麹(こうじ)に使用されるのが甘みの少ないタイ米であることなどがその理由です。しかしサトウキビ由来の甘い香りは残っており、柑橘類などとの相性は抜群です。
奄美群島の特産品
黒糖焼酎は奄美群島の特産品です。戦後の奄美群島は米不足が深刻化する一方で、アメリカ領となったことで日本本土に黒糖を出荷することができなくなりました。そのため、残った黒糖とソテツでんぷんを使った焼酎造りが盛んになり、奄美群島の特産物となりました。
返還後から米麹を使用するように
その後、奄美大島が日本に返還されることになりました。当時の酒税法では、砂糖を使用する黒糖焼酎は『スピリット』扱いであり、通常の焼酎より酒税が高くなっていました。その後、酒税法の改正に伴い、必ず米麹を使用すること条件に『焼酎』を名乗ることが許されたのです。
材料は黒砂糖と米麹
黒糖焼酎の作り方はラム酒とは大きく異なります。まず第一の違いは、廃糖液ではなく固形の黒糖をお湯に溶かして作った糖液を使用するということです。次に、糖液だけではなく麹の力で発酵させます。この時使われる米麹は主にタイ米が使用されます。これは、日本のお米に比べて麹の付きが良いからです。
泡盛との違い
黒糖焼酎は、しばしば沖縄の泡盛と間違えられることがあります。しかし、泡盛は米焼酎の一種であり、サトウキビは使いません。とは言え、奄美群島は沖縄諸島と文化的なつながりも強いことから、黒糖焼酎の作り方は泡盛の影響を強く受けています。
おつまみは黒糖もおすすめ
黒糖焼酎は、冷蔵庫で冷たく冷やして飲むのがおすすめです。寒い季節にはお湯割りもおすすめですが、このときは先にお湯をグラスに注ぎ、そこに黒糖焼酎を加えてください。おつまみには、豚の角煮や油そうめんなど重めの味わいのものが向いています。また、原材料でもある黒糖も人気が高いです。
まとめ
サトウキビは、砂糖の原材料であり、世界的に見ても非常に重要な植物です。また、糖分を多く含むため、古くからお酒の材料として使われてきました。世界中に色んな種類のお酒があるので、これを機に飲み比べてみるのも楽しいかもしれませんね。
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出典:写真AC